より良い医療制度をめざす活動

【14.03.25】医師・歯科医師署名にご協力ください

医療・介護総合法案は廃案に

 政府は今国会に医療・介護総合法案を提出している。同法案には、次のような問題点がある。(1)「医療」では、医療機関に医療機能を報告させ、県が定める病床数や在宅医療・地域包括ケアなどの必要量に従わない医療機関には、補助金不交付などペナルティを科す、(2)医師個人の責任追及につながる医療事故調査制度を設置、(3)「介護」では「利用料の2割への引き上げ」「特別養護老人ホームの入所を要介護度3以上に限定」「要支援者の訪問・通所介護を市町村事業に移行」など、医療・介護の制度を一括して改悪する内容となっている。保険医協会は、法案の廃案を求める医師・歯科医師署名に取り組むことを決めた。

 法案の正式名称は「地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律案(以下、医療・介護総合法案と略す)」。団塊の世代のすべてが75歳以上になる2025年をターゲットに、医療費・介護費を抑制して医療・介護のサービス供給を再編する計画となっている。昨年12月に成立した「社会保障プログラム」法を根拠に、医療法改定は今年10月から、介護保険法改定は来年4月から順次施行する方針だ。
 医療機関には、2025年までに「医療費・介護費で5兆円削減」するために、「外来患者数5%削減」「1日当たり入院患者数20%削減」「要介護認定者数3%削減」を目標に掲げ、医療提供体制の再編を強制的に図る内容となっている。

罰則付きの提供体制再編

 まず、医療提供体制では、「病床機能報告制度」を創設する。一般病床がある病院(有床診も対象)に、「高度急性期」「急性期」「回復期」「慢性期」の4区分から選択して「現状・今後の方向」を都道府県に報告させる制度だ。
 都道府県は、2次医療圏等ごと(在宅医療・地域包括ケアは市町村ごと)の「医療の必要量」(入院・外来・疾患別の患者数等)を基に、「地域医療構想(ビジョン)」を策定する(2018年度から)。
 その実現性を確保するために、医療機関に対する罰則規定が盛り込まれている。すなわち、(1)病院の新規開設・増床の際に、圏域で不足している医療機能を担わせる、(2)既存医療機関には医療機能の転換を中止させる、(3)稼働していない病床は削減を求める、(4)以上に従わない医療機関には各種補助金の交付対象から除外などのペナルティを科す――などの権限を県に付与するというものだ。

医療事故調創設も

 このほか法案では、医師個人の責任追及につながりかねない医療事故調査制度の設置(2年以内に見直す規定つき)や「持ち株会社型」の医療法人を認可する見直し(医療法人のグループ化、介護営利法人との役職兼務や出資を認める)、看護師・放射線技師・検査技師・歯科衛生士の業務範囲見直しなどが盛り込まれた。さらに、「医療提供施設の機能に応じ」「選択を適切に行い」「医療を適切に受けるよう努めなければならない」と国民に義務付けている条項も問題である。
 このような法案は廃止しかない。医師・歯科医師署名へのご協力をお願いしたい。

医療・介護総合法案―介護分野
給付抑制・安上がりの市町村移行 「介護保険」見直し

 医療・介護の提供体制再編のもう一つの方向は、「介護保険」制度の見直しである。厚労省の2025年モデルでは「病院で8割が死亡することを減らし、在宅での看取りを4割へ増やす」「介護施設入所必要数を161万人から131万人に30万人減らし、在宅に押し出す」「外来患者数は5%削減し、要介護認定者数は3%削減する」――などの数値目標が示されている。
 これらを具体化するべく、法案には「介護保険の利用料の2割への引き上げ(所得160万円以上、年金収入だと280万円以上)」「特別養護老人ホームの入所を要介護度3以上に限定」「低所得でも預貯金等があれば施設の居住費・食費は補助しない」などの制度改悪がずらりと並んだ。
 また、「地域包括ケア」をめぐっては、4月からの診療報酬改定で「地域包括ケアの要をつくる」ことを目的に「主治医機能」強化の点数(地域包括診療料、地域包括診療加算)が新設された。しかし、「地域包括ケア」の前提条件である医療・介護等の包括的な確保は、市町村に委ねられるという問題点がある。

3割の市町村「対応不可能」と

 法案では、介護予防給付のうち要支援者の約6割が利用している訪問介護(ホームヘルプ)と通所介護(デイサービス)を市町村事業へ移すとしている。しかし、その内容は、「人員・運営基準は市町村任せ」「NPOやボランティアを活用し非専門職のサービス提供を認める」「事業者への支払い単価は介護報酬以下に設定」「予防給付の支給限度額は介護報酬以下に設定」などという、徹底した給付抑制=安上がり介護を推進するものとなっている。このような見直しの動きに対し、中央社会保障推進協議会が全国の市町村に実施したアンケートでは、3割の市町村が「市町村に移行されても対応不可能」と回答している。提供するサービス内容や価格で市町村間の格差が生まれることが懸念される。事業所にとっても要支援者を比較的多く抱えている小規模事業所では、事業の存続そのものに影響を及ぼし、事業の縮小・撤退や職員の処遇悪化などが生じかねない。

署名項目

医療・介護総合法案の廃案を求める医師・歯科医師署名

私たち医師・歯科医師は、以下の事項を強く要望いたします。
一、安心の医療・介護を脅かす「医療・介護総合法案」は廃案にすること


医療・介護総合法案の廃案を求める医師・歯科医師署名要領
◎署名用紙 … 先生ご自身の医師・歯科医師署名です。(ゴム印でも可)
◎返送方法 … 本号同封の医師・歯科医師署名用紙にご記入の上、ファクシミリでご返信ください。
◎締め切り … 5月末日(できる限り早めにお願いいたします)
◎提出方法 … 賛同いただいたお名前を連名にして、保団連国会行動で、首相、厚労大臣、および地元選出衆参国会議員などに提出します。
〈連絡先〉この医師・歯科医師署名に関するお問い合わせは、愛知県保険医協会・署名係までお願いします。
TEL 052-832-1346 FAX 052-834-3512

署名用紙のダウンロードはこちら

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