より良い医療制度をめざす活動

【08.12.05】(2)国民健康保険・資格証明書等の交付について

 第二回は国保問題の前編として「資格証明書等の交付」についての報告と解説を行う。

国民健康保険・資格証明書等の交付について

【要請項目】
○資格証明書の発行をやめてください。とりわけ、義務教育終了前の子どものいる世帯、母子家庭や障害者のいる世帯、病弱者のいる世帯には絶対に発行しないでください。

昨年に続き名古屋市が大幅増―資格証明書発行数

 愛知県内の保険料(税)滞納世帯はここ数年横這いだが、〇八年六月一日現在で二十三万二千百十世帯(減少率一・三%)となった。
 短期保険証は五万五千九百九件(滞納世帯の二四・一%)発行されており、前年比八千七十八件減(減少率一二・六%)となった。今回、豊根村が新たに短期保険証を発行した。
 資格証明書は三千七十二件(滞納世帯の一・三%)発行されており、前年比百五十四件増(増加率五・三%)となった。今回新たに資格証明書を発行したのは阿久比町のみ。逆に発行がゼロになったのは小牧市のみ。
 資格証明書発行に慎重だった名古屋市は、〇七年度から態度を一変させ、前年比一・六倍にもなる千八十八件の資格証明書を発行した。名古屋市は「資格証明書は市民との縁切り宣言のようなもの。ますます滞納者の足が役所から遠のいてしまう」(名古屋市保険年金課長・〇六年七月四日・朝日新聞)などと繰り返し述べており、資格証明書の発行を最小限(〇六年六月一日現在で十八件、保険料滞納世帯の〇・〇二%)に留めてきた。従前のように、市民の目線に立った行政運営が求められている。
 なお、名古屋市を除いた県内市町村の資格証明書発行件数は昨年の二千二百五十六件から千九百八十四件へと二百七十二件の減少(減少率一二・一%)である。

279人の子どもへ発行

 厚生労働省が資格証明書発行世帯の内の中学生以下の子どもが含まれる数を調査した。全国では三万三千人が、愛知県では十二自治体、百七十八世帯、二百七十九人の子どもへ資格証明書が発行されていることが判明した。
 親の滞納により子どもも無保険となる状況だが、子どもには責任はなく、発行数は上げているものの、岡崎市は「中学生以下の子どもがいる世帯は、大人を含め六カ月の短期保険証を交付した」、豊橋市・西尾市は「世帯には資格証明書を発行しているが、子どもには短期保険証を発行している」など、無保険の状況に置かれている子どもを無くす努力が払われている。

国保問題は貧困問題

 今年三月に発表された、全日本民医連の「二〇〇七年国保死亡事例調査」では、昨年一年間で資格証明書が発行されたなど、経済的な理由により受診が遅れて死亡した事例が三十一件にも上ることが報告された。この三十一件はいずれも「受診を控えたために手遅れになり死亡」に至っており、資格証明書を発行することが国民の命を奪いかねないことになっている。

表 国保・資格証明書等の実態について(PDF)

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