より良い医療制度をめざす活動

【08.03.15】主張・特定健診

特定健診に未来はあるか?

 特定健診・特定保健指導の実施が間近に迫っている。しかし未だその全容が明らかになっておらず、四月以降も混乱が続くことが懸念される。
 これまで市町村が実施してきた住民健診は、新制度により加入している健康保険に実施主体が変更される。市町村国保加入者は各市町村国保が実施主体となる。健診実施機関は住民健診の基盤を継続する形でほとんどの市町村が地区医師会を通じた個別医療機関方式で実施することになりそうだ。実施内容は各地区医師会との間で詰めの段階にあり、来年度予算成立後、正式な契約となる。
 被用者保険の被扶養者・国保組合の被保険者の特定健診については、愛知県の代表保険者が政管健保にようやく決まった。県医師会が地区医師会を取りまとめ代表保険者と契約を行い、健診の実施は市町村国保の体制を活用する方向で準備が進められている。また後期高齢者の健診は、実施主体の広域連合が市町村に委託して実施する方向で収まりそうだ。
 このように健診は従来通り、市町村の身近な医療機関で受けられることになりそうだが、加入する健康保険や年齢、制度によって健診項目、委託料、自己負担など統一できないため、混乱が予想される。
 健診実施機関の課題となっていた健診結果や費用請求の電子化については、県医師会を中心に立ち上げた「NPO法人健康情報処理センターあいち」等の事務代行により可能な道筋が整えられつつあるが、住民健診を行ってきた医療機関すべてが四月からいっせいに特定健診をスタートできる状態にはない。
 医療費適正化を目的とした特定健診・特定保健指導だが、その医療費抑制効果はエビデンスに乏しく既に批判が相次いでいる。受診率等により後期高齢者医療制度への支援金のペナルティーが課せられることもあり、名古屋市国保等は自己負担の無料を決めた。無料は歓迎できるが、一般財源を投入しないと、その分国保料の引き上げにもつながる。結局のところ、国家の財政支出を医療保険者に転嫁しただけになりかねない。
 二月二十八日、野党四党は後期高齢者医療制度廃止法案を衆議院に共同提出した。この中には特定健診・特定保健指導の廃止も含まれている。疾病の早期発見・治療と健康権保障に資する健診・保健指導の本来の意義目的を取り戻すため、法案の成立に向けて運動に合流するとともに、当面、間近に迫った制度実施の遅れが、住民への弊害を引き起こさないよう、確実な健診の実施を求めていく必要がある。

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