より良い医療制度をめざす活動

【10.08.25】任意予防接種費用補助実施状況まとまる

多くの自治体で対応の遅れ―任意予防接種費用補助実施状況調査

 協会地域医療部は、愛知県内市町村による「ワクチンで予防可能な疾患(VPD、Vaccine-Preventable Diseases)」の任意接種費用補助の実態を調査した。
 調査項目は、「ヒブ(Hib、インフルエンザ菌b型)」「小児用肺炎球菌」「子宮頸がん(HPV)」「水痘(みずぼうそう)」「流行性耳下腺炎(おたふくかぜ、ムンプス)」「高齢者用肺炎球菌」の六種類で、実施の有無、方法、金額等。
 このたび、県内すべての57市町村から回答を得たので報告する。

ヒブ―4市が実施


 「ヒブ」への補助を実施(または実施予定)は名古屋市、一宮市、津島市、尾張旭市の4市のみ。生後2カ月以降が対象となり、名古屋市・津島市が2歳未満、一宮市、尾張旭市が5歳未満となっている。費用は、名古屋市が自己負担3,300円となっている以外は、一定額の補助に止まり、回数も差がある。

小児用肺炎球菌―津島市のみ


 細菌性髄膜炎の予防でヒブと共に接種が推奨されている「小児用肺炎球菌」への補助を実施予定なのは津島市のみ。生後2カ月以上2歳未満に1,000円補助というわずかな金額ではあるが、県内唯一の実施自治体である。

子宮頸がん―3市村


 「子宮頸がん」への補助を実施(または実施予定)は名古屋市、東海市、飛島村の3市村のみ。中でも名古屋市は「中学1年生及び2年生の女子」を対象に「無料」で実施している。東海市は10月実施に向けて検討中としており、飛島村は「11〜14歳女子」に「1回5,000円」の補助を「3回」行うとしている。

水痘・流行性耳下腺炎―名古屋市・飛島村のみ


 名古屋市は8月から「1歳〜小学校就学前」までを対象に「水痘」が「自己負担3,800円」で、「流行性耳下腺炎」が「自己負担3,000円」で接種できるようになる。飛島村は両方とも「1歳〜小学校就学前」までを対象に「2,000円」の補助を行うとしている。

高齢者用肺炎球菌―9市町村


 「高齢者用肺炎球菌」は、昨年7月に実施していた小牧市、東海市、日進市、長久手町に加え、名古屋市、一宮市、春日井市、田原市、飛島村が新たに実施した(名古屋市は10月実施予定、春日井市は今年度中に実施予定)。費用は名古屋市の「自己負担4,000円」を除いて、「2,000円」から「6,500円」の補助と自治体によって差があり、また「1回限り」と制限している。

定期予防接種化が必要


 任意予防接種について担当者の考えを記入してもらった。
 少なくない市町村から「財政面で厳しい」との意見が多く出されたが、「VPDに対する予防接種については、健康被害に対する救済も含め予防接種法で定期接種として位置付けられることを望みます」(瀬戸市)、「地域格差が生じることは望ましいことではないと思うので、より必要性の高いものから『定期』へ移行することを期待しています」(半田市)、「これらの予防接種に関しては住民にとって関心が高く、国レベルで検討していただきたいと思います」(扶桑町)など、国が定期接種化をすべきとの意見が出された。
 諸外国では定期予防接種化され、「過去の病気」となっている疾患もある中で、日本の対応は遅すぎると言わざるを得ない。特に有効性の高いワクチンは、早急に定期予防接種化する必要があるのではないか。

任意予防接種費用補助実施状況(PDF) 任意予防接種地図

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