より良い医療制度をめざす活動

【08.01.25】(5)国民健康保険 資格証明書等の交付について

 シリーズ第五回は国保問題の前編として、「資格証明書等の交付について」解説する。

国民健康保険 資格証明書等の交付について

要請項目
○資格証明書の発行をおこなわず、すべての被保険者に正規の保険証を無条件で交付してください。むやみに短期保険証の発行はおこなわず、払う意思があって分納中の加入者には、正規の保険証を交付してください。

名古屋市の暴挙により一気に増加 ―資格証明書発行 件数

 愛知県内の保険料(税)滞納世帯数は毎年増加していたが、二〇〇七年六月一日現在で前年比八千百五十一世帯減(減少率三・四%)となった。これは、一宮市が旧尾西市・木曽川町と合併した際に、事務上の手続きにより二〇〇六年の滞納世帯数が一気に九千件増加していたためと考えられる。
 短期保険証は六万三千九百八十七件(滞納世帯の二七・二%)発行されており、前年比一万二千七百六件増(増加率二十四・八%)となった。これは、春日井市(二千四百四十件・増加率一六九%)や刈谷市(八百四十件増・増加率一五二%)などの大幅増が影響を与えている。
資格証明書は二千九百三十一件(滞納世帯の一・二%)発行されており、前年比六百三件増(増加率二十五・九%)となった。これは、名古屋市が一気に六百四十四件増加したことによる。名古屋市を除く市町村の合計は若干減少している。
 今回新たに資格証明書を発行したのは、刈谷市、小牧市、尾張旭市、岩倉市の四市。逆に発行がゼロになったのは、津島市、碧南市、新城市、阿久比町の四市町。

国保は医療を保証するセーフティネット

 愛知県は、資格証明書を発行するに当たっての注意事項として「面談して実態を把握してからにすべき」と指導している。しかし、名古屋市、半田市、春日井市、豊川市、刈谷市、安城市、東海市、知立市、尾張旭市、岩倉市、豊山町、大口町、南知多町、一色町、吉良町、幡豆町、三好町、音羽町の十八市町はキャラバンアンケートに「面談無くても発行」と回答している。
 昨年二月四日付の朝日新聞では「国保は失業者は高齢者に医療を保証するセーフティネット」とし、「そもそもの原因は低所得と高すぎる保険料」との国保ベテラン職員の声を紹介している。また、全日本民医連の調査で、二〇〇五年一月から二〇〇七年二月にかけ、保険証がなく医療費を払えないなどの理由から受診が遅れた末に死亡した人が、全国で二十九人いたことが三月に報道された。その多くは年金生活の高齢者やリストラ、事業不振、倒産などに遭った低所得者という。資格証明書を発行することで、国民の命を守るはずの国保制度が、逆に命を脅かす事態となっている。
 キャラバン要請では、「国保税の滞納対策」として資格証明書発行を正当化する自治体もある。しかし、そもそもの原因は「高すぎる保険料」にあることを見ずには解決しない。「正規の保険証を加入者全員に発行することは、国民に医療を保証するセーフティネットである」との認識が、各市町村の国保担当者に求められている。

国保の資格証明書等の発行状況(愛知県医務国保課提供資料より)(PDF)

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