より良い医療制度をめざす活動

【09.06.25】社会保障2200億削減“路線”継続、消費税増税も 財政審建議・骨太方針

協会は撤回求め団体賛同・懇談へ

 社会保障予算の二千二百億円連続削減問題に関して、「骨太の方針二〇〇六」以来の二千二百億円削減路線継続を求める意見書・報告が次々出されている。その一方で社会保障財源に消費税増税をとの報告も相次いでいる。来春の診療報酬改定や広く医療崩壊危機打開の展望を開くためにも社会保障予算削減路線をストップさせられるかが大きな焦点となる。

「路線」継続にこだわる政府
 財政制度等審議会(財政審)は六月三日、「平成二十二年度予算編成の基本的考え方について」(建議)を財務相に提出、「『基本方針二〇〇六』等でも示されている歳出改革の基本的方向性は維持する必要がある」と述べたのに続いて、十六日の経済財政諮問会議では「基本方針二〇〇九」原案が提出され、「『基本方針二〇〇六』等を踏まえ、歳出改革を継続」と、予算編成の方向が示された。昨年秋、総選挙に向けて協会が実施したアンケートで自民党は「社会保障二千二百億円削減は限界」と答え、その後も閣僚や与党サイドから同様の路線の見直し発言はあったが、ここにきて「二千二百億円削減撤回」に踏み切らない政府のこだわりと与党内の矛盾が浮き彫りになった形だ。

社会保障の「ほころび」繕う消費税増税
 「基本方針二〇〇九(原案)」や、十五日の「安心社会実現会議報告」では、社会保障制度の「ほころび」に言及。ほころびの原因には触れず、修復する手立てとして、消費税増税の必要性を指摘した。基本方針を議論した九日の経済財政諮問会議では二〇一七年に消費税を一二%に引き上げる試算も提出された。

給付と負担の見直しも
 財政審建議では、前述の二千二百億円削減路線の維持とともに、社会保障安定財源として消費税確保を明記し、給付と負担の見直しを求めている。
 なかでも、医療提供体制の見直し(来春の診療報酬改定で総額は増やさず、病院・診療所間の配分や医師の経験・専門性に応じた配分を行う/医師が地域や診療科を選択する自由を規制など)や、医療費負担の見直し(公的医療給付を「真に必要なものに給付の範囲を重点化」して混合診療を解禁、「保険免責制の導入」、民間保険等の「私的医療支出」割合を増やす など)は、それぞれ重大な問題をはらんでいる。

理解広げる団体賛同、懇談も計画中
 保団連・協会は、「社会保障費二千二百億円削減方針撤回、診療報酬改善、患者負担軽減などを求める要請」(要請項目は別掲参照)を医療専門団体や各種団体に働きかけ賛同を募っている。そして、理解を広げるための懇談会も七月二日に計画している。

社会保障費2200億円削減方針撤回、診療報酬改善、患者負担軽減などを求める要請項目

一、社会保障費二千二百億円削減方針を撤回すること
一、これまでの医療費削減影響を元に戻すために、診療報酬を一〇%以上引き上げること
一、必要な受診を妨げる患者窓口負担を、直ちに引き下げること。そのための財源を確保すること
(1)三割の患者負担については、二割に引き下げること
(2)義務教育終了までの子どもは無料とすること
(3)六十五歳以上の高齢者は、外来は定率一割または一回五百円(いずれも月額上限千円)、入院は一日七百円に軽減すること
一、後期高齢者医療制度は廃止すること
一、地域医療の崩壊を促進する診療報酬のオンライン請求義務化は撤回すること
一、社会保障財源は逆進性の強い消費税ではなく、大企業、資産家の負担を強めること

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