より良い医療制度をめざす活動

【09.01.15】(4)後期高齢者福祉医療費給付制度(福祉給付金)・国保の保健福祉事業で後期高齢者が利用できない事業について

 第四回は高齢者医療の充実として「後期高齢者福祉医療給付制度(福祉給付金)」「国保の保健・福祉事業で、後期高齢者が利用できない事業」についての報告と解説を行う。

後期高齢者福祉医療費給付制度(福祉給付金)

【要請項目】
○福祉給付金(後期高齢者福祉医療費給付)制度については、ひとり暮らし非課税者を対象とするとともに、七十歳からの高齢者についても、対象に加えてください。

 後期高齢者福祉医療費給付制度(福祉給付金)は、後期高齢者のうち、寝たきり・認知症・障害者・ひとり暮らし非課税者などの医療費自己負担を無料にする愛知県独自の制度で、高齢者に大変喜ばれている制度である。対象者は別表のように後期高齢者の約二割に適用されている。
 二〇〇三年以来毎年、名古屋市以外の自治体に、福祉給付金の現物給付化と自動払いを要望してきた。一昨年の調査で自動払いが全体の七三%となり、昨年四月から愛知県として現物給付に変更された。各自治体での動きが愛知県を動かしたものと言える。
ところが、愛知県は県内各市町村の反対を押し切って、昨年四月から「ひとり暮らし非課税高齢者」を対象から除外する制度改悪を行った。
 一昨年のキャラバン要請では、ひとり暮らし非課税高齢者の除外中止を県に求めるとともに、たとえ県が除外しても市町村独自に継続することを要請した。また、昨年のキャラバンでもひとり暮らし非課税高齢者を対象とすることを求めた。
 その結果、各市町村は県が対象から外した昨年四月以降も五十三市町村(八七%)が「ひとり暮らし非課税高齢者」を独自に継続した。内訳は、従来通り継続三十七市町村(六一%)、対象範囲など一部縮小して継続十六市町村(二六%)である。
 「ひとり暮らし非課税高齢者」を県に追随して対象から除外したのは、瀬戸市、東郷町、長久手町、七宝町、美和町、甚目寺町、東栄町の七市町(一一%)のみである。なお、名古屋市は県よりも先にひとり暮らし非課税高齢者を対象から除外している。
「安易に縮小できない制度であり、町の負担が増えることになるので、県は縮小を撤回してほしい」(美浜町)という声に示されるように、愛知県は直ちに「ひとり暮らし非課税高齢者」を対象に戻すべきである。

後期高齢者福祉医療費給付制度の対象者は次の通り
名古屋市―後期高齢者医療の対象者または70歳以上の人で、次のいずれかに当てはまる人
  1. 3カ月以上寝たきりで、本人所得が特別障害手当の範囲の人
  2. 3カ月以上認知症で、本人所得が特別障害手当の範囲の人
  3. 障害者医療・ひとり親家庭などの受給要件に当てはまる人
名古屋市以外―後期高齢者医療の対象者で、次のいずれかに当てはまる人
  1. ひとり暮らしの高齢者で、市町村民税非課税世帯の人
    ※この対象者は、愛知県の補助基準からは外されたが、87%の市町村が継続
  2. 3カ月以上寝たきりで、市町村民税非課税世帯の人
  3. 3カ月以上認知症で、市町村民税非課税世帯の人
    ※これら以外についても、市町村独自に対象者を広げている場合がある。

福祉給付金制度等実施状況(2008年)(PDF)

国保の保健・福祉事業で、後期高齢者が利用できない事業

【要請項目】
○人間ドック、温泉など保養施設、文化・スポーツ施設の補助制度・利用割引など国保加入者への保健・福祉施策事業については、後期高齢者にも適用してください。

 国保加入者が受けられる保健・福祉施策(人間ドック、保養施設利用補助・スポーツ施設利用割引など)が、国保から強制的に脱退させられた後期高齢者は対象外になるといった問題が生まれている。
 中日新聞(〇八年四月二十九日付)によると、名古屋市南区の八十五歳になる男性は近所の高齢者同士で行く同市保養施設の「休養温泉ホーム松ヶ島」に年数回行くのを楽しみにしていたが、この施設の利用補助の対象外となったことを、四月に入って初めて知った。この男性は「お役所仕事で冷たい。高齢者がどう困るかなんて考えちゃいない。私らが国保脱退を望んだ訳じゃないのに」と語る。
 こうした悲劇を生む「後期高齢者医療制度」を廃止するしか根本解決はないが、当面、国保加入者が受けられる保健・福祉事業は、後期高齢者も利用できるよう配慮が必要ではないか。
 今回のキャラバン要請では、国保の保健・福祉事業で、後期高齢者になると利用できなくなる事業の有無を調査した。
 その結果、名古屋市を始め十六市町が後期高齢者になると利用できくなる事業があることが分かった。そのうち、施設利用の補助が受けられないのは名古屋市、碧南市、豊山町の三市町であり、ほとんどが人間ドックなどの助成である。
前出の中日新聞で豊橋市介護医療課の「年齢でサービスに格差があるのはよくない」という声を紹介しているが、国保から脱退させられた後期高齢者を対象とする新たな福祉制度などで対応すべきだ。

国保の保健・福祉事業で、後期高齢者が利用できない事業(2008年)(PDF)

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