より良い医療制度をめざす活動

【14.12.05】任意予防接種助成事業

 第2回は「任意予防接種」について、実施状況の報告と解説を行う。

任意予防接種助成事業

要請項目
[行性耳下腺炎(おたふくかぜ)、B型肝炎、ロタウィルスワクチンの任意予防接種に助成制度を設けてください。
高齢者用肺炎球菌ワクチンの任意予防接種の助成を増額してください。
Gタ韻魎望する夫婦及び妊婦の夫を対象とした風疹ワクチン接種は、無料で受けられるようにしてください。

豊橋が新たに実施―おたふくかぜ

 流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)ワクチンの任意予防接種への助成は豊橋市が新たに実施し、既に実施していた名古屋市・小牧市・飛島村・東栄町・豊根村と合わせ6市町村(11.1%)となった。無料実施は小牧市・東栄町・豊根村のみ。
 重症化すると、無菌性髄膜炎や重度の難聴になるなど、重度の合併症を引き起こすこともある。世界の国々と同様に、2回の接種を定期接種化することが求められる。

安城が新たに実施―ロタウィルス

 ロタウィルスワクチンの任意予防接種への助成は安城市が新たに実施し、既に実施していた名古屋市・豊橋市・北名古屋市・東栄町・豊根村と合わせ6市町村(11.1%)となった。無料実施は東栄町・豊根村のみ。
 ロタウィルスワクチンで重症化を約90%防ぐことができる。WHOはこのワクチンを、子どもが接種する最重要ワクチンのひとつに位置付けている。

B型肝炎未だゼロ

 今回の調査でも、B型肝炎ウィルスワクチンへの助成を実施する自治体はなかった。
B型肝炎ウィルスワクチンは、1992年にWHOが国の定期接種ワクチンとして、世界中の子どもたちに生まれたらすぐ接種するよう指示しており、実際にほとんどの国ではすでに定期接種となっている。
 これらのワクチンは定期予防接種とすることが本来の姿だが、「ワクチンで防げる病気(VPD, Vaccine Preventable Diseases)はワクチンで防ぐ」の考えの下、安全性・有効性の高いワクチンは定期接種化を待たずとも、各市町村で任意予防接種に助成制度を設けることが求められる。

31市が継続―高齢者用肺炎球菌

 高齢者用肺炎球菌ワクチンは、高齢者の死亡原因の一位となっている肺炎の重篤化を防ぎ、ひいては医療費削減にもつながる。特にインフルエンザワクチンと肺炎球菌ワクチンの併用で、入院頻度が37%、死亡頻度が19%まで減るという海外の研究結果もある。
 定期接種化されたことは歓迎するが、定期接種から漏れた人は任意予防接種となり、高額な費用負担により接種をためらうことも考えられる。定期予防接種対象から漏れる人を対象とした任意予防接種への助成制度は継続すべきだ。
 高齢者用肺炎球菌ワクチンが10月から定期接種化されたことに伴い、任意予防接種への助成制度が廃止されることを危惧していたが、31市町村(57.4%)が独自に継続することが分かった。定期接種の対象者に合わせて対象者を拡大(後期高齢者医療被保険者から65歳以上へ)、自己負担を軽減(4,000円を2,000円へ)するなど、制度が拡充された自治体もある。定期接種化された時点で廃止した豊橋市・一宮市・豊田市・蒲郡市・田原市・みよし市の6市及び、「今年度末で廃止する予定」とアンケートで答えている17市町村には廃止の見直し=制度の継続が求められる。

実効ある制度に―風疹ワクチン

 愛知県が2013年に創設した「風しんワクチン接種緊急促進事業」に伴い、県内全市町村で風疹ワクチン予防接種への助成制度を開始し、今年度も全市町村で助成が実施されている。
 しかし対象者が別掲のように非常に限定されており、しかもこの対象者は「抗体検査」の対象である。県制度では抗体検査が無料となっているが、実際のワクチン接種は「市町村助成額の半額で、上限2,500円」となっており、風疹の流行を防ぐためには不充分だと指摘せざるを得ない。
 また、この事業は昨年に引き続き単年度事業となっており、「風疹を根絶した」と言えるまで、来年度以降も費用補助を継続することが求められる。
 国は2020年までの風疹排除を目標としており、全国保険医団体連合会が患者団体などと共に行った7月25日の要請では、田村憲久厚生労働大臣(当時)は「流行が収まっている今こそ、対策を講じるべきだ。特に成人男性がワクチン接種することが大切だ」と述べている(全国保険医新聞8月25日号)。
 市町村によっては、対象者に経産婦、妊婦の家族等を加えるなど拡大したり、全額助成しているところもある。風疹の流行を防ぐためには、「妊娠を希望する、出産経験がなくワクチン接種も風しんにかかったこともない女性」のみならず、経産婦、妊婦の家族等も含めて希望者全員が無料で接種できるようにすることが望ましい。

任意予防接種費用助成実施状況(2014年10月)
任意予防接種費用助成について(詳細)(2014年10月)

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