より良い医療制度をめざす活動

【10.02.05】(4)高齢者医療の充実

   第4回は「高齢者医療の充実」について、福祉給付金(後期高齢者福祉医療費給付)制度の拡大状況、肺炎球菌ワクチンの接種費用の助成制度実施状況、後期高齢者医療制度に加入しない65〜74歳の障がい者への障害者医療費助成制度についての報告と解説を行う。

福祉給付金(後期高齢者福祉医療費給付)制度

要請項目
○後期高齢者医療対象者の医療費負担を無料にしてください。少なくとも、非課税世帯は医療費負担が無料となるように、福祉給付金(後期高齢者福祉医療費給付)制度の対象を拡大してください。
 福祉給付金(後期高齢者福祉医療費給付)は、後期高齢者のうち、寝たきり・認知症・障害者・ひとり暮らし非課税者などの医療費自己負担を無料にする愛知県独自の制度で、高齢者に大変喜ばれている制度である。対象者は別表のように後期高齢者の約2割に適用されている。
 2003年以来毎年、名古屋市以外の自治体に、福祉給付金の現物給付化と自動払いを要望してきた。愛知県は一昨年4月から現物給付に変更したが、同時に「ひとり暮らし非課税高齢者」を対象から除外する制度改悪を行った。
 一昨年のキャラバン要請から、ひとり暮らし非課税高齢者の除外撤回を県に求めるとともに、たとえ県が除外しても市町村独自に継続することを要請した。
 「ひとり暮らし非課税高齢者」を県に追随して対象から除外したのは、瀬戸市、東郷町、長久手町、七宝町、美和町、甚目寺町、東栄町に加え、津島市が加わり合計8市町(18%)となった。なお、名古屋市は県よりも先にひとり暮らし非課税高齢者を対象から除外している。
 その結果、52市町村(85%)が「ひとり暮らし非課税高齢者」を独自に継続している。内訳は、従来通り継続37市町村(61%)、対象範囲など一部縮小して継続15市町村(25%)である。
 「安易に縮小できない制度であり、町の負担が増えることになるので、県は縮小を撤回してほしい」(美浜町・2008年文書回答)という声に示されるように、愛知県は直ちに「ひとり暮らし非課税高齢者」を対象に戻すべきである。

後期高齢者福祉医療費給付制度の対象者

名古屋市
後期高齢者医療の対象者または70歳以上の人で、次のいずれかに当てはまる人
(1)3カ月以上寝たきりで、本人所得が特別障害手当の範囲の人
(2)3カ月以上認知症で、本人所得が特別障害手当の範囲の人
(3)障害者医療・ひとり親家庭などの受給要件に当てはまる人
名古屋市以外
後期高齢者医療の対象者で、次のいずれかに当てはまる人
(1)ひとり暮らしの高齢者で、市町村民税非課税世帯の人
※この対象者は、愛知県の補助基準からは外されたが、
85%の市町村が継続
(2)3カ月以上寝たきりで、市町村民税非課税世帯の人
(3)3カ月以上認知症で、市町村民税非課税世帯の人
※これら以外についても、市町村独自に対象者を広げている場合がある。

福祉給付金制度等実施状況(2009年)

後期高齢者医療制度に加入しない65〜74歳の障がい者への障害者医療費助成制度

要請項目
○後期高齢者医療制度に加入しない65〜74歳の障がい者には、障害者医療費助成制度を適用してください。
 後期高齢者医療制度の発足に伴い、65〜74歳障がい者(高齢障がい者)は、後期高齢者医療制度に加入しないと医療費助成が打ち切られてしまうといった問題が生まれている。これは、愛知県が65歳以上の障がい者への医療費助成の条件に「後期高齢者医療への加入」を義務づけているためで、未だにこのような条件を付けているのは全国でも7県しかない。
 キャラバン要請での回答で尾張旭市は「後期高齢者医療制度へのご加入が任意になっている部分を十分にご理解いただいていない部分もあろうかとの観点から、昨年、当市から愛知県市長会を通じ県へ要望したところでございます」と述べている。また弥富市は「法律では、後期高齢者医療制度の加入については、65歳から74歳までの方は、選択できることになっていますが、現在の状況は…その選択する余地を無くしています」と述べている。
 愛知県が制度を改善し、高齢障がい者に医療費助成制度を適用するのは当然であろう。しかし、障がい者の負担を軽減するために、市町村は県制度の改善を待たずに高齢障がい者への障害者医療費助成制度を適用することが求められている。

肺炎球菌ワクチンの接種費用の助成制度

要請項目
○肺炎球菌ワクチンの接種費用の助成制度を設けてください。
 助成を実施しているのは小牧市、東海市、日進市、長久手町のみ。検討中と回答したのは、半田市、春日井市、飛島村のみ。中でも春日井市は「ワクチンを接種することで、疾病の重篤化する状況に効果が期待できるとされ…各医療機関での接種が増えていくことが見込まれます」と、飛島村は「現在、村内医師等の意見を聞きながら、助成制度について検討中」と回答しており、早期の実施が求められている。

肺炎球菌ワクチンの接種費用の助成自治体一覧(2009年10月1日現在)

市町村名 対象 助成額
(公費)
2008年度助成件数 備考
小牧市 75歳以上 5,000円 2009年6月より開始
東海市 70歳以上 6,500円 1,438件 2008年11月に、肺炎球菌ワクチン予防接種費用補助金交付要綱を策定し、実施。
日進市 70歳以上。
60歳以上70歳未満で医師が必要と認めた方。
3,000円 130件 対象者数(70歳以上)8,057人。助成申請が出された人数は2007年344人、2008年130人、2009年10月27日現在81人。
長久手町 70歳以上。
60歳以上70歳未満で医師が必要と認めた方。
3,000円 2009年4月から実施。

「自治体要請行動のまとめ」完成しました

  県内市町村を訪ねて、医療・福祉などの課題で要望をもとに懇談した「自治体キャラバンのまとめ」(84頁)が完成しました。
 各制度毎に、市町村別の実施状況が分かる資料を多く収録しています。各市町村での制度改善に役立つ資料となっています。
 ご要望の会員の先生には、無料でお送りします。協会実行運動担当までご連絡下さい。
TEL 052−832−1346
FAX 052−834−3584
E-mail aichi-undo@doc-net.or.jp

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2009年キャラバンのページ

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