より良い医療制度をめざす活動

【13.12.15】国保 資格証明書

データマップ2013の第3回は「国民健康保険」について「資格証明書」の実態の報告と解説を行う。

国保 資格証明書

要請項目
(1)資格証明書の発行をやめてください。とりわけ、十八歳年度末までの子どものいる世帯、母子家庭や障がい者のいる世帯、病弱者のいる世帯には、絶対に発行しないでください。なお、義務教育修了前の子どもについては、窓口交付だけでなく、郵送も含め一枚も残すことなく保険証を届けてください。
(2)保険料(税)を支払う意思があって分納している世帯には正規の保険証を交付してください。
(3)滞納があっても施行規則第一条「特別な事情」であることを申し出れば保険証を即時発行してください。

滞納世帯減少続くも資格証明書は増加

 愛知県内の国民健康保険料(税)滞納世帯は、2006年をピークに減少を続けており、2013年6月1日現在では、前年から21,947世帯減(前年比11.8%減)の163,570世帯となった。
 短期保険証は、昨年は減少したものの今年は増加に転じ、58,046件(前年比3,621件、6.7%増)となった。
 資格証明書発行数は、ここ数年、名古屋市の発行増加に押される形で増加してきたが、保険証の一斉更新で発行した市町村もあり大幅に増加したように見え、6,044件(前年比640件、11.8%増)となった。なお、8月1日現在の発行数は名古屋市を除き微減となっている。

名古屋市の資格証明書発行勢い止まらず

 2007年から資格証明書の大量発行を始めた名古屋市だが、その勢いはとどまるところを知らない。
 名古屋市と名古屋市を除く市町村合計を比較する(表2)。名古屋市以外の市町村合計は一斉更新で増加したこともあり、増加に転じたように見えるが、各市町村の発行数(表1)を見ると、減少を続けていることが分かる。逆に名古屋市の発行増加は一目瞭然で、その発行数は愛知県全体の発行数の7割を超える。
 滞納世帯の10.6%にもなる発行件数は、一斉更新で一時的に増加した岡崎市(10.6%)、阿久比町(9.1%)を除くとしても、比較的高い大口町(4.6%)、南知多町(5.5%)と比べても異常な数字であると言える。この背景には、主要政令市の中でも高額な保険料負担があり、区の国保担当者も「高い」と言わざるを得ない状況がある。
 名古屋市の資格証明書は、まさに「懲罰的対応」である。
 2006年当時の保険年金課長は「資格証明書は市民との縁切り宣言のようなもの。ますます滞納者の足が役所から遠のいてしまう」と述べており、今一度この立場に立ち返ることが求められている。

資格証明書世帯の子ども―名古屋市のみが未解消

 2010年度から資格証明書世帯でも18歳年度末までの子どもには6カ月の短期保険証が交付されることとなっている。
 愛知県愛で資格証明書世帯に18歳年度末までの子どもがいるのは、2013年8月1日現在で494世帯あり、うち短期保険証が渡っていない「未解消」は昨年に引き続き名古屋市の23世帯(うち、中学生以下26人)のみである。
 保険証が渡らないと、子ども医療費助成制度が利用できず、必要な医療が受けられなくなる事態も生じる。名古屋市は一刻も早く解消することが求められている。

資格証明書発行除外名古屋市が問題対応

 資格証明書世帯にあっても、病気などで一時的に支払いが困難だと申し出れば短期保険証を交付することが2009年1月20日付事務連絡で示されている。
 名古屋市はこれに「3カ月以上の就労不能」を要件として定めており、申し出をするときに医師の診断書等の提出を求めている。
 病気で受診したいのに、医師の診断書を提出させることは、現に支払いが困難である資格証明書交付世帯は医療機関にかかれないということに他ならない。
 通知には「3カ月以上の就労不能」という条件はない。名古屋市が課す不当な制限は即時撤廃すべきだ。

(表1)
国保の資格証明書の実態(2013年)
国保の滞納世帯・短期保険証・資格証明書交付状況一覧

(表2)
資格証明書発行数の年別推移(各年6月1日現在)

名古屋市名古屋市を除く
市町村合計
2002年42,518
2003年82,466
2004年92,721
2005年152,307
2006年182,310
2007年6622,169
2008年1,0881,984
2009年2,0371,845
2010年3,4901,596
2011年4,1521,238
2012年4,3381,066
2013年4,3471,697

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