より良い医療制度をめざす活動

【18.01.25】福祉医療制度

福祉医療制度

最終回は、子どもを対象とした任意予防接種助成制度及び子ども医療費助成制度や精神障害者医療費助成制度などの福祉医療制度について、その特徴を解説する。

予防接種について
要請項目
○流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)、ロタウイルスワクチン、子どもや障害者のインフルエンザワクチンの予防接種に助成制度を設けてください。
 子どもを対象とした任意予防接種助成制度は、自治体キャラバンにおける粘り強い訴えにより、自治体でもその必要性が認識されてきている。国も2016年10月にそれまで任意予防接種であったB型肝炎ワクチンを定期接種化するなど、「ワクチンで防げる病気はワクチンで防ぐ」の考え方は着実に広がっている。
 昨年度の自治体キャラバン以降、インフルエンザでは東海市、蟹江町、東栄町が新たに実施し9市町村(17%)に拡大した。多くの市町村が対象を中学校又は高校3年生まで助成対象としているが、飛島村では65歳までと幅広く対象としている。また東海市では、「子ども達の受験という大事な時期にインフルエンザに罹患するのを防ぐ」と、中学3年生及び高校3年生を対象に、昨年新たに助成を開始した。
 今年も多くの子ども達がインフルエンザに罹患し、学級閉鎖が相次いでいる。子どもを看病するため仕事を休まざるを得ない親からも助成を望む声は多い。一刻も早い助成が求められている。
 おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)は豊川市が新たに実施し9市町村(17%)となった。おたふくかぜについては、国ごとの予防接種計画に基づいて実施するようWHOが接種を勧告している。また日本耳鼻咽喉科学会の調査では、2015年・2016年の2年間で、少なくとも336人がおたふくかぜの合併症による難聴と診断されたと発表した。このようなことを防ぐためにも早期の助成が求められる。
 ロタウイルスでは岡崎市、豊川市、豊明市が新たに実施し16市町村(30%)に拡大した。今回の懇談の場でも、蒲郡市や幸田町など複数の自治体から前向きな回答を得ることができた。
その他、百日咳感染予防のための四種混合ワクチンの5回目の接種や、おたふくかぜの2回目の接種などについて助成を求める声もある。今後も全市町村での助成制度実施を求めていくと同時に、国に対しても定期接種化を求めていく。  

福祉医療制度について
要請項目
○福祉医療制度(子ども・障害者・母子家庭等・高齢者医療)を縮小せず、存続・拡充してください。
○子どもの医療費無料制度を18歳年度末まで現物給付(窓口無料)で実施してください。
○精神障害者医療費助成制度の対象を、一般の病気にも広げてください。
 愛知県の福祉医療制度は、対象者の範囲が広く、利用者の一部負担もない。子どもと障害者の助成制度は、所得制限もなく、これらは全国と比較しても優れた制度となっている。
 過去に愛知県は福祉医療制度に一部負担金の導入を目指したが、市町村や社保協、医療福祉関係団体などの反対により、2013年6月に断念を表明。しかし、所得制限の導入については「研究を引き続き深めていく」とし、今回の懇談の場でも所得制限も含めた福祉医療制度の見直しを議論していると回答した。今後も市町村と共に県の改悪を許さない運動と、県制度の対象拡大を求めていく。

子ども医療費助成
残り5市でも拡大求める声が続々
昨年度の自治体キャラバン以降、南知多町・豊根村(2017年4月実施)、あま市(2017年7月実施)、豊橋市(2017年12月実施)が拡大した。この結果、通院で中学校卒業まで窓口負担無料の市町村は49市町村(91%)となり、未だ対象としていないのは、半田市・津島市・常滑市・愛西市・北名古屋市の5市のみとなっている。これらの市でも、議会で「せめて中学校卒業まで対象を」と請願が採択される動きも見られる。残り五市には、「中学校卒業まで対象」が愛知のスタンダードとなっている現状を認識し、早期に対象とするよう強く要請していく。
 厚労省は2018年度から、子ども医療費助成に関する国民健康保険の減額調整措置(ペナルティ)について、未就学児までが対象の助成については減額しないとしている。これにより生まれた財源の使い道について、厚労省は2016年12月の通知で「更なる医療費助成の拡大ではなく他の少子化対策の拡充に充てることを求める」としていたが、2017年12月5日の参議院厚労委員会で「活用を禁止するものではない」と、活用について認める答弁をしている。
 今後、各市町村には、厚労省の答弁や全国的に18歳年度末まで対象とする動きが急速に広がっている現状を紹介し、更なる対象拡大を求めていく。また来年知事選挙を控える愛知県にも、県制度として中学校卒業までを対象とするよう働きかけを行っていく。  

精神障害者医療費助成
一般疾患対象が九割超
 精神障害者医療費助成制度は、精神障害者への福祉医療制度の要求を受け、各市町村が独自の助成制度を設けてきた。県は2008年4月に、ようやく精神障害者保健福祉手帳1・2級所持者を対象とした県制度を創設した。しかし、県制度は入通院とも精神疾患のみを対象としており、多くが一般疾患まで対象としている市町村制度と比較し大変狭い範囲となっている。
今年度、新たに半田市・豊橋市が精神障害者保健福祉手帳1・2級所持者に対し、一般疾患まで対象を拡大した。これにより、通院で51市町村(94%)、入院で49市町村(91%)となり、対象としていない市町は、通院で高浜市、大治町、蟹江町、入院で常滑市、高浜市、日進市、大治町、蟹江町のみとなっている。
対象としていない市町でも、懇談の場で「他市町と比較し遅れていることは認識している。何とか来年度から対象とするよう調整している」と回答するなど、拡大に前向きな回答を得ることができた。
今後も更なる対象拡大を訴えるとともに、県に対して早期に全疾患を対象とするよう要望していく。  

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