より良い医療制度をめざす活動

【09.08.25】高齢者の願い託した請願 愛知広域連合議会が不採択

 後期高齢者医療制度は、度重なる見直しを経ても、なお不満や怒りの声は治まっていない。保険医協会が加入する愛知県社会保障推進協議会は、愛知県後期高齢者医療広域連合議会に、制度の改善などを求める三種類の請願書を提出した。

 国政レベルでの後期高齢者医療制度を巡る動きは、与党は、制度名称の変更、保険料と医療費自己負担の一部手直しで制度の存続を図ろうと躍起になっている。
一方、野党四党提出の「廃止法案」は参院で可決し、衆院では審議されないまま、国会解散により廃案となった。
 野党各党は総選挙のマニフェストで「後期高齢者医療制度廃止」を掲げ、選挙後の国会で廃止を目指している。
 医療費抑制を目的とした高齢者医療確保法に基づいた制度であるため、手直しで矛盾を解消することは不可能で、その解決のためには、制度の廃止の必要性がますます明らかになってきたといえよう。
 しかし、制度が運用されている状況に鑑み、最低限の高齢者の願いを託したものが、今回の請願である。

三種類の請願を提出
 第一に、低所得者に対する県独自の保険料・一部負担金の軽減制度の実施および保険料未納者への「資格証明書」発行の禁止。
 第二に、愛知県知事に「健康診査事業への財政支援を求める意見書」の提出。
 第三に、後期高齢者の代表を含む後期高齢者医療制度運営協議会(仮称)の設置。
三種類の請願は、三十四人の広域連合議員に紹介議員を依頼し、承諾を得た田口一登議員(共産党・天白区)を紹介議員に七月三十日付けで提出した。
 これらの請願事項は、他府県では既に実施されている事項も多く、高齢者にとって最低限の切実な要求だといえる。
 例えば「県への健診費用への財政支援」は、昨年三月までの基本健診では県が健診費用の三分の一を負担していたもので、厚労省は、高齢者医療・国保担当課長と広域連合事務局長を集めた全国会議で、健診費用への補助を実施している十一都道府県名を紹介した上で、「健診に対する財政支援は、広域連合が強く要望しており、未実施の府県は、保険料の軽減を図るため、支援を検討いただきたい」と述べている。
 しかし、愛知県の広域連合議会は要望の意思表示すら行っていない。
 また、後期高齢者の代表を含む運営協議会の設置については、国保には必ず設置されており、全国の広域連合でも、岐阜県、三重県、長野県をはじめ二十道県で、常設の組織を設置している。
 ところが、愛知県は、常設の組織どころか、単発の懇談会さえ、二〇〇七年十月に一回開かれたのみで、制度発足後は一度も開かれていない。

問われる議員の資格
 しかし、八月七日の広域連合議会で諮られた請願書の採択結果は、運営協議会設置が田口一登議員と加藤芳文議員(三好町)の賛成、そのほかの請願は田口一登議員のみの賛成で、すべて不採択とされた。
 傍聴席から請願の成否を見守っていた傍聴者からは、議会終了後、「反対討論すら行わずに不採択とするのは民主主義の否定だ。議員の資格が問われる」、「このような最低限の要望すら実施できない広域連合なら廃止するしかない」などの憤りの声が聞かれた。

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