より良い医療制度をめざす活動

【09.04.25】主張・後期高齢者医療

「見直し」でなく「廃止」を

 高齢者をはじめ国民の激しい怒りが渦巻く中ではじまった後期高齢者医療制度(以後「制度」)は、この四月で一年となった。七十五歳になるとこの「制度」に強制されて家族から引き離され、高齢者の尊厳を傷つけられ、そのうえ医療費削減の標的とされて医療内容を安上がりにしてゆこうとする差別的なものである。保険料も限りなく高くなってゆく。
 当初から問題点を指摘して反対運動を強めてきた保険医協会をはじめとした全国的な運動が広がり、国会請願署名が七百万筆近く集まり(医師会や老人クラブなどを加えると一千万)、廃止を求める地方議会の意見書は六百六十九議会に達している。不服審査請求は一万件を超えてたたかわれている。包括払いとして導入された後期高齢者診療料も届出ている診療所での算定は一割未満である。
 政府は国民の怒りに押されて保険料の一部軽減や口座振替を実施して批判逃れをしようとしているが、野党四党による「制度」廃止法案が参院で可決される状況も生まれた。そこで麻生首相がはじめての所信表明演説で「納得していただけるよう見直す」と表明し、舛添厚労大臣が「大胆に見直す」と発言してはじまった「高齢者医療制度に関する検討会」の報告が三月十七日に出されたが、その中身は「後期高齢者や終末期相談支援料といった名称は…速やかに見直す」というもので「半年かけた検討会の改革案が名称変更だけというのでは情けない」(三月十八日毎日社説)に同感である。
 老人保健法では禁止されていた滞納者からの保険証の取り上げについては、厚労省が通知を出して「資格証明書を発行する場合は事前に国に報告を求める」としたが愛知県広域連合は「一律に機械的な発行はしない」との回答に留まっている。又、改善を繰り返し求めてきた健診での治療中の受診制限については今年度から制限が外されて受診票のチェック項目も削除された。健診への一般財源の投入が十一都道府県で実施しているが愛知県広域連合は要望すらしていない。
 国民の生命と健康への責任を放棄し、高齢者の人権を踏みにじる「制度」は直ちに撤回すべきである。きっぱりと廃止させるためには来るべき総選挙で野党が多数を獲得してこそ展望が開けるだけに、引き続き取り組みを強めてゆくことを訴える。毎日社説(三月十八日付)は「最終的な判断は総選挙で国民が行なうことになる」と記している。

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