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【08.06.25】外来管理加算「5分」ルールの根拠に別調査のデータを悪用  協会は時間要件廃止を求め緊急要望

外来管理加算「5分」ルールの根拠に別調査のデータを悪用  協会は時間要件廃止を求め緊急要望

 四月診療報酬改定で大きな問題となっている外来管理加算の時間要件導入について、厚労省が「五分」ルールの根拠として中医協に提出した資料が、外来管理加算とは無縁の時間外診療に関する調査のデータを不正流用していることが判明した。時間外診療の調査は、愛知県など二府六県の医科診療所が対象となり県内の多くの医療機関が協力している。協会は、データ悪用に抗議し、外来管理加算の時間要件廃止を改めて強く求める緊急要望書をまとめ厚労大臣に提出した。

 厚労省が昨年十二月七日に開かれた中医協に提出した資料は別掲のとおり。厚労省は、このグラフをもとにあたかも「診察時間」が五分を超える事例が九割であるかのように説明した。
 まず問題なのは、時間外診療とは無縁である外来管理加算への時間要件導入のためのデータに不正流用していることだ。
 加えて、データにもとづき算出された数値はそもそも個々の患者に対する「医師の診察時間」を判断する材料にはなり得ないものであることが判明した。
このことによって、「五分ルール」そのものの根拠が崩れたといえる。
 協会では、多くの会員が怒っている時間要件の廃止を改めて強く厚労省に要望していく。

二千を超える会員署名提出
 協会は六月五日、十一日と連続して保団連中央行動に参加、後期高齢者医療制度の廃止を訴えるとともに、外来管理加算の時間要件廃止も要請した。六月十一日の行動では会員から寄せられた「時間要件等の撤回を求める緊急要請書」二千二十一人分を第二次分として提出、厚労省や地元国会議員など関係方面に要望した。

愛知県保険医協会が厚労大臣に提出した緊急要望書

(6月13日提出)
時間外診療に関するデータ悪用に抗議し
外来管理加算の時間要件廃止を求める緊急要望

 4月診療報酬改定で導入された外来管理加算への「概ね5分間を超えて直接診察」とする時間要件について、本会では廃止するよう強く求め、要望してきました。
 この度、本会が参加する全国保険医団体連合会が調査したところ、時間要件導入の根拠として中医協に示されたグラフが、昨年7月に貴省が委託実施した「時間外診療に関する実態調査」をもとに作成されたものであることが判明しました。しかし、この調査は、勤務医の過重労働を改善することを念頭に、開業医がどれくらい時間外診療をしているのかを調べる目的と称して、愛知県など2府6県の一般診療所を対象に行われたものです。
 ところが、この調査結果が時間外診療とは無縁である外来管理加算への時間要件導入のための資料として、あたかも5分を超える診療時間が9割であるかのような形で利用されており、明らかに目的外の使用といえるものです。また、調査項目から判断できるのは、あくまで診療時間を医師1人当たりの患者数(初診患者を含む)で割った数字であり、外来管理加算の要件とされる「診察時間」を判断する資料には到底なり得ません。
何より、こうした形でデータが利用されることには、夜間診療を多く実施し地域医療に貢献をしている調査協力した多くの開業医が憤り、怒っています。
 本会が5月に実施した実態調査によると、4月の算定回数は前月と比べて診療所で71.5%となり、大きく減少しています。
もとより時間要件により、従業員と協力し効率的な診療を行う努力や、患者の疾病の個別性が否定され、本来の診療のあり方が歪められかねません。また、「概ね5分」という数字をめぐって、患者との間で無用のトラブルを招いています。
 従って、外来管理加算への時間要件を廃止するよう改めて強く求めるものです。


厚労省が昨年12月7日の中医協に提出した資料(グラフ)  

提出された上のグラフの説明資料  

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