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【08.05.15】後期高齢者診療料 30都府県医師会が反対 広がる批判

後期高齢者診療料 30都府県医師会が反対 広がる批判

 後期高齢者医療制度の診療報酬の中心ともいえる「後期高齢者診療料」の算定について、愛知県保険医協会理事会は、「後期高齢者診療料の届出、算定は慎重に」と会員に呼びかけてきた(全文は四月十五日号保険医新聞掲載)。同様の動きは、いま医師会で、全国的にも、愛知県内においても急速な広がりがみられる。
 後期高齢者診療料の算定について、この間の新聞報道をみると、全都道府県医師会の六割を超える三十都府県医師会が、届出・算定の自粛・慎重な対応を会員に呼びかけていることが明らかになった(五月十日現在)。
 中でも、茨城県医師会は、後期高齢者医療制度そのものに反対し、制度の撤回を求めポスターを作成し、署名活動をすすめている。
 また、後期高齢者診療料の算定自粛・慎重な対応を呼びかける三十都府県医師会のなかで、宮城県、茨城県、栃木県、埼玉県の各医師会では、後期高齢者診療料の届出要件となる研修会を当面実施しないことを決めている。

愛知県医師会も後期高齢者診療料反対を表明

 愛知県医師会は、毎日新聞やしんぶん赤旗の取材に、「後期高齢者診療料には反対」と回答をしており、名古屋テレビのインタビューでも、柵木副会長が、後期高齢者診療料についての県医師会としての考えを問われ、「反対」と述べている。
愛知県内の地区医師会でも、後期高齢者診療料の届出・算定について、名古屋市医師会・中区・中村区・東名古屋・岡崎市・安城市各医師会が自粛・慎重な対応を会員に呼びかけている。
 名古屋市医師会理事会の呼びかけでは、後期高齢者診療料は、一人の患者に一つの主病しか認めず、その管理を一医療機関に限定していること、実質的にフリーアクセスを制限し、開業医をゲートキーパーとする登録制につながる可能性が強いこと、七十五歳を境に出来高請求を否定し、医療費の抑制をしやすい包括請求に変えていくこと、を問題点として指摘し、名古屋市医師会理事会は、後期高齢者診療料の届出と算定について、慎重な対応を呼びかけることになったとしている。
 その他の地区医師会でも、後期高齢者診療料の問題点を指摘した上で、「後期高齢者医療制度を実質的な骨抜きにするために、後期高齢者診療料を算定しないという呼びかけを行うという正副会長の提案を、支部役員会において満場一致で承認」(中村区医師会)、「後期高齢者診療料は、患者中心の医療を根幹から覆すものであり、医療機関の連携をも分断することにつながり、とうてい容認できない」(岡崎市医師会)などと呼びかけている。

各地で広がる呼びかけ
後期高齢者診療料算定見合わせ


 後期高齢者医療制度の診療報酬の中心ともいえる「後期高齢者診療料」の算定について、愛知県保険医協会理事会は、「後期高齢者診療料の届出、算定は慎重に」と会員に呼びかけてきた。(全文は四月十五日号保険医新聞およびホームページに掲載)
今回、他府県でも、県内でも広がりをみせる医師会の後期高齢者診療料の届出・算定見合わせの動きを紹介してみたい。
 この間の中日・毎日・朝日・赤旗各紙の報道を総合してみると、五月十日現在、後期高齢者診療料の算定について、全都道府県医師会の六割を超える三十都府県医師会が、届出・算定の自粛・慎重な対応を会員に呼びかけていることが明らかになった。(資料1)
中でも、茨城県医師会は、後期高齢者医療制度そのものに反対し、制度の撤回を求めポスターを作成し、署名活動をすすめることにしている。同じく島根県医師会もポスターを作成し、同制度の廃止・撤廃を求めている。
 同じく、高知県医師会も、制度の撤回を求める「反対声明」を発表している。山形県医師会も、国民皆保険制度の根幹を脅かす後期高齢者医療制度を骨抜きにするために、後期高齢者診療料を算定しないよう呼びかけている。
 その他、後期高齢者診療料の算定自粛・慎重な対応を呼びかける都道府県医師会は、少なくとも三十都府県を数え、宮城県、茨城県、栃木県、埼玉県各医師会では、後期高齢者診療料の届出要件となる研修会を当面実施しないことを決めている。

愛知県医師会も後期高齢者診療料は「反対」

 愛知県医師会も、毎日新聞や赤旗の取材に、「後期高齢者診療料には反対」と回答しており、名古屋テレビのインタビューでは、柵木副会長が後期高齢者診療料についての県医師会としての考えを問われ、「反対」と述べている。
 また、愛知県内の地区医師会でも、後期高齢者診療料の届出・算定について、名古屋市医師会・中区・中村区・東名古屋・岡崎市・安城市各地区医師会が自粛・慎重な対応を会員に呼びかけている。
 名古屋市医師会理事会からの呼びかけ(資料2)では、後期高齢者診療料の問題点を三点に亘って指摘している。
 第一に、一人の患者に一つの主病しか認めず、その管理を一医療機関に限定していること。
 第二に、実質的にフリーアクセスを制限し、開業医をゲートキーパーとする登録制につながる可能性が強いこと。
 第三に、そもそも後期高齢者医療制度そのものが、医療費適正化(抑制)を目的としたもので、患者負担増と年齢による差別を内包している。その柱としての後期高齢者診療料であり、七十五歳を境に出来高請求を否定し、医療費の抑制をしやすい包括請求に、基本的に変えていこうとするもの。
 以上の理由から、名古屋市医師会理事会は、後期高齢者診療料の届出と算定について、慎重な対応を呼びかけることになったとされている。
その他の地区医師会でも、後期高齢者診療料の問題点を指摘した上で、次のような呼びかけを出している。
 「後期高齢者医療制度を実質的な骨抜きにするために、後期高齢者診療料を算定しないという呼びかけを行うという正副会長の提案を、支部役員会において満場一致で承認」(中村区医師会)
 「後期高齢者診療料を届出(または算定)しないで、出来高を選択するよう呼びかけることを満場一致で決議した」(東名古屋医師会)
 「後期高齢者診療料は、患者中心の医療を根幹から覆すものであり、医療機関の連携をも分断することにつながり、とうてい容認できない」(岡崎市医師会)
 「後期高齢者診療料の算定は慎重に行ってくださいますようお願い申し上げます。医療機関同士のいがみあいや患者の囲い込みに繋がることを危惧します」(安城市医師会)

(資料1)
後期高齢者診療料
反対・慎重を呼びかけた都道府県医師会
山形県、*山梨県、島根県、宮城県、*新潟県、岡山県、、秋田県、*長野県、広島県、茨城県、愛知県、山口県、、栃木県、滋賀県、徳島県、群馬県、京都府、高知県、埼玉県、大阪府、佐賀県、千葉県、兵庫県、長崎県、*東京都、奈良県、大分県、神奈川県、和歌山県、宮崎県
*印:関東甲信越医師会連合会の決議を通して態度表明

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