より良い医療制度をめざす活動

【15.01.25】要介護認定者の障害者控除の認定

データシートの最終回となる第5回は「介護保険」について「要介護認定者の障害者控除の認定」「新しい総合事業」について、実態の報告と解説を行う。

要介護認定者の障害者控除の認定

要請項目
_雜酳欷韻里垢戮討陵弉雜酣定者を障害者控除の対象としてください。
△垢戮討陵弉雜酣定者に「障害者控除対象者認定書」または「障害者控除対象者認定申請書」を個別に送付してください。

 障害者手帳を所持していなくても、税法上の障害者と認められれば、障害者控除を受けることができる。「税法上の障害者」とは、|療障害者、精神障害者、身体障害と認定された人、⊂鏤寝たきりの人、市町村長が身体障害者等に準ずると認めた人――である。
 介護保険の要介護認定を受けている人は「障害者等に準ずる」と考えることができ、「障害者控除対象者」とすることが妥当である。
 愛知県内の障害者控除認定書の発行数は、2012年の34,778件から7,544件増え、42,322件となった(前年比122%)。調査開始の2002年から11倍を超える発行数となった(表2)。
 これは、「要介護認定者に障害者控除認定書を」と毎年粘り強く要請してきた成果の表れである。
 しかし、要介護認定者数と比べて依然として少数であることには変わりなく、制度の周知が十分とは言いがたい状況である。

要介護1以上を対象は7割超

 認定書を要支援2以上に発行するのは昨年同様9市町あり、要介護1以上に発行する30市町村と合わせ、39市町村(72.2%)が要介護1以上の方に認定書を発行している。
 要介護1以上を対象と回答していないものの、介護認定時の調査票や主治医意見書を参考に、障害高齢者及び認知症高齢者の日常生活自立度から発行対象としている自治体もある。これらの自治体も実質的に要介護1以上を対象としているとみることができる。
 障害者控除はあくまで税法上の措置であり、要介護認定者を「市町村長が身体障害者等に準ずる」と認めれば対象とすることができる。ただでさえ重い介護保険料・利用料負担をしている要介護認定者及びその家族の税負担を軽減することは、何ら違法ではない。全市町村で、最低でも要介護1以上を障害者控除認定書の発行対象とすることが求められる。

自動送付が増加

 要介護認定者に障害者控除認定書を自動的に送付しているのは、瀬戸市・江南市を新たに加え16市町村に、申請書を自動的に送付しているのは、高浜市・東栄町を新たに加え15市町村に。これらにより、31市町村(57.4%)が認定書・申請書を自動送付していることとなった。
 キャラバンでは認定書の自動発行を要請してきたが、少なくとも申請漏れがないよう、申請書の自動発行は全市町村ですべきだ。

(表2)認定書発行数の推移

2002年 3,769枚
2003年 5,848枚
2004年 5,114枚
2005年 7,155枚
2006年10,466枚
2007年13,171枚
2008年18,544枚
2009年22,712枚
2010年29,955枚
2011年32,736枚
2012年34,778枚
2013年42,322枚

介護認定者の障害者控除の認定書(PDF)

地域包括ケアを含む「新しい総合事業」について

要請項目
〕彁抉膽圓遼問介護・通所介護については、専門的サービスを保障し、後退させないでください。
◆嵜靴靴ち躪膸業」の実施にあたっては、市町村予算を充分に確保し、サービス提供の引き下げをしないでください。
2雜酳欷吋機璽咼垢陵用を申し出た人は、すべて要介護認定の対象にしてください。

 2014年7月末に「新しい総合事業」についての「ガイドライン案」が、県及び市町村に示された。要支援の訪問介護・通所介護については、今後は市町村の地域支援事業に移し、サービス内容、単価、利用者負担等については各市町村任せとされた。
 しかし、参議院の附帯決議にあるように「専門職によるサービス提供が相応しい利用者に対して、必要なサービスが担保される」ことが必要である。また、専門職によるサービスの代替として「多様な主体による多様なサービス」を提供するとしているが、認知症の方への対応も含めて、現行サービスを後退させるべきではない。

国の見通し通りには進まない「多様なサービス」確保

 2014年9月に、中央社会保障推進協議会が全国の市町村に対して介護保険緊急アンケートを行った。このアンケートで、新しい介護予防・生活支援サービス事業について「多様なサービス」が確保できるか聞いたところ、愛知県内市町村の8割を超える45市町村から「見通しが立たない」との回答があった。
 理由として、「直ちに担い手となるような団体が少ない」(西尾市)、「社会資源の発掘、育成、調整が必要」(あま市)、「サービスを担うNPOやボランティア団体が町内にない」(幸田町)などが挙げられており、2017年度には全市町村での「多様な担い手による多様なサービスの提供」は、国の見通しの通りには進まない現状がある。法律の規定もあるが、市町村への過大な負担は避けられない。国は2017年度中の実施を当面凍結し、各市町村の実情に合わせた制度に改正すべきだ。

介護保険利用希望者に要介護認定を

 国の「ガイドライン案」が示したサービス利用の流れでは、「まず市町村または地域包括支援センターの窓口に被保険者が相談に来てから、明らかに要介護1以上と判断される場合や非該当の場合等を除き、基本チェックリストを活用して振り分ける」とされた。窓口対応によっては、要介護認定を受けさせない「水際作戦」が危惧される。介護保険利用希望者については、すべて要介護認定の対象にすることが求められる。
 キャラバンの懇談では、多くの市町村で「介護保険の利用を申し出た場合は、要介護認定申請を受け付ける」と回答があった。しかし愛知県との懇談では、「専門家でない窓口職員が明らかに要介護一以上と判断できるのか」との疑問に対し、県側は「チェックリストは国の示した基準で、窓口チェックの結果、要介護認定が必要なら要介護認定に回ることとなる。基本チェックリストは介護保険への入口条件なのでまずはこちらを受けていただく」と回答。市町村での回答を紹介し、改善を強く要望した。

新しい総合事業について(PDF)

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