より良い医療制度をめざす活動

【10.11.25】(2)任意予防接種助成事業

任意予防接種2010年版 データマップ2010の第二回は「任意予防接種」について、実施状況の報告と解説を行う。

任意予防接種助成事業

要請項目
○ヒブワクチン、小児用肺炎球菌ワクチン、子宮頸ガンワクチン、高齢者用肺炎球菌ワクチンの任意予防接種の費用について、助成する制度をつくってください。

ヒブ―5市が助成

 昨年のキャラバンでは全市町村で未実施だった「ヒブ(Hib、インフルエンザ菌b型)ワクチン」への助成を実施(または予定)しているのは、名古屋市、一宮市、津島市、尾張旭市、弥富市の五市のみであった。生後2カ月以降が対象で、名古屋市・津島市・弥富市が2歳未満、一宮市・尾張旭市が五歳未満となっている。助成額は尾張旭市が4,000円と一番高く、名古屋市が自己負担額の半額(協会の8月の調査では3,300円)、一宮市が3,000円、津島市が1,000円、弥富市が検討中(2011年4月実施)となっている。

小児用肺炎球菌―津島市と弥富市のみにとどまる

 細菌性髄膜炎の予防のためにヒブワクチンと共に接種が推奨されている「小児用肺炎球菌ワクチン」への助成を実施(または予定)しているのは、津島市と弥富市のみ。対象は両市とも生後2カ月以降2歳未満となっている。助成額は津島市が1,000円、弥富市が検討中(2011年4月実施)となっている。
 キャラバンの懇談で「ヒブと小児用肺炎球菌は全部で3万円以上かかる。助成額が両方とも1,000円というのは低すぎないか」という問いかけに対し津島市の担当者は「実施初年度なので、接種希望者の調査等も含めこの金額でお願いしている」と、来年度以降増額も含めた対応もあり得ると答えた。

子宮頸がん(HPV)―7市町村が実施と回答

 「子宮頸がん(HPV)ワクチン」への助成を実施(または予定)しているのは、名古屋市、津島市、東海市、弥富市、蟹江町、飛島村、設楽町の7市町村あった。対象は11歳から15歳の間にある女子となっているが、各市町村で若干の幅がある。また、助成額も全額(名古屋市・東海市)、3万円(設楽町)、5,000円(蟹江町・飛島村)、1,000円(津島市)と市町村によって差がある。
 子宮頸がんは、毎年15,000人が罹患し、年間3,500人が命を落としていると言われている。その原因はHPV(ヒトパピローマウィルス)によるもので、女性の8割が感染しているとされる。しかし、感染前のワクチン接種と検診でほぼ100%予防できる唯一のがんとも言われている。HPVワクチン接種は、欧米を中心とする先進国で、12歳前後の女児に対し公費助成が行われている。

みずぼうそう・おたふくかぜ―名古屋市と飛島村のみの実施

 「みずぼうそう(水痘)」と「おたふくかぜ(流行性耳下腺炎、ムンプス)」を助成するのは名古屋市と飛島村のみだった。それぞれ、1歳から小学校就学前を対象に、名古屋市が接種費用の半額、飛島村は2,000円と回答した。協会の8月の調査では名古屋市の助成額は「みずぼうそう」が3,800円、「おたふくかぜ」が3,000円となっている。

高齢者用肺炎球菌―実施が増える

 昨年のキャラバンでは4市町のみの実施だった「高齢者用肺炎球菌ワクチン」への助成は、名古屋市、一宮市、春日井市、小牧市、東海市、日進市、田原市、長久手町、飛島村の9市町村となった。対象は65歳以上(名古屋市・飛島村)、70歳以上(東海市・日進市・田原市・長久手町)、75歳以上(一宮市・春日井市・小牧市)と市町村によって幅がある。助成額は6,500百円(東海市)、5,000円(小牧市)、3,000円(一宮市・春日井市・日進市・長久手町)、2,500円(飛島村)、2,000円(田原市)と差がある。名古屋市は半額助成となっているが、協会の8月の調査では4,000円となる。

定期予防接種化待たずに助成を

 予防ワクチンは高額で、複数回の接種が必要なものが大半である。いずれのワクチンも高い効果が期待され、海外では広く普及しているのに、重い費用負担が壁となり、日本での接種は低迷している。これらを全額自己負担の任意接種のままにしておくことは、保護者や自治体の財政力の格差が子どもや高齢者の命と健康の格差につながってしまう。お金がないために、救える命が救えないことがあってはならない。
 10月29日に出された2010年度補正予算案では、HPV、ヒブ、小児用肺炎球菌の3種類のワクチンについて、今年度内に無料接種を始める方針で、来年度の分も含め関連経費1,085億円を計上している。
 補正予算関連のニュースを伝える中で「厚労省は予防接種法の定期接種に位置づけ、将来的に無料接種にする方向で検討している」(毎日新聞・10月27日付)と報道されているが、国での定期予防接種化を待たず、各市町村での助成開始が求められている。

任意予防接種費用補助実施状況(一覧)(PDFファイル)
任意予防接種費用補助実施状況(詳細)(PDFファイル)

「自治体要請行動のまとめ」完成しました

  県内市町村を訪ねて、医療・福祉などの課題で要望をもとに懇談した「自治体キャラバンのまとめ」(114頁)が完成しました。
 各制度毎に、市町村別の実施状況が分かる資料を多く収録しています。各市町村での制度改善に役立つ資料となっています。
 ご要望の会員の先生には、無料でお送りします。協会実行運動担当までご連絡下さい。
TEL 052−832−1346
FAX 052−834−3584
E-mail aichi-undo@doc-net.or.jp

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