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【09.01.15】「無保険」の子ども解消へ 改正国保法が成立

「無保険」の子ども解消へ 改正国保法が成立

 国保の保険料滞納に伴い、保険証を取り上げられた中学生以下の子どもを救済する改正国保法が、昨年十二月十九日の参院本会議で全会一致で可決・成立し、四月一日から施行される。
 改正法により、保険料滞納世帯であっても、中学生以下の子どもには六カ月間有効の短期保険証が一律に交付される。
 この間、保険医協会や社保協などが、県内の市町村に対し、国保の資格証明書発行の中止、少なくとも子どもからの保険証取り上げの即時解消を繰り返し働きかけてきたが、その要望が部分的に実現する見通しが立った点は評価できる。

子どもの「無保険」状態未解消は四市のみに
 保険証を持たない中学生以下の子どもは、厚労省の調査によると、全国で約三万三千人、愛知県で十二市町に百七十八世帯二百七十九人いると発表された。
 保険医協会では、中学生以下の子どもに資格証明書を発行している十二市町に系統的に実態調査を行うとともに、「無保険」状態の解消を求めてきた。
 今回、新たに一月五日に実態を調査したところ、昨年十二月末日までに豊橋市、岡崎市、半田市、安城市、西尾市、江南市、美和町、南知多町の八市町が短期保険証の発行などにより、子どもの「無保険」状態を解消したことが判った。
 逆に「無保険」状態を解消していないのは、名古屋市、瀬戸市、豊川市、東海市の四市のみとなった。なお、東海市は小学生以下の子どものいる世帯は資格証明書の発行対象から外している。(調査結果は下表参照)

異常さが際だつ名古屋市の対応
国ですらこどもの「無保険」状態の一律解消の方針を決め、県内の多くの自治体が実際に一律解消に踏み出している中で、名古屋市は、依然「役所で面談による納付相談を行い、納付計画の誓約書を提出した場合に、短期保険証を交付」する対応に固執している。
今回の調査結果を見ても、これだけ社会問題になっているにも関わらず、名古屋市は、「無保険」状態にある子どもを百十一人(全県合計の八七%)も残している。
しかも、厳しい条件を付けて交付する短期保険証も、有効期限が僅か一〜二カ月という短い期限に限定している。
改正国保法で定めた有効期限や、豊橋市、岡崎市、安城市、西尾市、江南市など他の多くの自治体が六カ月の短期保険証を発行していることと比べ、名古屋市の異常さが際だっている。

無保険の子ども症状悪化が心配

保険医協会が十二月五日号の保険医新聞で呼びかけた「無保険の子どもについての実状調査アンケート」には、八人の会員から次のような資格証明書または無保険の受診例が寄せられている。

○「痛みがあるときのみ来院し、痛みが無くなると未来院となるため、症状悪化が心配である」(南区・歯科)
○「無保険の受診の場合、『今回はこれくらいかかりますよ』と確認をとって治療するも、補綴物のセット日は、高価で未来院となることがしばしばで、折角ここまで治したのに、銀のポストが前歯部にたくさん付いたままの顔を想像すると、いたたまれない気持ちになります」(小牧市・歯科)

 保険医協会では、引き続き、名古屋市、瀬戸市、豊川市、東海市の四市への「無保険」状態の子ども解消や、資格証明書そのものの発行中止の取り組みに力を入れるとともに、そもそも滞納せざるを得ないような高い国保料(税)の引き下げなどの運動を強める計画でいる。  

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