より良い医療制度をめざす活動

【14.05.15】医師=患者関係を壊す特定秘密保護法は廃止を

医師・歯科医師アピール署名に賛同ください

「何気ない家族の会話も要注意」
「秘密保全まずは貴方の家族から」

……これはすでに秘密保全規定のある陸上自衛隊の「秘密保全」標語コンクールから。「何が秘密」かを「秘密」とし、あらゆる国民が「秘密」をめぐって調査され、「秘密」を知ろうとした人も罰せられるなどの「特定秘密保護法」が昨年末の国会で強行成立し、今年中の施行が狙われている。
秘密を取り扱う人に関して、医療機関には、過去の通院歴などを行政機関に回答する義務があることが国会審議で明らかになり、医師・歯科医師や医療機関が有無を言わさずこの法律に巻き込まれる上に、診療現場での問診・患者との対話にも深刻な影響を及ぼすことなど懸念される。
日本医師会は、適性評価制度に関して「憂慮される事態になりかねない」などと見解を表明(別掲参照)し、日本精神神経学会も、適性評価制度に反対を表明している(別掲参照)。
保険医協会では、特定秘密保護法廃止を求める医師・歯科医師の賛同を募っている。昨年12月に寄せられた589人の賛同は、現在720人を超えた。協会は、この声をさらに上積みし、廃止を求める広範な国民の世論に合流したいと考えている。多くの会員のご賛同をお願いしたい。

適性評価制度に関する日医の見解

特定秘密保護法が成立した。同法には「適性評価制度」が設定されており、「特定秘密の取扱者から秘密を漏洩する一般的リスクがあると認められる者を予め排除する仕組み」であると説明されている。特定秘密に該当する事項として、「第1号防衛に関する事項(防衛省)」「第2号外交に関する事項(外務省)」「第3号特定有害活動の防止に関する事項(警察庁)」「第4号テロリズムの防止に関する事項(警察庁)」が挙げられているが、第3号、第4号の事項は公安警察が扱う内容であり、その解釈、運用によっては憂慮される事態になりかねない。
さらに適性評価と称して遺伝子情報を含むIT化されたあらゆる情報が、特定秘密保護法の名の下に、国民のまったく知らぬ間に収集され利用され、優生思想に基づく生命の選別までもが実行され、それらの事実すら明らかにされない社会になることも懸念される。
このような事態を阻止するためには国民全体の英知を集め、特定秘密保護法の行き過ぎた運用を阻止しなければならない。その先頭に立つのは日本医師会であり、それを支える都道府県医師会によって、国民、県民への啓発活動と特定秘密保護法の適正な運用に向けた国民運動を展開することが、我々医師会員の社会的使命であると考える。
※本見解は、「特区の現状と課題および対応について」(2014年3月18日、日本医師会特区対策委員会)の、「医療データの二次利用」(30ページ)に掲載。3月19日の日医定例記者会見で発表された。


特定秘密保護法における適性評価制度に反対する見解

(日本精神神経学会3月15日発表)〈一部抜粋〉
(一)精神疾患、精神障害に対する偏見、差別を助長し、患者、精神障害者が安心して医療・福祉を受ける基本的人権を侵害する。
内閣官房による逐条解説によれば、次のように記されている。
「精神疾患により意識の混濁・喪失等が生じたり、薬物依存・アルコール依存症が症状に見られたりするという事実は、自己を律して行動する能力が十分でない状態に陥るかもしれないことを示唆していることから、こうした事実が見受けられる者には、本人にその意図がなくても特別秘密を漏らしてしまうおそれがあると評価しうると考えられる。」
ここでは、神経疾患であるてんかんや意識障害に関する事柄が精神疾患の問題として述べられるという全く見当違いな記述がなされている。このような杜撰な認識で法が成立し、かつそれによって調査されるなどということは許されることではない。なによりも、精神疾患患者が「自己を律して行動する能力が十分でなく」「特別秘密を漏らしてしまうおそれがある」とすること自体が、精神障害者に対する差別にほかならない。
さらに、精神障害者に対する「何をするかわからない者」という偏見を利用し、不気味さを強調して秘密保護の必要をあおり立て、秘密保全に係わる国民統制のためのスケープゴートにすることは法治国家として許されるものではない。
(二)医療情報の提供義務は、医学・医療の根本原則(守秘義務)を破壊する。……(略)
(三)精神科医療全体が本法の監視対象になる危険性が高い。
特定秘密の範囲が広範かつ秘密であるため、適性調査の対象が無制限に広がるおそれがある。しかも行政機関の長が行う適性評価は上記のように秘密保全部署がその情報の確認をすることとなり、精神疾患を有する者及びその疑いのある者及び精神科医療機関及び精神科医、精神科医療に係る職種にある者は医療の倫理に反する調査に直面することになる。


特定秘密保護法は廃止を医師・歯科医師アピール署名実施要領

◎署名要領 … 愛知保険医新聞5月5・15日号同封の用紙をご利用ください。先生ご自身の医師・歯科医師署名です。
◎提出 … 賛同いただいたお名前を連名にして、対外的にアピールするとともに、政府に提出します。
【連絡先】愛知県保険医協会・署名係まで。
名古屋市昭和区妙見町19-2 TEL052-832-1346

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