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【07.01.15】レセプトオンライン請求義務化問題を考える シリーズ1

レセプトオンライン請求義務化問題を考える シリーズ1

 レセプトのオンライン請求が義務化されたことにより、定められた年月日以降は現行の紙レセプトによる請求が認められなくなった。その具体的な中身とオンライン化を推進する政府などの狙い、問題点を連載で紹介する。

「全面導入 1年前倒し」の報道も

 昨年4月10日に出された厚労省令にもとづく規定の方針によると、レセプトのオンライン請求は2008年度から本格実施される。
それ以降、「工程表(PDFファイル)」にそって一定期間は紙によるレセプト請求も認めるが、経過措置が終了した年月日以降はオンライン以外の請求が認められなくなる。準備をすすめるにはかなり厳しい日程だと思えるが、最近の『日経新聞』(1月7日付)では、「全面導入1年前倒し」の方針を政府が検討していると報道されている。
 その記事でいう「全面導入」とは4年後の2011年4月を指す。「工程表」で見ると、これは平均の請求数が少ないと認定される医療機関(月平均の請求件数が医科は100件、歯科は50件未満)を除いて、医科も歯科もオンライン請求をしなくてはならなくなる時のことである。現行の「工程表」でさえ果たして対応が可能なのかどうか疑問の声は多い。にもかかわらずさらに1年前倒しなどという方針が出てくる背景には、記事も指摘しているように「『医療費抑制額は年間で1兆円を上回り、前倒しの効果も1千億円を超える』(幹部)」からにほかならない。
 ところで、では、そもそもレセプトのオンライン請求とは何か?

電子レセプト普及は未だ1割程度

 オンライン請求とは、医療機関にとっては電話等の回線を使って支払基金や国保連合会など支払機関に診療報酬の請求をすることである。また、支払基金などからは保険者へも同様にオンラインでデータ送信され、そのデータは保険者に蓄積されることになる。
 ここでのもう一つの大事なポイントは、レセコンを紙にプリントアウトするのとは違ってレセコン仕様の文字データを電子レセプト化(コード化)することが前提になる点だ。電子化されたデータは、容易にデータ同士の比較や再編成が可能になる。傷病名と薬剤の適応などのチェックも簡単にできるし、保険者が毎月の請求の変化を比較検討することも容易になる。これらの問題点は次回以降にさらに詳しく検討する。
  では、オンライン請求の前提となる電子レセプト請求、レセコンの普及率などがどうなっているのか、県内の状況を支払基金の調査(2006年5月診療分・『社会保険旬報』06年11月21日号)から見ると次のとおりだ。
 医療機関に対する割合ではレセコンの利用している医療機関が医科は81.9%、歯科は73.8%。電子レセプト請求をしている医療機関は医科が9.2%、歯科は未実施、つまりゼロである。『愛知基金時報』などで毎月のように宣伝しているにもかかわらず、電子レセプト請求は、まだまだほとんど普及していないのが実態なのである。それに対する厚労省が行った状況打開の方策が「レセスタ」という文字データを電子データに変換するソフトの開発、普及だったのである。
(文責 事務局吉田)

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