より良い医療制度をめざす活動

【16.10.05】会員署名解説 消費税の「損税」解消を直ちに

医師・歯科医師要請署名にご協力ください

協会は、さらなる高齢者の患者窓口負担増計画中止と医療の消費税損税解消などを求める医師・歯科医師要請署名運動を展開している。

損税負担が医院経営に重くのしかかる
消費税が導入された際、国民の健康にかかわる保険診療等は、社会政策的な配慮で「非課税」とされた。非課税ではあるが、仕入れや設備投資などには消費税がかかっている。しかし、非課税であるために仕入れ等にかかる消費税を患者や保険者から徴収することができず、医療機関が負担を強いられている。この控除対象外消費税(いわゆる「損税」負担)が医院経営に重くのしかかっている。

「診療報酬に上乗せした」と言うが
政府は、医療機関が仕入等で負担する消費税については、消費税導入以来3回にわたって合計2.89%分を診療報酬に上乗せしたとしている。しかし、上乗せした後にマイナス改定や点数の包括化・廃止などが行われ、2014年の税率引き上げ時に初再診料等が1.36%引き上げられたことを除けば、現在の診療報酬のどこにどれだけ消費税分が含まれているかは、政府も説明不能になっている。
そもそも、保険診療等にかかわる消費税を患者に負担させないために非課税としたはずなのに、診療報酬に加算して消費税を患者・保険者に負担させることは矛盾していると言える。

「免税」で完全非課税に
消費税を海外に持ち出さないために輸出取引は「免税取引」とされ、輸出企業は仕入等で負担している消費税の還付を受けている。協会・保団連は、保険診療等を輸出取引と同様に「免税」とし、輸出企業のように「ゼロ税率」を適用して、医療機関が負担している消費税の還付を受けることを要求している。
「ゼロ税率」を適用してこそ患者負担が増えることなく損税が解消でき、保険診療等が完全非課税になる。

医師会は非課税還付を提言
日本医師会医業税制検討委員会は、現行の非課税制度を維持したまま、診療報酬に上乗せしたとされている2.89%相当額を上回る仕入消費税額を負担している場合には、その超過額の還付を受けることができる制度を提言している。日本歯科医師会や四病院団体協議会などの医療関係諸団体も、同様の非課税還付制度を主張している。
この制度は、仕入等で負担する消費税を診療報酬に上乗せされていることを認めることにはなるが「損税負担を何とかしてほしい」「せめて大規模な設備投資にかかる消費税は還付してほしい」などとする医療機関の声に応えるための次善の策と言うことができる。

先送りは認められない
与党が2015年末にまとめた「平成28年度税制改正大綱」には「医療に係る消費税等の税制のあり方」について「平成29年度税制改正に際し、総合的に検討し、結論を得る」と明確に記してある。
しかし、消費税率の引き上げが2年半再延期される見込みであることから、社会保障財源を考慮して問題を先送りにする議論がある。損税解消は医療機関にとって差し迫った課題であり、先送りを決して認めることはできない。

消費税増税は中止、事業税の非課税措置と措置法は存続を
景気が回復しない中、消費税の税率引き上げを延期することは当然のことではあるが、逆進性を持つ消費税の増税はきっぱり中止すべきだ。消費税に頼らなくても医療・社会保障の財源は確保できると協会・保団連は提言している。
高い公共性・公益性を持つ社会保険診療報酬が事業税非課税となっていることは当然のことだ。また、適正で合理的な診療報酬制度が確立されていない中で、小規模な医療機関が地域医療に専念するために、社会保険診療報酬の所得計算の特例措置(租税特別措置法第26条・67条。いわゆる4段階税制)も必要な制度だ。両制度の存続を求めるためにも、要請署名にご協力いただきたい。


要請項目(税制要求のみ抜粋)
医療機関の消費税損税解消、事業税非課税措置等の存続を(1)医療に「ゼロ税率」を適用するなど、控除対象外消費税(損税)の解消をただちに図ること。消費税の増税は中止すること
(2)社会保険診療報酬に対する事業税非課税措置、所得計算の特例措置(租税特別措置法26条並びに67条)を存続すること

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