より良い医療制度をめざす活動

【14.12.15】国保・資格証明書

データシートの第3回は「国民健康保険」について、「資格証明書」の実施状況の報告と解説を行う。

国保 資格証明書

要請項目
①資格証明書の発行をやめてください。とりわけ、18歳年度末までの子どものいる世帯、母子家庭や障害者のいる世帯、病弱者のいる世帯には、絶対に発行しないでください。なお、義務教育修了前の子どもについては、窓口交付だけでなく、郵送も含め1枚も残すことなく保険証を届けてください。
②滞納者に対し給付の制限をしないでください。滞納があっても施行規則第1条「特別な事情」であることを申し出れば保険証を即時発行してください。
③保険料(税)を支払う意思があって分納している世帯には正規の保険証を交付してください。万一「短期保険証」を発行する場合でも、有効期限は最低6カ月としてください。

滞納世帯増加するも資格証明書は減少

 愛知県内の国民健康保険料(税)滞納世帯は、2006年をピークに減少を続けていたが若干増加に転じ、2014年6月1日現在では、前年から2,570世帯増(前年比1.6%増)の166,140世帯となった。
 短期保険証は、昨年は増加したものの今年は減少に転じ、47,690件(前年比10,356件、17.8%減)となった。
 資格証明書発行数は、2006年以降、名古屋市の発行増加に押される形で増加してきた。ここ数年はほぼ横ばいだが、5,577件(前年比467件、7.7%減)となった。

名古屋市の資格証明書発行は高止まり

 2007年から資格証明書の大量発行を始めた名古屋市だが、2011年以降は4,000枚超の発行が続く。
 名古屋市と名古屋市を除く市町村合計を比較する(表2)。名古屋市以外の市町村合計は、昨年岡崎市が未来庁者へ一斉発行した影響もあるが、各市町村の発行数(表1)を見ると、概ね減少傾向であることが分かる。名古屋市も減少したものの、その発行数は愛知県全体の発行数の7割を超える。
 滞納世帯の7.3%にもなる発行割合は、大口町(16.2%)、岡崎市(8.8%)に次いで3番目に高い数字であり、滞納世帯割合(16.1%)が近い市町村と比較すると、群を抜いて高くなる。この背景には、主要政令市の中でも高額な保険料負担があり、区の国保担当者も「高い」と言わざるを得ない状況がある。
 2006年当時の保険年金課長は「資格証明書は市民との縁切り宣言のようなもの。ますます滞納者の足が役所から遠のいてしまう」と述べており、今一度この立場に立ち返ることが強く求められている。

資格証明書世帯の子ども―名古屋市のみが未解消

 2010年度から資格証明書世帯でも18歳年度末までの子どもには6カ月の短期保険証が交付されることとなっている。
 愛知県内で資格証明書世帯に18歳年度末までの子どもがいるのは、2014年8月1日現在で558世帯あり、うち短期保険証が渡っていない「未解消」は昨年に引き続き名古屋市のみである。
 保険証が渡らないと、子ども医療費助成制度が利用できず、必要な医療が受けられなくなる事態も生じる。名古屋市は一刻も早く解消することが求められている。

資格証明書発行除外に独自配慮も

 資格証明書発行世帯でも原爆医療・結核・精神など国が定める公費負担医療の対象には資格証明書を発行しないこととなっている。
 この基準を、市町村の独自配慮で拡大しているのが20市町村(37.0%)ある。拡大して発行除外対象としているのは、「高校生世代以下の子どもがいる世帯」が9市町、「障害者・母子家庭等医療費助成制度の対象世帯」が14市町、「病弱者のいる世帯」が5市町ある。その他「70歳から74歳の高齢受給者証交付世帯」「福祉医療対象者」などを独自に対象とする自治体もある。
 各市町村で、住民の生活が見える立場から、独自の配慮が求められる。

(表1)国保の資格証明書・短期保険証の実態

国保の滞納世帯・資格証明書等一覧(2014年)(PDF)
国保の資格証明書の実態(2014年)(PDF)

(表2)資格証明書発行数の年別推移(各年6月1日現在)

名古屋市名古屋市を除く市町村合計
2002年42,518
2003年82,466
2004年92,721
2005年152,307
2006年182,310
2007年6622,269
2008年1,0881,984
2009年2,0371,842
2010年3,4901,596
2011年4,1521,238
2012年4,3381,066
2013年4,3471,697
2014年4,1351,442

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