より良い医療制度をめざす活動

【10.12.05】(3)国保の資格証明書

  データマップ2010の第3回は「国民健康保険」について「資格証明書」の実態の報告と解説を行う。

国保 資格証明書

要請項目
(1)資格証明書の発行をやめてください。とりわけ、18歳年度末までの子どものいる世帯、母子家庭や障がい者のいる世帯、病弱者のいる世帯には、絶対に発行しないでください。なお、義務教育修了前の子どもについては、窓口交付だけでなく、郵送も含め一枚も残すことなく保険証を届けてください。
(2)保険料(税)を支払う意思があって分納している世帯には正規の保険証を交付してください。

滞納世帯数・資格証明書ともに増加

 愛知県内の国民健康保険料(税)滞納世帯数は、2006年をピークに減少を続けてきたが、2010年6月1日現在では、前年から1888世帯増(前年比0.8%増)の23万3883世帯となった。
 短期保険証発行数はここ数年増加傾向にあったが、2009年をピークに減少に転じ、2010年6月1日現在では、5万3281件(前年比1万1874件、18.8%減)となった。
 資格証明書発行数は名古屋市の発行数増加に合わせ、2010年6月1日現在では、前年から1204件増の5086件(増加率31.0%)となった。合併もあり発行市町村数は横ばいだが、割合が52.5%から56.1%へと増えている。

名古屋市の資格証明書大量発行続く

 2007年度から資格証明書の大量発行を始めた名古屋市だが、その勢いは留まることを知らない。
 名古屋市を除いた滞納世帯数、資格証明書を比較してみる。
 滞納世帯数……09年15万8670世帯→10年15万6698世帯(1972世帯減少)
 資格証明書……09年1845件→10年1596件(249件減少)
 このように、名古屋市を除いた市町村合計はすべてが減少傾向にあるなか、名古屋市の態度の異常さが浮き彫りになる。特に資格証明書発行に関しては、前年比171%と、他に類を見ない増加率となっている。
 11月17日の名古屋市との懇談で保険年金課長は「資格証明書は収納対策の一環でやっている」と資格証明書発行を当然視する発言をしている。しかし「資格証明書は市民との縁切り宣言のようなもの。ますます滞納者の足が役所から遠のいてしまう」(2006年7月4日・朝日新聞)と当時の課長は述べており、こういった姿勢こそ見習うべきではないだろうか。

資格証明書世帯の子どもへの短期証発行―名古屋市と東海市が未解消

 2010年の通常国会で改正国保法が成立し、資格証明書世帯の18歳年度末までの高校生世代へ6カ月の短期保険証が交付されることになった。
 県内で18歳年度末までの子どもがいるのは197世帯あり、うち短期保険証が渡っていない「未解消」は名古屋市56世帯、東海市4世帯となっている。内訳を見ると、名古屋市は乳幼児7人、小学生23人、中学生7人、高校生33人、東海市は高校生4人となっており、これら未交付の一日も早い解消が求められている。

資格証明書の発行独自に配慮する自治体も

 資格証明書の発行除外で配慮している点で「18歳年度末までの子どものいる世帯(子どもだけでなく親も含む)」を配慮しているのは一宮市、春日井市、知多市、田原市、東浦町の5市町である。法律で18歳年度末までを発行除外としていることから、全市町村で子どもだけでなく親も含め、発行除外の基準とすることが求められる。
 また、「障害者・母子家庭等医療費助成制度の対象世帯」を除外対象としているのが豊橋市・一宮市・半田市・豊川市・安城市・蒲郡市・常滑市・東海市・大府市・知多市・岩倉市・田原市・大口町・東浦町・美浜町の15市町(26.3%)あり、「病弱者のいる世帯」を除外対象としているのは豊川市・安城市・西尾市・小牧市・東海市・大口町・美浜町の7市町(12.3%)だった。ほかには「その他公費負担医療対象者」「滞納分の継続的な納付」「生活困窮者」などを除外対象としているのは14市町(24.6%)だった。
 資格証明書の発行除外を国の基準でしか行っていない17市町村(29.8%)には、他市町村に倣って「18歳年度末までの子どもいる世帯」や「障害者・母子等福祉医療対象者のいる世帯」、「病弱者のいる世帯」などを発行除外の対象とすることが求められているのではないだろうか。

※「国の基準」は、原爆医療・結核・精神など、国が定める公費負担医療の対象者を除外

国保の資格証明書の実態(2010年)(PDF)

「自治体要請行動のまとめ」完成しました

  県内市町村を訪ねて、医療・福祉などの課題で要望をもとに懇談した「自治体キャラバンのまとめ」(114頁)が完成しました。
 各制度毎に、市町村別の実施状況が分かる資料を多く収録しています。各市町村での制度改善に役立つ資料となっています。
 ご要望の会員の先生には、無料でお送りします。協会実行運動担当までご連絡下さい。
TEL 052−832−1346
FAX 052−834−3584
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