より良い医療制度をめざす活動

【08.09.15】“悪法は廃止できる”初の高齢者医療シンポ〜民主・共産・社民各党から参加〜

“悪法は廃止できる”初の高齢者医療シンポ〜民主・共産・社民各党から参加〜

 愛知県社会保障推進協議会が主催する「後期高齢者医療シンポジウム」が八月三十一日(日)に協会伏見会議室で、大塚耕平氏(民主党参院議員)、佐々木憲昭氏(共産党衆院議員)、平山良平氏(社民党県連副代表)の三人の論客をシンポジストに開催された。後期高齢者医療制度の廃止を目的に企画されたもので、愛知県で野党各党の代表者が一堂に会して高齢者医療問題を討論するのは初めてのことであり、当日のシンポジウムには八十五人が参加した。保険医協会から、荻野理事長、徳田副理事長(社保協議長)をはじめ十四人が参加し、板津副理事長が座長を務めた。

医療財政議論の厚労省―大塚氏
小泉内閣以来の負担増12兆円―佐々木氏

 シンポジウムは、参議院で可決し、衆議院で継続審議になっている「後期高齢者医療制度廃止法案」(野党四党共同提出)について、改めて後期高齢者医療制度の問題点を共有し、秋の臨時国会で廃止法案の成立に向けた運動の出発点とするために開かれた。
 最初に発言した大塚氏は、「年齢で区切った医療保険制度は世界で類を見ない制度である」「リスクの高い人を集めた保険制度が成り立つはずがない」と後期高齢者医療制度の問題点をズバリ指摘。その背景に「本来、国民に提供する医療のベストを示すべき厚労省が、残念ながら医療財政の議論をしている」と指摘した。
 佐々木氏は、「高齢者を差別し、保険料の際限ない引き上げを招く」と制度の問題点を厳しく指摘、「後期高齢者医療制度への怒りがかつて無い広がりを示しているが、その背景には小泉内閣以来の負担増がある。負担増を合計してみると四十六項目で実に十二兆七千億円にものぼる」と述べた。
 平山氏は、「医療にかけるお金が諸外国よりはるかに少ない。いつでも、どこでも、誰でもお金の心配なく医療を受けられるところに国民皆保険制度の良さがある。これを壊すのが後期高齢者医療制度だ」と制度の本質を突く発言があった。
 続いて、「あくまで本制度廃止の実現に向けて、全力で取り組んでいく所存です」との国民新党の自見庄三郎副代表のメッセージを板津座長が紹介した。
 また、シンポジウムには、愛知県難病団体連合会と愛知県腎臓病患者連絡協議会からメッセージが届いた。

新社会党からも発言

 フロア討論では、制度の問題点、与党の見直しでは問題解決しないこと、廃止に向けた運動の経験などについて、参加者から貴重な発言が相次いだ。
 最初の発言に立った新社会党の和田米吉氏(安城市議)は、九月の安城市議会に後期高齢者医療制度の廃止を求める意見書の採択を提案していく決意を述べるとともに、近く予想される総選挙では、現与党を少数に追い込み、参議院で可決した廃止法案を衆議院で成立させてほしいと呼びかけた。
 また、高木ひろし県会議員(民主)は、愛知県では、六十五歳以上の障害者は後期高齢者医療に加入しないと障害者医療が打ち切られてしまう問題点を指摘し、悪い制度への加入を強制するような愛知県の姿勢を厳しく批判した。
 保険医協会の小塚信幸理事は、年金から保険料が天引きされ、将来が不安だとして、高齢者の受診手控えが増えている実状を紹介し、こんな制度を廃止させるために「署名を既に二千筆集めた」と報告すると、会場は大きな拍手に包まれた。
 フロアからの財源問題についての意見を受けた討論では、大塚氏は「特別会計や独立行政法人などの不要不急の内部留保いわゆる埋蔵金の活用が必要」と指摘。
佐々木氏は「四三・三%から三〇%に下がった法人税率を半分戻すだけでも四兆円の財源となる。空前の利益をあげる大企業に応分の負担を求める必要がある」ことを強調した。
 平山氏は「五兆円の軍事費の半減、米軍への思いやり予算の廃止」を訴えた。

秋の臨時国会で廃止法案の成立を

 シンポジストの最後の発言では「ひどい目にあっている時こそ攻撃のチャンス。できることは何でもやる決意だ」(平山氏)、「みなさんの願いに応えて、四野党が団結して全力でたたかう」(佐々木氏)、「悪法は国民の怒りで廃止できる例をつくるために、一緒にがんばりたい」(大塚氏)と、力強い決意が述べられた。
 最後に、板津座長は「秋の臨時国会では、ぜひ廃止法案を審議させたい。そのために、署名は大きな力となる。国民の理解を広げ、地方議会、県議会、広域連合議会、国会へ国民の怒りの声を届ける取り組みが大切だ。九月に大須観音、十月に笠寺観音で街頭宣伝もあるので、野党共同の宣伝ができるように願っている。本日のシンポジウムでより高められた到達点を踏まえ、みなさんの一層の奮闘をお願いしたい」と訴えた。

  右から、座長の板津氏(協会副理事長)、大塚耕平氏(民主党)、佐々木憲昭氏(共産党)、平山良平氏(社民党)の各シンポジスト

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