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【07.11.15】後期高齢者医療制度 愛知県の保険料が示される 制度そのものの凍結・中止を

後期高齢者医療制度 愛知県の保険料が示される 制度そのものの凍結・中止を

 今、県内各地で、後期高齢者医療制度の学習会がひっきりなしに開かれ、協会役員・事務局も講師として各地に出かけている。
 学習会では、小泉・安倍内閣のすすめた増税、国保料・介護保険料の引き上げ、医療費負担増など高齢者へのしわ寄せが続き、さらに、来年4月からの「後期高齢者医療制度」の実施は、高齢者いじめに拍車をかけるものと、怒りの声が渦巻いている。
 愛知県後期高齢者医療広域連合議会の議案説明会が11月7日に開かれ、愛知県における保険料額などが示され、11月20日開催の愛知県後期高齢者医療広域連合議会で最終的な保険料額が決定される。
新しく示された保険料額とその問題点を探ってみた。

与党の一部凍結案は制度の凍結とは無縁


 はじめに、参院選の敗北を受けて、自民・公明両党が慌てて持ち出した「高齢者負担の一部凍結問題」について触れておきたい。凍結報道に、後期高齢者医療制度そのものが凍結されたとの誤解が一時的に生まれたこともあるので、与党の一部凍結の中身を確認しておきたい。
 自公の合意は(1)新制度導入に合わせて始める70歳から74歳の窓口負担増(1割から2割へ倍加)を1年延期、(2)今まで保険料負担のなかった75歳以上の「被扶養者」が新制度で負担を迫られる保険料を半年凍結、後の半年は保険料を1割に減額する―というもので、後期高齢者医療制度そのものの凍結・中止とはまったく無縁の、「選挙対策の色彩が極めて強い」(中日新聞・10月25日付)しろものである。
 ただし、世論が政府を追い詰めれば、実際に政治を動かす可能性が広がっていることを示したといえる。

保険料平均額は月7,767円に

 議案説明会に配布された資料によると、愛知県の保険料平均額は月7,767円(年93,204円)になることが明らかになった。愛知社保協が試算した7,370円よりもさらに400円程高い設定で、介護保険料と合わせると、平均して月12,000円近い保険料が年金から天引きされることになる。
条例案で示された保険料見込額は、1人当たりの均等割額が月3,348円(年40,175円)、所得割額の料率が7.43%となった。
 これにより、収入が年金のみの高齢者の保険料は、(資料1)の「保険料計算式」に当てはめて計算すれば、いくらの保険料になるか算出することができる。
 「年金収入別保険料額」は(資料2)のとおりである。愛知県の高齢者医療費は全国水準に近いにもかかわらず、厚労省が当初示した保険料額よりかなり高い設定となっている。  

 

名古屋市の国保料より大幅アップは必至

 後期高齢者医療の保険料と名古屋市国保の保険料額とを比較した資料が、(資料3)である。
 この試算によると、「夫婦世帯」の場合、どの階層をとっても大幅な負担増となっている。とりわけ、年金収入192万円以下の階層は、現行名古屋市国保では保険料が免除されているが、後期高齢者医療制度では、新たに年24,000円〜69,000円の負担がのしかかることになる。
 「単身高齢者世帯」の場合は、年金収入288万円以上の場合は、保険料負担が下がるが、203万円以下の場合は負担増となり、低年金者ほど負担増となっていることがわかる。

 

保険料自動引き上げの仕組み

 今回示された保険料は、2008年4月から2010年3月までの2年間の保険料で、その後2年ごとの保険料見直しが義務づけられている。
 広域連合の医療給付費の総額をベースに、10%は保険料を財源にする仕組みとなっているが、実は、高齢者人口が増えるのに応じて、75歳以上の保険料負担率が自動的に上がる仕組みが盛り込まれている。厚労省は、全国平均で、2008年度10%年74,000円が、2015年度には10.8%85,000円へと引き上げられる試算額を示している。
 医療給付費が増えれば、自動的に保険料が上がる。保険料を上げるのが嫌なら、医療給付内容を下げる。いずれにしても、高齢者に痛みを与える情け容赦のない仕組みといえる。

制度そのものを凍結・中止に

 保険料の新たな負担と同時に大きな問題となるのが、受けられる医療内容に「差別」が導入される点が指摘されている。現在、中医協などで具体的な後期高齢者医療制度独自の診療報酬が検討されているが、公的な皆保険制度を持つ国で、特定の年齢をもって、受けられる医療に差別を設けている国はない。
 部分的な凍結に終わらせず、後期高齢者医療制度そのものを凍結・中止することが強く求められている。
協会・社保協では、国に向けて、後期高齢者医療制度の凍結・中止を求める会員署名および請願署名に取り組むとともに、凍結・中止法案の提出を地元議員に働きかけている。請願署名は、既に6万筆を超える数を集約している。
 また、愛知県後期高齢者医療広域連合には、低所得者向け減免制度の実施などを求める請願署名に取り組み、11月5日に広域連合議会へ47,481筆を提出した。
 今後も引き続き、後期高齢者医療制度の問題点を明らかにし、世論を広げることで、制度そのものの凍結・中止に追い込む取り組みを強める予定でいる。

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