より良い医療制度をめざす活動

【12.09.15】2倍近く引き上げも〔名古屋市国保〕

保険料算定方式変更で

名古屋市は、地方税法と国保法施行令改定に伴い、二〇一三年度から国保料の保険料算定方式を現行の「住民税方式」から「旧ただし書き方式」に変更する。
「住民税方式」では、住民税を所得割算定の基礎にするため、扶養控除や障害者控除、寡婦控除など各種控除が考慮される。しかし「旧ただし書き方式」では、控除されるのは基礎控除のみとなり、扶養家族や障害者などがいても考慮されない。そのため低所得者や障害者、家族の多い世帯などの保険料が大幅に引き上がる問題がある。昨年四月に変更された東京二十三区では、保険料が二倍以上に引き上がったケースも生じ、数万件の問い合わせや苦情が区役所に殺到する事態が起きた。
六月の名古屋市会では、算定方式変更を単純に当てはめた保険料の影響額試算が示され、給与収入二百七十一万円の四人家族では、年間の保険料が十八万円から三十二万円へと一・八倍に引き上がることが明らかになった。さらに、八月末の名古屋市国保運営協議会でも年金収入二百二十二万円の六十五歳夫婦世帯や、三人世帯(四十歳寡婦または障害者と子二人)で給与収入二百二十一万円の場合では一・九倍に引き上がることも明らかになった。
所得は変わらないのに、算定方式を変えただけで保険料が大幅に引き上がることが明らかになった形だ。しかも、保険料引き上げの影響を受けるのは、低所得者や障害者、寡婦などの社会的弱者が多い。
国は、算定方式の変更にあたって、保険者が保険料軽減費用を保険料の賦課総額に含めることができるとしている。名古屋市はこれに基づき、保険料の増加抑制策を講じるとしている。
八月三十一日の国保運営協議会では、所得割額が「変わらない世帯」「増える世帯」「減る世帯」は三分の一ずつあること、「所得割額が増える世帯(多人数世帯・障害者世帯・寡婦(夫)世帯など)」を対象に、「一定の所得控除を行う」方式を検討していることが市側から説明された。ただしこれは、一般会計からの繰入を行わず、保険料の枠内で実施するというものだ。
また、「旧ただし書き方式」への変更によって、今までは所得割の保険料が賦課されていなかった住民税非課税世帯で、新たに所得割が賦課されるようになる世帯が、約三万五千世帯、加入世帯全体の約一〇%にあたると試算されている。
なお、保険料算定方式の「旧ただし書き方式」への変更を来年度行うのは、県内では名古屋市・豊橋市・岡崎市の三市で、県内の国保加入者の約四割を占めており、三市が住民本位に保険料の軽減を図ることが求められている。

一般財源による恒久軽減を

保険医協会が事務局団体として加入する愛知県社会保障推進協議会や名古屋の国保と高齢者医療をよくする市民の会では、急激な負担増となる世帯を救済するために、一般財源による恒久的な軽減制度新設を求めているほか、新たに所得割保険料がかかる世帯について、所得割保険料をかけない減免措置を実施すること(横須賀市で実施の例あり)、障害者控除を独自に設けること(岐阜市で実施の例あり)、十八歳未満の子については均等割の対象としないか減額すること(一宮市で均等割の三割減額実施中)などの措置を求めている。この秋には、名古屋市に向けて国保や介護、福祉医療制度の改善を求める請願署名運動も計画している。  

 

 

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