より良い医療制度をめざす活動

【06.05.15】診療報酬改定 会員の声(下)

診療報酬改定 会員の声(下)

今回の診療報酬改定に関して、会員から多数の声が寄せられました。その一部を紹介します。

療養病床削減問題

◆1998年、千秋病院は当時全国で7万床程度しかなかった療養病床(療養型病床群)を96床増床した。当時は「長期療養病棟」とも言われていた。
 この時代、高齢者の医療環境は悲惨な状況だった。薬・点滴漬け、身体拘束、雑居部屋風景など老人医療の報道は目を覆うばかりだった。片道キップの老人病院への入院がある一方で、行き場のない高齢者の実態はわたしたちの想像をはるかに超えていた。療養病床増床工事の着工間もなく入院相談が殺到し、その件数は開設から1年の間に実に400件にも及んだ。病院を転々とされる高齢者や障がい者、老々介護の実態、医療が必要にもかかわらず在院日数との関係で退院を迫られたケースなど「病院から追い出される老人たち」とテレビでも報道された。98年10月には、診療報酬改定により長期入院の高齢者は「特定長期入院患者」として看護料が大幅に削減され、「ベッドを追われる高齢者」として社会問題化し、再び「老人の居場所がなくなる」とテレビ取材の申し込みを受けた。
 療養病床開設から3年後の01年、今度は介護療養病床を46床増床し、特殊疾患入院管理加算を取得した。02年には医療療養病床のひとつを回復期リハビリテーション病棟に移行し、同年8月の病床区分手上げ時に一般病床へ転換した。
 介護療養病床は、05年の老人保健施設の開設時にやっと医療療養へと転換することができた。1年ほど前から県当局に介護保険指定事業所の返上を届け出ていたのであるが、一宮市の介護療養病床が当時の診療所のベッドのみになってしまうことから返上届けが保留にされていたのである。よもや、この後介護療養病床の再編・縮小が発表されるとは、当時の担当者の心境は如何に。
 こうして90年代後半からの病院病床の軌跡をたどってみたとき、厚生労働省の余りにも無責任な政策転換に強い憤りを抱く。高齢者の入院は本当に「社会的入院」であり且つこのことは「社会悪」として許されないことなのだろうか。社会的入院をさせる療養病床も超高齢社会という時代が求めてきた使命を終え、存在価値が無くなってきているのだろうか。行き場のない高齢者は、介護施設、老人福祉施設で十分に対応できるのであろうか。急増している有料老人ホームは年金生活者でも入れるのであろうか。こうしたことを考えると高齢者の尊厳を踏みにじる風潮は何も変わっていないことが悲しく腹立たしい。政府は現に療養病床に入院している高齢者や家族の意見をよく聞くと良い。
 マスコミの大半は、療養病床の存在が高齢者の社会的入院を支えていると論調をはり、療養病床の再編・縮小を強行しようとする厚生労働省のお先棒を担いでいる。病院関係者の反対の声はまるで抵抗勢力の扱いだ。こちらも患者さん・ご家族の意見をよく聞くべきだ。
 地域の介護保険利用者や在宅療養の患者さん、ご家族は後方に療養病床があるから安心して在宅療養が続けられる。
 どんな状態になっても安心して生きていられる社会の仕組みがなければ団塊の世代は安心して老いることができない。(一宮市・千秋病院)

歯科診療報酬改定について

◆患者本位になっていない改定ではないか。性悪説に基づく医療は無駄なコストがかかりすぎるのではないか。(中区・歯科)
◆事務の繁雑さに戸惑っている。高齢歯科医師にとっては大変きついです。昭和三十年代、保険医総辞退があったが、やめたい気持ちがある。(豊橋市・歯科)
◆いやがらせともとれる内容である。ペーパーレス時代に逆行している。(岡崎市・歯科)
◆カルテ記載・患者への文書交付が多量でチェアタイムが減少せざるを終えなくなり、今までの治療を続けるとなると患者の院内待機時間が長時間になる。アポイント数も少なくせざるをえなくなり、ひいては一連の診療期間が長くなる。(熱田区・歯科)
◆自然治癒のない歯科医師が体を動かして治さなければならない歯科治療において、膨大な書類の作成は治療水準を下げてしまうことになりかねません。患者さんへの書類提供は良いのですが、署名を求めることは信頼関係を失うことになりかねません。より良い治療を行おうとすると経営を圧迫する改正はやめていただきたいです。患者さんに今回の改正のお話をすると驚かれると思います。(中川区・歯科)

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