より良い医療制度をめざす活動

【07.09.15】主張・後期高齢者医療

高齢者への人権侵害をゆるすな

 後期高齢者医療制度が来年四月から施行されるが、根拠法の高齢者医療確保法の目的は「医療費の適正化を推進する」とされており、老人福祉法の基本理念「生きがいを持てる健全で安らかな生活を保障される」および老人保健法の「老後における健康の保持」が削られてしまっているところにこの制度の本質がある。
 七十五歳以上の高齢者はすべて健保・国保から強制的に脱退させられて新たな保険料負担がはじまる。今まで家族に扶養され保険料負担のなかった約二百万人の高齢者も保険料が徴収される。平均で月六千二百円といわれているが、これに事務費・葬祭費・健診費などを含めると六千五百円を超えるとの観測もあり、介護保険料と合わせると一万円を超えるのは確実である。
 しかも、保険料を滞納すると、今まで適用されていなかった保険証の取り上げも計画されており、病気持ちの多い高齢者にとって命がかかった人権問題である。
また、医療給付費の一割は保険料を財源とすることになっているため、医療給付費が増えると、「医療内容の引き下げ」か「保険料アップ」を迫る仕組みは、国の責任放棄そのものである。
 更に医療サービスの中身も「心身の特性にみあった給付」の名のもとに、別建ての包括制診療報酬で医療を制限しようとしている。差別医療そのものである。住宅、看取り、終末期医療が検討されているが、「適正化」の観点でなく人権を尊重した尊厳ある終末人生として議論を展開すべきである。堤修三阪大教授がいうところの「姥捨て山医療」は許されない。
 このように多くの問題を抱えた後期高齢者医療制度については、国は来年度からの実施を凍結し、抜本的な見直しを行うべきである。
 見直しの中身は、各地の広域連合や全国市長会が要望しているように、低所得者対策や葬祭費、健診費、事務費などに国が十分な財政支出を行うことが欠かせない。
 また、後期高齢者医療制度の運営主体は広域連合であり、住民から遠くはなれ要望の実現への壁になっている。広域連合は、支払い可能な保険料額の設定、名古屋市国保並みの減免制度の創設、保険料滞納者への保険証取り上げの禁止、現行水準を後退させない健診の実施、高齢者の声を反映する運営協議会の設置などの実施が求められる。
 これらの要求実現に向けて、協会および県社保協は、今秋、各地域での学習活動を強め、国・広域連合・名古屋市への請願署名を大いに広めることにしている。

▲ このページの先頭にもどる