より良い医療制度をめざす活動

【17.04.05】市町村2017年度予算の動き

子育て支援・福祉医療制度拡充の動き

各市町村で2017年度予算について審議、成立している。今年は子育て支援に関する項目が目立つ内容となっている。また福祉医療費助成制度でも着実な前進が見受けられる。3月28日現在で判明している内容を紹介する。

中日新聞が紹介している市町村別予算の特徴では、妊婦や子育て支援に関する見出しが全体の約4割を占めている。予算の特徴は低所得者に対する保育料の軽減や学習支援などが挙げられるが、医療・福祉分野でも子育て世代への配慮が見受けられる。
国が「産後うつの防止」などを目的に、今年の4月から産婦健康診査助成制度(表1)を開始する。それに合わせて市町村事業として助成制度を新規に創設する市町村数は、少なくとも二桁に上り、既に実施している市町村を含め、4月以降産前産後を通じた健診の助成が行われることとなる。  

また妊婦への個別歯科健診を小牧市や岩倉市が新規に実施、県外で接種した予防接種費用を償還払いで対応する制度を名古屋市や豊山町が創設するとしており、里帰り出産する妊婦への対応として注目される。

子ども医療費助成制度―中学校卒業までを愛知スタンダードに―
昨年10月に愛知自治体キャラバンが調査した子ども医療費助成制度の実施状況は、通院で中学校卒業まで窓口負担無料の自治体は47市町村(87%)であった。2017年度予算で、あま市と豊橋市が中学校卒業まで窓口負担無料に拡大する。また南知多町も、今年の4月から18歳年度末まで入通院とも窓口負担無料にする(表2)。
豊橋市は、昨年の市長選挙でもいわゆる「コンビニ受診」を懸念して拡大に後ろ向きだった市長が、「東三河スタンダードに合わせるしかない」(東日新聞)と拡大を決断したと言われている。あま市も「医療機関窓口での自己負担額がなくなることで、子育てをする家庭における生活の安定と、子どもの健全な育成及び資質の向上に資することができる」(予算主要施策の概要)と拡大の意義を述べている。
3市町の拡大により、中学校卒業まで窓口負担無料の実施率は90%を超えることになる。全県的に子育て支援が市政の大きな柱となっている中、子ども医療費助成制度の中学校卒業まで窓口負担無料が、まさに「愛知スタンダード」となっている。
未だ中学校卒業まで対象としていない自治体は、半田市、津島市、常滑市、愛西市、北名古屋市の5市となった。これら5市には、今後も粘り強く拡大することを求めていく。また愛知県は県制度を中学校卒業まで窓口負担無料に拡大し、市町村の子育て支援を後押しすべきである。  

精神障害者医療費助成制度―全疾患対象9割に―
愛知県の精神障害者医療費助成制度は、通院が「精神障害者保健福祉手帳1・2級所持者かつ自立支援医療受給者証所持者」に、入院が「精神障害者保健福祉手帳1・2級所持者」に対し、それぞれ精神疾患のみ対象に窓口負担分の全額助成を実施している。
しかし、近年の精神疾患患者の増加を受け、市町村単独で県制度に上乗せして助成する市町村が増加している。昨年度も、少なくとも7市町村が対象を拡大したり、償還払いを現物給付にしたりと、拡大の流れが続いている。
今年度も、豊橋市が手帳1・2級所持者を対象に、入院の全疾患窓口負担無料(現物給付)に拡大、半田市も手帳1・2級所持者を対象に、入・通院の全疾患を全額助成(償還払い)に拡大する(表3)。これにより、入・通院共に全疾患を対象としている市町村は90%を超えることとなった。
愛知県は、九割を超える市町村が全疾患対象に実施している現状に真摯に向き合い、早急に県制度として全疾患まで対象を拡大することが求められている。
また予算関連ではないが、今年4月から豊川市と新城市が、精神障害者医療費助成制度について償還払いから現物給付へと改善することも判明。これを受け、周辺市町村の担当者に確認すると、「豊川市など(償還払いから現物給付へ)の動きは承知している。周辺市町村が動いているので、我々も現物給付の実施に向け検討しているところだ」と回答した。

引き続き要求実現へご協力を
この間の福祉医療制度の創設・拡充は、地域住民や関係者を始め、自治体キャラバンでも粘り強く訴えてきた成果だと言える。特に豊橋市の子ども医療費助成制度の拡大に見られるように、一自治体の前進により周辺市町村を動かすこともできる。今後も様々な要求を粘り強く訴えていくため、協会へ要望をお寄せいただくと同時に、医療改善運動へのご協力をお願いしたい。  

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