より良い医療制度をめざす活動

【09.10.25】新型インフルエンザについて緊急要望書を提出……協会

 協会は、10月9日、「新型インフルエンザについての緊急要望」をまとめ神田真秋愛知県知事に提出した。(要望項目を別掲)
 また、16日には愛知県のインフルエンザ対策室の担当官と面談し、状況を聞いた。
要望と県の対応のポイントを紹介する。

診断キットやタミフルの確保と供給
「なんとか堪えうる」と県

 診断キットは国として各メーカーに増産するよう要請がなされ、県としては週1回在庫量を確認しているが、今のところ供給量は、今後ともなんとか堪えうるに足る量が確保されると思っている、とのこと。
抗インフルエンザ薬については国の方針にそって県としても現在、追加備蓄中で、8月末段階で87万5千7百人分を備蓄。今年度中に105万人分を確保する予定。国の備蓄と流通しているタミフルなどを総合すると年度内には約400万人分の抗インフルエンザ薬を確保できる見通しになっているので、なんとか対応できると県は判断している。

サージカルマスクは県保健所に備蓄
春日井市は、5月以降の使用枚数に比例して助成

 サージカルマスクやゴーグル、手袋については6月県議会で補正予算が通過(1億1,426万円)しているが、対象は400医療機関分を年内に県立各保健所に備蓄する程度にとどまっている。
なお、市町村のうち春日井市では5月以降9月まで各医療機関で使用されたマスク枚数に比例し費用を市が助成することになった。

季節性ワクチン
「昨年の接種実績は確保」と県

 新型インフルエンザワクチンの接種費用を無料にすることは「財政上も困難」として、県は考えていない。
 季節性ワクチンの供給量が昨年より減っているのではないか、という指摘については、「生産量は昨年の8割だが、これは昨年の実施量と同じなので、昨年並みには接種できるのではないか」と県の担当者は述べている。

医療従事者への補償制度の整備など、全国知事会を通じて要望
 このほか、県から国に対する要望として、新型インフルエンザの診療を行う医療従事者に対する補償制度の整備や、低所得者へのワクチン接種の費用を国が全額負担することなどを求めていることなどが分かった。

新型インフルエンザについて愛知県への緊急要望
(2009年10月9日 愛知県保険医協会)

1.医療機関に対する支援
(1)インフルエンザ診断キットの十分な確保と安定供給を行うこと。
(2)抗インフルエンザ薬の十分な確保と安定供給を行うこと。新型インフルエンザを治療する医療従事者に使用する薬剤購入に対して補助を行うこと。5歳未満児に使用するタミフルドライシロップも備蓄確保、安定供給に努めること。
(3)サージカルマスク・ゴーグルの十分な確保と安定供給を行うこと。インフルエンザ治療に対応する全ての医療機関に対して個人防護具の購入に対する財政支援をすること。
(4)インフルエンザの治療にかかわり動線分離のための改修を行う医療機関に対して財政支援をすること。
(5)かかりつけ医による「ファクシミリ処方せん」の発行が可能であることなど国が示している診療報酬上の特別な配慮について啓発すること。
(6)新型インフルエンザの患者を受け入れる入院ベッドを確保するために県が責任を持って体制の整備を行うこと。
(7)入院を受け入れる医療機関に対して、院内感染防止に対する対策や人工呼吸器の確保に対して特段の配慮を行い、必要な財政支援をすること。
(8)国に対して以下の要望をすること
ア.職員がインフルエンザに罹患するなどにより万一医療機関が「医業休止」を余儀なくされた場合に、損失に見合った公的補償を行うこと。
イ.業務中にインフルエンザに罹患した場合はその職員に労働災害を適用するなど必要な補償をおこなうこと。

2.患者等への支援・配慮
(1)医療費の支払いが困難な人が新型インフルエンザに感染した場合にお金の心配をせずに早期診断・早期治療ができるように対応すること。
(2)国保の資格証明書の発行をただちにやめ、対象者全世帯に正規の保険証を送付するよう市町村を指導すること。
(3)透析患者など基礎疾患を有する人や小児、妊婦などハイリスクの県民に対する対応について、医会など関係機関との調整を早急に行い、安心して治療ができる体制を確保すること。そのために必要な財政支援をすること。

3.ワクチンについての対応
(1)新型インフルエンザワクチンの接種は、被接種者の負担を無料にできるよう財政支援をすること。
(2)季節性ワクチンを昨年並みに確保し、ハイリスク者への接種ができるようにすること。
(3)国に対して、以下の要望を行うこと。
ア.国の責任で十分なワクチンの製造・供給・実施を行う体制を確立すること。
イ.国の責任でワクチンの安全性を確保すること。特に、輸入ワクチンについては治験を行うなど特段の配慮を行うこと。
ウ.ワクチン接種による後遺症にたいする補償制度を設けること。

4.保健所の体制強化
(1)この間、県内の保健所は縮小され続けているが、今後の感染対策をも考慮し速やかに必要な補強、補充を行い、正確な情報提供、県民への啓発、相談に十分対応できるようにすること。

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