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【06.07.25】国保料滞納者への制裁措置 被害の実態が浮き彫りに

国保料滞納者への制裁措置 被害の実態が浮き彫りに

 「受診我慢の末 死亡」(朝日)、「受診遅れ?11人死亡」(中日)、「無保険30万世帯超」(毎日)……
 このところ新聞紙上で、国民健康保険の保険証取り上げによる深刻な被害の実態が大きく報道されている。

  国保の保険料・税は、国の補助金が、45%から38.5%へと大幅に削減された1984年以降、どこの自治体でも急速に引き上げられてきた。
 このため、保険料・税を払えない滞納世帯は、増加の一途を辿り、滞納世帯は国保加入世帯の20%、5世帯に1世帯が滞納しているという異常事態に至っている。
 滞納世帯は、全国で470万世帯を超え、その内、正規の保険証を取り上げられ、短期保険証とされたのが107万世帯、資格証明書とされたのが32万世帯にのぼっている。
その結果、全国各地で、受診を我慢した末の死亡事例が頻発している。
 7月4日付けの朝日新聞によると、「2000年以降に少なくとも21人が受診抑制の末、死亡していた」と報道している。
 保団連の調べによると、資格証明書にされてしまった人の受診率は、国保の被保険者の受診率と比べて、100分の1から30分の1にとどまっているとの結果が出ている。事実、愛知県の場合も、70分の1にとどまっている。
 朝日新聞の報道事例も氷山の一角と思われ、現行の制裁措置が継続される限り、受診の手控えが原因で、手遅れとなる事例の発生は今後も避けられそうにない。
 誰でも安心して医療が受けられるはずの国民皆保険制度から除外される世帯の誕生は、小泉「構造改革」により広がった「格差社会」の一端を示したものと言えよう。

資格証明書の交付は縁切り宣言すること

 主な都府県における資格証明書の発行状況を示したのが、別記資料である。
 愛知県の場合、滞納世帯に占める資格証明書の発行割合は、1.0%で、他の都府県と比べて極めて少ない割合に留めている。特に名古屋市の発行件数は僅か15件である。
 名古屋市保険年金課は、「資格証明書の交付は、行政が縁切り宣言するようなもの」と言い切り、資格証明書の問題点を指摘している。「縁切り宣言すれば、市民との接触が途絶え、収納率は上がらない」との言葉どおり、大量の資格証明書を発行している他の政令指定都市よりも、名古屋市の方が高い収納率を維持している。
 愛知県も、社保協の要請に対し「資格証明書の発行は、滞納者の実態をよく掴み、面接なしの発行は行うべきではない」との姿勢を示しており、他府県と比べて発行数を少なく押さえている要因となっている。

滞納問題の解決は保険料の引き下げで

 協会および社保協では、引き続き、資格証明書の発行中止を求めて、取り組みを強めるとともに、国保への国の補助金の増額、保険料・税の引き下げと減免制度の拡充などを要請していく予定でいる。
 また、名古屋市では、優れた減免制度がありながら、申請漏れで、制度が生かされていない状況もあり、減免申請のよびかけも行っている。
 天白区の場合は、協会も参加して、7月17日に国保相談会・学習会を開催し、7月27日に集団減免申請・区との懇談を計画している。  

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