より良い医療制度をめざす活動

【09.03.05】後期高齢者の保険料未納者4000人

後期高齢者の保険料未納者4000人
保険料普通徴収者の未納者数調査結果で判明


 後期高齢者の保険料未納者が、愛知県内で4000人を超えていることが分かった。
 これは、愛知県保険医協会が県内全市町村に昨年12月末現在の普通徴収者の納付状況を調べた結果判明したもので、このまま推移すると、県内で4000人を超える高齢者が、保険証を取り上げられる不安を抱えて過ごさなければならないこととなる。

未納率の平均は7月分で4.1%

 後期高齢者の保険料は、原則年金天引きで徴収する制度としてスタートした。
 しかし、無年金者や年金受給額が年間18万円以下の人、介護保険料と後期高齢者医療保険料の合計額が、年金受給額の五割を超える人は、年金から天引きせず、納付書や口座振替による「普通徴収」となる。
 今回、この普通徴収の人の保険料未納者数・未納率を調査した。
 その結果によると、月別の未納者数および未納率は、2008年7月分4181人(4.1%)、8月分5483人(4.4%)、9月分7416人(4.7%)、10月分8289人(5.7%)と月ごとに未納者が増えている。
 市町村別にみると、未納率が一割を超えている自治体が、7月分で1町、8月分で2市町ある。

滞納者の保険証取り上げ後期高齢者も対象に

 昨年3月までの国民健康保険では、保険料滞納世帯であっても、老人保健の対象者は、保険証の取り上げ・資格証明書の発行対象から除外されていたが、後期高齢者医療制度では、高齢者にも、保険料の長期滞納者は保険証を取り上げ、資格証明書を発行する仕組みが導入された。
 従って、このまま推移すれば、4000人を超える高齢者が、保険証取り上げの候補に載せられる恐れがある。
 保険証が取り上げられ、資格証明書が発行されると、医療機関窓口では一旦10割分の負担をしなければならないため、事実上の「無保険」状態となってしまう。
 国保で資格証明書を交付された患者が、受診できず手遅れとなって死亡した例が全国で頻発しており、このような不幸な事態を高齢者にまで広げることになる。

相当な収入がある者運用に監視が必要

 高齢者や国民からの批判の声が高まり、与党は、保険料滞納者への資格証明書発行対象は「相当な収入があるにもかかわらず保険料を納めない悪質な者に限って適用する」との見直し策をまとめている。(2008年6月12日)
 しかし、「相当な収入」の基準については、各県の広域連合の判断に委ねられており、愛知県の広域連合は、今のところその基準を示していない。
 乱用させないように監視が必要となる。少なくとも後期高齢者医療の自己負担が1割の人(年収383万円未満、2人世帯520万円未満)は、「相当な収入がある」とは言えないので、資格証明書を交付するようなことがあってはならない。

資格証明書発行の国保の実態は?

 既に保険料滞納者への保険証取り上げ・資格証明書の発行を実施している国保の実態をみると、2008年9月15日現在、全国で約33万世帯に発行しており、愛知県は3310世帯に発行している。
 滞納世帯に対する資格証明書発行割合は、全国で8.6%に対し、愛知県は1.7%と、非常に少ない割合に留めている。
 これは、協会や社保協が繰り返し、資格証明書の発行は止めるように運動してきたこと、行政担当者も「受診の手遅れで犠牲者は出したくない」「資格証明書の発行は、行政との縁切り宣言となり、保険料の収納率向上に役立たない」といった理解が広がっていることの反映だといえる。

資格証明書を発行するな 広域連合と懇談へ

 後期高齢者の保険料滞納者への対応についても、保険料未納者の実態がよく見える市町村担当者の判断が、最も重要となると考えられる。
 協会および社保協では、広域連合に「資格証明書の発行は行わないこと」を強く求めるとともに、3月27日には、社保協と広域連合との懇談も予定している。
 また、毎年の自治体キャラバンでも、国保・後期高齢者医療とも、「資格証明書の発行をしなこと」を基本に要請・懇談を続ける予定でいる。

後期高齢者医療普通徴収者の徴収状況結果(2009年1月)(PDF)

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