より良い医療制度をめざす活動

【07.11.25】(2)福祉給付金の自動払い・拡大 高齢者への医療費助成

 シリーズ第二回は「高齢者医療の充実」について、福祉給付金の自動払いと拡大状況、七十三・七十四歳の老人医療費助成制度の継続、老人保健の「現役並み所得者」の取り扱いについて、報告と解説を行う。

福祉給付金の自動払い・拡大  高齢者への医療費助成

要請項目
○福祉給付金の支払いは、現物給付(窓口無料)にしてください。当面、自動払いしてください。
○福祉給付金制度の対象は、二〇〇八年四月から実施される後期高齢者医療制度の加入者も引き続き対象とするとともに、七十歳からの高齢者についても、対象に加えてください。
○二〇〇八年四月から二割負担に引き上げられる七十歳以上の高齢者の医療費負担を一割に据え置くために、医療費助成を実施してください。少なくとも、七十三歳・七十四歳の老人医療費助成制度対象者については、必ず一割分の助成を行ってください。

 福祉給付金は、障害者医療給付要件該当者や住民税非課税の三カ月以上寝たきり・認知症高齢者・ひとり暮らし高齢者(名古屋市を除く)などの、老人一部負担金を無料にする制度である。
福祉給付金の支払いは、現在、名古屋市を除き償還払いのため、高齢者の申請手続きも市町村の事務手続きも煩雑となることから、すべての市町村で現物給付化することが求められている。自治体キャラバンでは現物給付化を要請しているが、当面は自動払いを実施するよう求めた。

7割が自動払いに―来年度からは県として現物給付化へ

 昨年のキャラバン以降も自動払いはさらに広がり、江南市、小牧市、清須市、甚目寺町、飛島村、吉良町が新たに実施した。これにより、福祉給付金の現物給付または自動払いを実施するのは四十六市町村(七三%)となった。
なお、愛知県は来年度から現物給付に移行する方向で各市町村と調整中である。

愛知県が福祉給付金を大幅縮小

 愛知県が〇八年度から計画している「福祉給付金及び福祉医療の大幅な見直し案」が明らかになり、福祉給付金制度が現行よりも大幅に後退することが明らかになった。
「見直し案」では、「ひとり暮らしの市町村民税非課税者(名古屋市以外の市町村で対象)」および「老人医療費助成制度対象者(七十三・七十四歳)」を福祉給付金の対象から外すというもの。
これには市町村の担当者からも「低所得者対策の意味合いがあるので、簡単には削れない」「県は税収も増えているのに、下には降ろさず、逆に切ってくるのはおかしい」など、怒りの声がキャラバン要請の場で出された。
 キャラバン実行委員会および協会は、県に福祉給付金縮小計画の撤回を求めるとともに、各市町村に対しては継続を強く要請した。
 愛知県は二〇〇〇年八月から乳幼児医療や障害者医療に一部負担金を導入したが、県内すべての市町村が反対し、無料を継続したため、県は四カ月後に撤回した経験がある。これと同様、実施前に撤回させるために、県への働きかけが重要だ。

※福祉給付金自動払いについて一覧(PDFファイル)
※高齢者医療、福祉給付金拡大状況について一覧(PDFファイル)

老人医療費助成制度廃止の危機

 七十三・七十四歳は老人医療費助成制度の対象であり、七十歳から七十四歳の窓口負担が〇九年四月から二割になると一割分が助成対象となる。しかし、愛知県は老人医療費助成制度の一割助成が始まる前に制度を廃止する計画を打ち出した。
 今回、各市町村に七十三・七十四歳の高齢者へ老人医療費助成制度で一割分を助成するか尋ねたところ、検討しているのが十九市町あった。
キャラバン実行委員会および協会は、県民の知らないところで騙し討ちのような廃止はすべきでないと県に申し入れも行った。
 実際に引き上げが予定される〇九年四月以降も、県と各市町村に老人医療費助成制度を継続させることが求められる。

老人保健の現役並み所得者の取り扱い

要請項目
○老人保健の「現役並み所得者」の認定に当たっては、課税所得が百四十五万円以上であっても、収入基準(夫婦世帯五百二十万円、単身三百八十三万円)に満たない高齢者については、申請がなくても、自動的に「現役並み所得者」から除いてください。少なくとも、「基準収入額適用申請書」を個別送付してください。

 昨年の税制改悪で、実際には収入が増えていないにもかかわらず、「現役並み所得者」とされた老人保健対象者が大幅に増えた。課税所得が百四十五万円以上であっても、収入基準(夫婦世帯五百二十万円、単身三百八十三万円)に満たない高齢者は一割負担となるが、三割負担の受給者証が発行されたことから、自治体キャラバンでは自動的に「現役並み所得者」からの除外と対象世帯への通知や申請書の送付を要望し、その実態を調査した。

申請なしの除外は7市町

 収入基準に満たない高齢者を「現役並み所得者」から自動的に除外しているのは、春日井市、新城市、東海市、清須市、東郷町、長久手町、阿久比町の七市町のみだった。検討中が二市町あるが、大半の自治体では「実施の予定なし」としている。
対象者は市町村で把握できており、申請主義に陥らない丁寧な対応が望まれる。

通知・申請書送付はほとんどが実施

 対象世帯への「申請を促す通知」「基準収入額適用申請書」の送付を行っているか尋ねたところ、六十市町村(九五%)が通知・申請書を両方送付していることがわかった。
しかし、岡崎市・甚目寺町は通知のみしか送付しておらず、安城市に至っては通知すら送付しておらず、文書回答でも「考えていません」との返答で、住民の側に立った対応とは言えない。一刻も早い改善が求められる。

※老人保健受給者、「高額医療・介護合算療養費」について(PDFファイル)

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