より良い医療制度をめざす活動

【11.10.25】名古屋市の国民健康保険料

5大都市で最も高い水準に

 名古屋市国保は、保険料の低さ、優れた減免制度、一般会計繰入の努力、極めて少ない資格証明書の発行など、全国に誇れる優れた制度と言われてきた。
 しかし、今では五大都市で最も高い保険料となり、保険料滞納者への資格証明書発行が急増し、一般会計からの繰入は半減、保険料減免対象の縮小など国保制度の後退が続いている。
 これでは国民のいのちと健康を支える社会保障制度としての国保の役割が果たせなくなってしまう。

社会保険と比べ2倍の保険料に


 名古屋市の国保料は、2008年度から、保険料未納分の一部と、葬祭費、出産育児一時金の費用を保険料に上乗せし、さらに2010年度は国保加入者の税収減を理由に、所得割保険料率を大幅に引き上げた。
 そのため、名古屋市の国保料は、5大都市で最も高くなってしまった。3年前は、高い方から4番目であったことを考えると、名古屋市の国険料の引き上げ幅がいかに大きかったが分かる。(資料1)
 なお、名古屋市の国保料と協会けんぽの保険料とを実例で比べてみると、40歳代夫婦と子ども2人の世帯、所得300万円(給与収入約443万円)の場合、名古屋市の国保料は年41万円、協会けんぽの保険料本人負担分は年21万円となり、実に2倍の開きがある。
 所得に占める保険料割合も、協会けんぽ4.0%、健保組合3.1%に対し、国保は10.5%(全国平均)にもなる。

資格証明書の発行乱発する名古屋市


 一方、負担限度を超えた国保料により、滞納世帯は増加の一途をたどり、滞納世帯への保険証の取り上げ・資格証明書の発行が大きな社会問題となっている。
 資格証明書が発行されると、医療機関で医療費の10割を払わなければならないため、受診を我慢して、病状の悪化や手遅れで死亡する例が後を絶たない。
 保険医協会では、こうした不幸な事態を招かないようにするために、一貫して資格証明書は発行しないように求めてきた。
 県内の市町村の資格証明書発行状況を分析すると、名古屋市を除く市町村は、発行数を減らしているが、名古屋市は、逆に急増させている実態が浮かび上がってきた。(資料2)
 滞納世帯に対する資格証明書の発行割合をみると、名古屋市を除く愛知県内市町村合計の発行割合は、0.8%だが、名古屋市はその10倍の8.6%も発行している。(資料3)
 保険医協会も参加する「名古屋の国保と高齢者医療をよくする市民の会」は、国保改善に向けて今年も請願署名を開始した。
 世論の力で、国保料引き下げ、資格証明書発行中止などの要望を実現するために、保険医協会も運動に加わっている。

(資料1)1人当たり平均国保料と順位(5大都市比較)
都市名 2007年度 順位 2010年度 順位
名古屋市 76,262 90,729
横浜市 80,014 86,541
京都市 78,905 82,336
大阪市 73,357 73,131
神戸市 77,726 86,042
※2010年度は、医療分と支援金分の合計
(資料2)資格証明書発行数の年度別推移 (各年6月1日現在)
年度 名古屋市 名古屋市を除く
愛知県合計
2002年 2,518
2003年 2,466
2004年 2,721
2005年 15 2,307
2006年 18 2,310
2007年 662 2,169
2008年 1,088 1,984
2009年 2,037 1,845
2010年 3,490 1,596
2011年 4,152 1,238
(資料3)資格証明書発行割合(2011年6月1日現在)
名古屋市 名古屋市を除く
愛知県合計
滞納世帯数(A) 48,395 153,179
資格証明書(B) 4,152 1,238
発行割合 B/A 8.6% 0.8%

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