より良い医療制度をめざす活動

【10.04.05】署名運動の効果を考える

新しい署名の開始にあたって
署名運動の効果を考える

 こちらのページでお知らせのとおり、患者負担の軽減、後期高齢者医療制度の速やかな廃止を求める請願署名の取り組みが始まる。
 果たして、署名にはどんな効果があるのか、署名の力について、改めて考えてみた。

署名運動で貴重な成果

 昨年取り組んだ医科向け署名「安心して医療が受けられることを求める請願」と、歯科向け署名「保険で良い歯科医療の実現を求める請願」のふたつの請願署名は、合わせて十万筆を超えるご協力が寄せられた。
16人の民主党・共産党の地元国会議員(衆議院13人、参議院3人)の紹介で、昨年秋の臨時国会と、今年1月から開かれている通常国会に提出した。
 請願事項の採択に至っていないが、この間の運動で、次のような成果を得ている。
《成果》
  1. 70歳〜74四歳の窓口負担が、法律上2割負担となっているところを、1割負担に凍結させていること。
  2. 75歳以上の後期高齢者の保険料を、特別に軽減させていること。
  3. 民主党のマニフェストに、医療費をOECD加盟国の平均まで引き上げることを盛り込ませたこと。(ただし、今回の診療報酬改定では実質ゼロ改定で、約束は実現していない)
  4. 後期高齢者医療制度の廃止法案を参議院で可決させ、廃止に道を開いたこと。(ただし、民主党新政権は、廃止を4年後に先送りしている)
低すぎる日本の医療費

新署名で、負担軽減・後期高齢者医療制度の速やかな廃止を!

 今回取り組む新署名は、患者窓口負担の軽減、後期高齢者医療制度の速やかな廃止の2項目の請願署名である。
 とくに、先進国で突出する日本の窓口負担は、深刻な受診抑制を招いている。
 日本医師会や労働組合「連合」も、窓口3割負担を2割に軽減することを要求している。これらの団体と社保協加盟団体などが協力して運動すれば、国政を動かす大きな力となる。
 特に、民主党の参院選挙マニフェストに「患者窓口負担軽減」を盛り込むようにするためにも、七月の参議院選挙までの取り組みが重要である。
医療費に対する患者の実効負担

この機会に「魔法の『増患』ツール」の活用を!

 患者さんに「医療費窓口負担軽減を求める署名」をお願いすることは、患者さんやその家族の信頼を高めることにもつながる。
 例えば、これまで来院された患者さんに、手紙を添えて署名用紙を送付すると、署名への協力に留まらず、患者さんが再来されて、「驚くほど患者が増えた」会員もある。
 一例として、愛知の大藪憲治先生の経験を実践された福岡市の大水継圭先生の紹介文「魔法の『増患』ツール」は一読に値する。

【福岡県歯科保険医新聞(2月20日号)より】
魔法の『増患』ツール
福岡市 大水 継圭

 ちょっと景気のいいお話しをしましょう。増患ツールの御紹介です。愛知県の大藪憲治先生が実践している方法で効果が大きいため、大藪先生は折に触れ、保団連の行事の中でも何回となく発表され、会員の先生方におすすめしているツールがあります。
 大藪先生も最初からこのツールを使っていたわけではなく、三年前に「保険でより良い歯科医療を」愛知連絡会の代表に就任されまして、その際、立場上必要に迫られて実行せざるを得なくなりました。最初は自院の外来窓口で実行しようと思いましたが、受付をされている奥様から「余分な仕事を増やさないで」と断られ、仕方なく自分ひとりで出来る方法は何かないのかと考えてツールの郵送を思いついたそうです。
 奥様は、「こんな物を送ったら皆が嫌がって来院しなくなる」と、再度反対されたそうですが、大藪先生は実行しました。その結果、例年なら患者数が少ない月に患者さんが徐々に増えていったそうです。今では奥様もこのツールの効果を認めて、反対に「予約が集中するので、一度に大量に郵送しないでね」と、言われているそうです。
 郵送するだけで、患者さんが来院する「魔法のツール」とは一体何なのでしょうか。それは署名用紙です。「署名用紙を送りつけて、患者が本当に増えるの?」、「政治活動って患者さんに嫌がられるんじゃないの?」私も最初はそう思いました。大藪先生の奥様と同じ気持ちでした。
 しかしこの話は本当でした。カギは署名用紙のテーマにあります。このテーマが「社会正義に沿っている」「誰がどう考えても賛成できる」ことが重要なのです。「保険の効く範囲を広げよう」「患者さんの一部負担金を下げよう」等、国民の金銭的負担を和らげる要求は当然スムーズに受け入れられます。
 署名用紙を受け取った患者さんは「この先生は、あるいはこの病院は本当に患者のことを考えている」と思います。そして署名をします。署名したら用紙を病院に持ってきますから、そこで検診なり、治療なりを行なうのです。何名分も記入した署名を持ってくる患者さんもいます。追加の用紙をもらいに来る患者さんもいます。患者さんから患者さんへ署名に込められた願いの輪が広がっていきます。この患者さんたちは「この先生は、患者の味方になってくれている先生だよ」というメッセージを伝えながら、他の人に署名を記入してもらっているのです。
 署名用紙が口コミのツールとして知らない所で勝手に働いているのです。この効果は本物です。「魔法の増患ツールとしての署名用紙の活用」、是非覚えておいて下さい。

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