より良い医療制度をめざす活動

【09.11.05】異常さ際立つ名古屋市国保

保険料引き下げ署名を開始

 雇用破壊や社会保障改悪で、格差と貧困が広がる中、名古屋市の国保料二年連続大幅値上げは、市民生活に深刻な打撃を与えている。
 保険料が払えない人への保険証取り上げも、名古屋市だけ突出して増加し、その異常さが際立っている。
 保険医協会も加わる「名古屋の国保と高齢者医療をよくする市民の会」は、名古屋市に向けて、「国保改善を求める請願署名」を開始した。名古屋市内の会員には、月刊保団連十一月号と一緒に「署名用紙」と「返信封筒」を同封するので、ぜひご協力ください。


急激な保険料値上げ −−指折りの高さに
 政令市でも愛知県内でも比較的低い保険料を保ってきた名古屋市の国保料だが、最近二年間の連続大幅値上げで、政令市四番目に高い保険料となり、加入者一人平均保険料は、約九万千円(四人家族で約三十六万四千円)となった。
 政令市では、四年前の二〇〇五年に十五政令市で十三番目、つまり低い方から三番目だったのが、二〇〇八年には十七政令市で高い方から四番目になっている。

エエッ!? 保険料未納分を全体の保険料に上乗せ
 最近二年間で一万円近く値上げされたが、その値上げ理由に「未納予定分の保険料上乗せ」という信じがたい内容が含まれていた。
 予定納入率を九三%と見込み、未納予定七%のうち、三%分を保険料に上乗せし、一人あたり三千円も余分に徴収していたのだ。
 さらに、今まで一般会計から支払われていた「葬祭費の全額」と「出産育児一時金の三分の一」を保険料に上乗せして、一人当たり千円余分に徴収するようになった。これでは、出産もお葬式も自己責任の民間保険と変わらなくなってしまう。
 また、これまで一般会計支出の健診事業が、国民健康保険に移され、費用の半額を保険料に上乗せするようになった。(一人当たり九百円の値上げ)

一般会計からの独自繰入 −−6年で半減に
 名古屋市国保は、これまで一般会計からの独自繰り入れを行うことで、国保料を低く抑える努力を払ってきた。
 しかし、前述のような制度改悪で、独自繰入を急速に減らしてきた。例えば、二〇〇二年に、国保加入者一人あたりの独自繰入額は約二万九千円(県内一位)あったが、二〇〇八年には、一万五千円(県内十七位)へと半減させている。

資格証明書の発行は市民との縁切り宣言
 国は、国保料を一年以上滞納すると、保険証を取り上げ、資格証明書を発行する制度を導入しているが、資格証明書が発行されると、医療機関の窓口では医療費の十割(全額)を払わなければならないため、一般の国保の加入者と比べ、受診率が五十分の一に下がると言われている。受診を我慢して、病状が悪化したり、手遅れで死亡する例も各地で生じている。
 別記資料のように、名古屋市の資格証明書の発行は、二〇〇六年までは最小限に留めていたが、二〇〇七年から、大量発行への道に踏み出し、二〇〇七年六百六十二件、二〇〇八年一千八十八件、二〇〇九年二千三十七件へと発行数を急激に増やしてきた。
名古屋市を除く愛知県内市町村の合計は、二〇〇四年をピークに減少しており、名古屋市の発行数は、県内発行総数の過半数を占めるに至っている。
 資格証明書の発行は、「保険証の返還」を求めるので、実質的に公的医療保険制度の外に追いやることを意味する。二〇〇六年当時の名古屋市保険年金課長は「資格証明書は、市民との縁切り宣言のようなもの。ますます滞納者の足が役所から遠のいてしまう」と述べていた。(七月四日・朝日新聞報道)
 資格証明書の発行は収納対策に役立たず、「国民皆保険制度」を行政自ら否定するものである。

国保への国庫負担 50%が30%に減少
 今日の国民健康保険の危機は、国保への国の負担を大幅に減らしたのが最大の原因である。
 国保収入に占める国の補助割合は、制度改悪前の一九八四年当時は五〇%を占めていたが、二〇〇五年には三〇%へと大幅に削られている。そのため、全国で保険料が引き上げられ、保険料滞納者が急増した。
 国保料の引き上げ理由は、高齢者の増加や医学の進歩による医療費の増大、国保加入者の  資格証明書発行数推移

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