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【08.06.15】65歳以上障害者の後期高齢者医療制度「強制加入」の実態が明らかに

65歳以上障害者の後期高齢者医療制度「強制加入」の実態が明らかに

 65〜74歳の障害者が後期高齢者医療に加入する、しないは、任意のはずなのに、愛知県など10道県では、事実上「強制加入」となっていることが大きな社会問題になっている。
 そのため、厚労省は、5月14日に開かれた後期高齢者医療制度の都道府県担当者を集めた会合で、後期高齢者医療への加入を医療費助成の条件にしていることについて「事実上の強制加入ではないかとの指摘を受けている」と述べ、対応を見直すよう求めている。(5月15日付中日新聞)

極端に少ない加入辞退者「強制加入」を裏付ける

 後期高齢者医療の加入を医療費助成の条件にしているのは、愛知・北海道・青森・山形・茨城・栃木・富山・山口・徳島・福岡の10道県である。
 このほど公表された「65〜74歳の障害者の後期高齢者医療制度への加入辞退者数・辞退率」(資料1)をみると、後期高齢者医療の加入を医療費助成の条件としている10道県の辞退率は僅か1.7%で、その他の30都府県の辞退率17.7%と比べ、辞退者が極端に少ない実態が明らかになった。
 愛知県の加入辞退率は0.7%で、東京25.2%、大阪35.9%と比べ、いかに少ないかが判る。
 事実上の「強制加入」の実態が客観的な数字でも示されたことになる。

なぜ不利益を受ける制度加入を強制するのか?

 愛知県は、後期高齢者医療への加入を医療費助成の条件にしている点について「従来から老人保健への加入を前提にしており、今回考え方を変更した訳ではない」と弁解している。
 しかし、65歳以上の障害者が、後期高齢者医療制度に加入した場合、従来の老人保健への加入と異なり、新たに次のような不利益を被ることになる。
 (1)社会保険の扶養家族となっていた障害者は、保険料負担が無かったが、例外なく保険料負担が強いられる。
 (2)社会保険の本人であった障害者が後期高齢者医療に加入すると、今まで保険料負担のなかった扶養家族は、社会保険から脱退させられ、国保の保険料を負担しなければならなくなる。
 (3)国保加入者であった障害者が後期高齢者医療に加入すると、国保の場合には障害者への保険料減免が適用される自治体が少なくないが、後期高齢者医療では障害者減免がない。
 (4)後期高齢者医療は、若い人と比べ、受けられる医療に差別が設けられる。
このような不利益を被るにもかかわらず、後期高齢者医療に事実上「強制加入」させられるのは、障害者への人権侵害と言わなければならない。

マスコミ各社に訴え世論化に大きな役割

 保険医協会は、制度の矛盾が明らかになった今年1月11日および制度スタート後の5月2日の2回に亘って、障害者団体とともに愛知県に対し「後期高齢者医療に加入しない65〜74歳の障害者に障害者医療の適用」を求め、要望書を提出し、懇談も行ってきた。合わせて、明らかな矛盾を広く伝えるために、報道機関に働きかけ、取材に積極的に協力してきた。その甲斐あって、毎日新聞の3月11日付け1面トップと社会面で大きく取り上げられ、その後、中日・読売・朝日各紙やTBS「みのもんたのサタズバッ!」はじめ各テレビ局、週刊誌なども相次いで制度の問題点を指摘する報道をしてきた。(資料2)
こうした中で、事実上の「強制適用」する10道県の中には、すでに是正に踏み出す県も生まれている。
 愛知県は障害者の切実な願いに応え、一刻も早く是正を図るべきである。

  (資料2)障害者の強制加入問題を取り上げた報道例

○3月11日(火)毎日新聞1面トップ+社会面
○4月17日(木)読売新聞1面トップ
○4月17日(木)中日新聞「生活面」
○5月2日(金)「後期高齢者医療の障害者認定申請問題での県との懇談」を、TBS・CBC・名古屋・中京各テレビ・中日・赤旗が取材・報道
○5月3日(土)TBS「みのもんたのサタズバッ!」
○5月6日(火)朝日・毎日各紙
○5月15日(木)毎日新聞
○5月18日(日)赤旗
○5月22日(木)中京テレビ「リアルタイム」
※今後も、CBCテレビとサンデー 毎日が報道予定

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