より良い医療制度をめざす活動

【10.09.05】診療実態調査

医療費負担で検査や治療、投薬の拒否―4割が経験

 協会は8月に、経済的理由による治療中断等の受診実態を明らかにし、患者負担の軽減を実現することを目的に受診実態調査を行った。調査項目は、この半年間での患者の「経済的理由からの治療中断または中止」「医療費負担を理由に検査や治療、投薬の断り」「患者一部負担の未収金」及び「患者の受診状況で気づいた点」についてで、8月末現在で238人の会員から協力が寄せられた。内訳は病院14人、医科診療所154人、歯科診療所70人。

3分の1が経済的理由の治療中断経験[設問1]

 患者の経済的理由から、治療を中断または中止する事例を尋ねたが、病院の28.6%、医科診療所の27.9%、歯科診療所では44.3%もの医療機関が事例が「あった」と回答している。
 中断患者の病名は「糖尿病」「高脂血症」「歯周病」「補綴治療」などが多く、定期的な受診治療が必要な慢性疾患が多数挙げられた。  

4割が医療費負担で治療を断わられる[設問2]

  患者から医療費負担を理由に検査や治療、投薬を断られた経験を尋ねたが、病院の21.4%、医科診療所の39.6%、歯科診療所の41.4%、合計で39.1%が「あった」と回答した。(右上円グラフ)
 検査や治療、投薬を断られた事例では「薬代を払えないので投薬は中止して欲しい、投薬日数を減らして欲しいとの要望があった」「院内処方中心でジェネリックはほとんど入れてないため院外を希望された」「歯石除去の場合は検査が不可欠だが歯石だけとってくれればいいと言われたことがある」など、医療費負担の高さから、少しでも安くしようとする実態が寄せられた。

 

病院の7割が未収金あり[設問3]

 この半年間での未収金の有無を尋ねたが、病院で71.4%、医科診療所で41.6%、歯科診療所では55.7%もの医療機関が「あった」とした。
 「給与が下がりボーナス時期に治療費をまとめて払うという話だったが、未払いのまま」など、受診しても医療費が払えず、結果として未収金となる事例も多数挙げられた。

 

生活保護・無保険が増加

 患者に関して受診状況で気づいた点を記入してもらった。「生活保護や無保険が増えた」「社保の人が激減した」「国保の患者で有効期限が短い人が増えた気がする」など、昨今の深刻な経済状況を反映した事例が多く出された。

患者負担の軽減は急務

 OECD加盟国30カ国の中でも、日本の患者負担は異常に重く、治療を受けたくても受けられない実態が今回のアンケートで浮き彫りになっている。経済的理由から慢性疾患の治療中断をしたり、医療費負担から必要な投薬を断る事例が増えているが、保険料・窓口負担などの患者負担を軽減することが今まさに必要とされている。
 協会は、アンケート結果をマスコミへの発表や地元国会議員への要請などに活用し、患者負担の軽減に向けて運動を強めていく。調査用紙はこちらからダウンロードできる。まだ調査用紙をご返送いただけていない先生方はぜひご協力いただきたい。

受診実態調査用紙のダウンロードはこちらから

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