より良い医療制度をめざす活動

【08.11.15】事実上の「無保険」の子ども全国で33,000人−愛知県は12市町279人−

事実上の「無保険」の子ども全国で33,000人−愛知県は12市町279人−

   国保の保険料滞納者への資格証明書の発行に伴い、保険証を持たない事実上の「無保険状態」の中学生以下の子どもが、厚労省の調査で一万八千二百四十世帯三万二千九百三人いることが分かった。
 愛知県内の自治体では、十二市町で、百七十八世帯二百七十九人いると発表された。
 各都道府県の数と比べると、保険料滞納世帯に占める保険証を取り上げられた子ども世帯の割合は、全国で少ない方から四番目となっている。
これは、毎年、社保協が中心になって実施している自治体キャラバン要請で、資格証明書を発行させない、特に福祉医療対象者には発行させない取り組みの成果が現れたものと言える。
 県内で突出して子ども世帯に資格証明書を発行している名古屋市に対しては、一面で報道のとおり、保険医協会として十一月七日に名古屋市を訪れ、「子ども世帯への資格証明書発行の即時中止」を求める「要望書」を提出した。
 また、同日行われた社保協および名古屋の国保と高齢者医療をよくする市民の会の保険年金課長への申し入れ・懇談に参加した。
 愛知県保険医協会が提出した名古屋市長宛ての「要望書」は以下のとおりである。

要望書

国保料滞納世帯への保険証取り上げ・資格証明書交付の中止を求める要望書
〜子どものいる世帯に対する資格証明書交付調査結果等を踏まえて〜

謹啓 日頃の名古屋市民の生活と健康を守る活動に敬意を表します。
 さて、国保料滞納によって保険証を返還させられ、資格証明書を交付されている世帯に属する中学生以下の子どもが全国で約三万三千人いることが分かり、大きな社会問題になっています。
 愛知県では、厚労省調査によると、十二市町で百七十八世帯二百七十九人に交付されていることが明らかになりました。この数は、他都道府県の交付数と比べると、非常に少ない世帯に抑えられており、評価できると考えています。
 しかし、現在の名古屋市は、百世帯の子どものいる世帯を含め、合計千三百八十一世帯にも及ぶ資格証明書を交付しており、極めて問題であると指摘せざるを得ません。
 資格証明書を交付された場合は、医療費の十割を窓口で払わなくてはならず、大幅に受診が抑制され、保団連が行った受診率調査では、一般被保険者のわずか五十一分の一しか受診できていないことが判明しています。
 また、資格証明書交付などにより受診が遅れ、死亡した事例も報道されています。心身の成長期にある子どもの受診が抑制されれば、取り返しのつかない事態を招きかねません。
 そもそも、名古屋市は、「資格証明書は市民との縁切り宣言のようなもの。ますます滞納者の足が役所から遠のいてしまう」(名古屋市保険年金課長・二〇〇六年七月四日付朝日新聞)などと繰り返し述べてきたように、資格証明書の交付は最小限に留めてきた良き伝統があります。
 当協会は、名古屋市が国民皆保険制度の形骸化を招く資格証明書の交付を止め、保険証一枚で誰もが安心して医療が受けられるようにするため、次の事項の実施を要望します。
敬具

一.保険料滞納者に対する保険証取り上げ・資格証明書交付は、国民皆保険制度の崩壊に道を開くものであり、実施しないこと。
二.国に、「国保資格証明書の交付義務化」を撤回、国保への国庫負担率を一九八四年十月以前に戻すことを求めること。
三.保険料の減免制度拡充など国保の保険料を引き下げ、支払うことのできる水準とすること。
四.仮に「資格証明書」を交付する場合も、少なくとも次の世帯は、「資格証明書」の交付対象から除外し、短期保険証ではなく、正規の保険証を交付すること。
(1)子どものいる世帯
(2)障害者・ひとり親家庭など福祉医療の対象者、七十歳〜七十四歳の前期高齢者
(3)病気が発生した場合
(4)生活が困難な世帯(生活保護基準の一・三倍以内)
以上

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