より良い医療制度をめざす活動

【08.04.15】後期高齢者診療料の届出、算定は慎重に

後期高齢者診療料の届出、算定は慎重に(協会理事会からのよびかけ)

 今回の診療報酬改定で、後期高齢者独自の診療報酬が設定され、その中心に「後期高齢者診療料」が新設されました。
 愛知県保険医協会は、四月十日に開かれた理事会で、後期高齢者診療料の届出・算定について、どう考えるべきかを検討した結果、次のような理由で、後期高齢者診療料の届出・算定に慎重な対応を呼びかけるとの結論を得ました。
 ひとつ目の問題は、国民皆保険の理念に反して、高齢者に差別医療を強いる「後期高齢者医療制度」の具体化のひとつであることです。特定の年齢で受けられる医療内容に差別を設けている国は、世界に例を見ません。
 国民や医療担当者の強い反対もあって、後期高齢者診療料を選択しなければ、従来どおりの一般医療での出来高請求ができるようになりました。厚労省は「医療内容が差別されることはない」と、その否定に躍起になっていますが、そうであるなら、何故わざわざ後期高齢者独自の診療報酬を設けなければならないのでしょうか。
 後期高齢者医療制度は、医療費適正化(抑制)を目的にした法律(高齢者医療確保法)を根拠法としているため、後期高齢者向けの診療報酬を設定する場合は、必然的に医療費を抑制する点数設定となります。
 私たちは、一貫して高齢者を差別する別建ての診療報酬の導入に反対してきましたが、改めて高齢者に負担増と差別医療を強いる「後期高齢者医療制度」の中止・撤回を要求します。
 ふたつ目の問題は、後期高齢者診療料の新設を契機に、一患者に一つの主病しか認めず、その慢性疾患管理を一医療機関に限定する考え方を導入している点です。
後期高齢者診療料は、開業医に対し、高齢者への安上がりな医療の提供と重複受診の制限により、高齢者の医療をコントロールする役割を期待したものです。これは、実質的にフリーアクセスを制限するもので、国保中央会が提案している「人頭登録制」に通じる危険を感じます。
 高齢者の多くは、複数の慢性疾患を併せ持ち、複数の医療機関に受診することも少なくありません。また、各科にまたがる多様な病気を抱えている場合が多く、診療体制が専門分化している現状の中、ひとりの患者をひとりの医師が一元管理することは困難です。
したがって、今回の後期高齢者診療料を契機にして、実質的にフリーアクセスが制限される方向へ踏み出すことは、地域の医療連携を崩すことにもなりかねません。
 以上の理由から、診療報酬点数の運用にあたっては、後期高齢者診療料の届出および算定について、慎重な対応を呼びかけるものです。
二〇〇八年四月十日 愛知県保険医協会理事会

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