より良い医療制度をめざす活動

【09.01.25】(5)健診・検診事業について

 第五回は健診・検診事業について「特定健診」「各種がん検診」「歯周疾患検診」についての報告と解説を行う。

健診・検診事業

【要請項目】
○特定健診、がん検診、歯周疾患検診については、自己負担金を無料としてください。また、実施期間は通年とし、個別医療機関委託・集団検診をともに実施してください。

 老人保健法に定められた「基本健診」は、二〇〇八年四月から高齢者医療確保法に基づく「特定健診」に変更され、実施義務者も「市町村」から「医療保険者」に変更された。
医療保険者(市町村国保)として実施する特定健診についても、自己負担無料、通年実施、個別医療機関委託・集団健診の両方での実施が望まれる。
 歯周疾患検診は、二〇〇八年四月から、根拠法が老人保健法から健康増進法に移された。この変更に伴い、制度の後退が起こっていないか監視するとともに、歯周疾患予防のために、毎年無料で受けられる検診に改善することが求められる。
 今回のキャラバンでは、特定健診への移行後も住民福祉の後退にならないよう要請した。

健診まとめ(2008年)(PDF)
特定健診実施状況(2008年)(PDF)

特定健診――集団健診が大幅減

 「病気の早期発見、早期治療」が主眼だった老人保健法に基づく基本健診から、「生活習慣病予備軍の減少とハイリスク者のスクリーニング」を目的とした特定健診へと大幅に制度が変更された。制度変更の影響もあり、個別医療機関委託では四十八市町村(七六%)から五十一市町村(八四%)へと増加したが、一方で集団健診が四十七市町村(七五%)から三十五市町村(五七%)へと大幅に減少した。従来通り個別医療機関委託と集団健診の両方を実施することが必要だ。
 特定健診の無料での実施は、個別医療機関委託で十七市町村(三五%)から三十一市町村(六一%)へと、また集団健診では十八市町村(三八%)から二十二市町村(六三%)へと大幅に増加した。これは、特定健診の受診率等により後期高齢者医療制度支援金の割合の増減があるためで、特定健診の受診率を高める必要に迫られ無料での実施が増加したと考えられる。しかし一方で、有料での実施が個別医療機関委託で二十市町村(三九%)、集団で十三市町村(三七%)残されている。受診抑制に繋がる可能性がある自己負担金をなくし、無料とすることが望ましい。
 個別医療機関委託での六カ月以上を含む通年実施は十四市町村(二九%)から二十一市町村(四一%)へと増加した。特定保健指導との関連もあるが、受診率向上のためにも通年で受診できることが必要ではないだろうか。

歯周疾患検診

【要請項目】
○歯周疾患検診については、年一回無料で受けられるようにしてください。少なくとも四十・五十・六十・七十歳の検診は必ず実施してください。

歯周疾患検診――毎年受診が減少

 歯周疾患検診は根拠法が健康増進法に移され、実施が努力規定とされた。
 歯周疾患検診の無料実施は、個別医療機関委託で二十六市町村(六二%)から二十九市町村(六六%)へと、集団健診では二十五市町村(七八%)から二十一市町村(八八%)へと、実施割合が増加した。これは、協会や「保険でより良い歯科医療を求める愛知連絡会」が宣伝をし啓発してきた「口腔内の健康が全身の健康につながる」という主張を反映したものではないだろうか。
 しかし一方で、毎年受診ができる自治体が二十四市町村(三八%)から十八市町村(三〇%)へと減少した。これは、集団健診で十八歳以上を対象としていた自治体が、集団健診を中止するなどで減少したことが原因と考えられる。
 健康日本二十一において「定期的な歯石除去、歯面清掃および定期的な口腔診査による早期治療が歯の喪失防止に重要である」と定められており、その目標である八〇二〇達成のためにも、全ての市町村で歯周疾患検診を、個別医療機関委託・集団検診の両方で無料で、通年受診できるようにすべきではないだろうか。

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