愛知県保険医協会の平和を求める取り組み

【15.06.25】NPT再検討会議・ニューヨーク国際行動報告(3)

NPT再検討会議2015の結果は残念、実質は前進
副理事長 板津 慶幸

皆さんの支援をいただきまして、1週間にわたるNYでの核兵器禁止を訴える国際行動に参加してきました。東海岸は初めてでやはり遠かったですが無事に参加し、トラブルなく帰ってきました。そして会議の最終日を迎えた5月22日のニュースが気がかりでしたが、最終文書に全会一致が得られずに採択されないという残念な結果になってしまいました。オーストリアのクルツ外相が、核兵器の非人道性と不使用を訴える共同声明を発表し、159カ国・地域が賛同し(加盟国191)、法的に禁止を求める文書に107カ国が賛同するという状況にあっても今回の事態になってしまったのです。

核保有国は追い込まれている

世界的に対立関係が激化したことを背景として、核保有国が核の脅しである、いわゆる抑止力にしがみついている実態を露呈したもので、強く非難されるべきです。しかし、今回の再検討会議での議論の実質は核兵器の非人道性を非難し廃絶の法的枠組みを求めるもので、最終文書の草案の段階では核兵器禁止条約が初めて書き込まれたことも大きな前進でした。最終文書採択がされなかったのは、アメリカが中東非核問題で拒否したものですが、これは保有国の言い訳、言い逃れであり、ここまで追い込まれていることを示したものです。夏の原水禁世界大会へむけて運動を強めてゆきましょう。

Peace & Planet

NYでは到着の翌日4月26日(日)から署名活動に出かけ、片言の英語での訴えに数は少なかったですが署名してくれました。初めての経験でしたのでとても嬉しかったですし、プレゼントした“オリガミ"に友好的な笑顔が返ってきた時には平和的友情を感じました。実に貴重な体験でした。午後からのPeace & Planetの集会が日本からの1058人を含め7500人で行われ、引き続き大パレードを国連近くまでつづけ、ここで633万筆を超える署名の国連への提出式が行われました。アンゲラ・ケイン国連軍縮担当上級代表は「市民の草の根運動が力になる」と高く評価しました。長年にわたるヒバクシャの語り部活動と禁止署名活動が大きな影響力を発揮していることを確信させるものでした。

医療と福祉関係者のつどい

再検討会議が始まった4月27日には国際シンポジウムが開催され、28日には「医療と福祉関係者のつどい」が行われました。ヘルスケア産業の労働組合(SEIU1199支部)の講堂で開催されて260名が参加しました。医師のトニー・ルイス氏と政治部副責任者のベテル・マンジューラ氏が「アメリカ医療とオバマケア」と題しての講演がありました。「よいニュースを報告できます」として、5年前に成立した「患者保護と利用できる医療法(オバマ・ケア法)」について述べられた。激しい攻撃にあったが、今までの無保険者5000万人のうち5年間で3000万人が保険に入れて、「初めて薬が飲めた」ということになったとのこと。数百万人の命が助けられたのであり、健康への権利が初めて確立されたのだとの評価がされた。今後ももっと健康を要求する運動を続けてゆきたいと述べられた。
Q&Aでは、保険料について今まで1000ドルから4000ドルだったが月額100ドルである。患者負担については、メディケイドは負担ないが、その他は保険料と患者負担が反比例する(保険料が安いと免責が大きい)。堤未果さんの本は知らないので今後研究したい。TPPへのSEIUとしての声明は出していない。病院の受診増について正確な数字は出ていない。ある病院では300人から400人が無保険だったのが10人となった。核廃絶と非人道性についての質問には、「人間の尊厳を守るのは基本である。答えるための事実を知らない。人道について議論したい」との発言があった。

沈みゆく大国アメリカ

堤未果氏の著書「沈みゆく大国アメリカ」では、疾病があっても加入できること、負担上限ができたことなどの反面、州の半数で月々の保険料が上がってしまい、“高額な欠陥商品"で保険会社は笑いがとまらないとのこと。又、薬をどれだけ値上げしても税金で買ってくれるので製薬会社も笑いが止まらないと記しています。

日本の皆保険とは全く違う

つどいのまとめ発言で中川武夫保団連理事が「オバマケアはあくまでも民間保険に入るもので、日本の国民皆保険とは全く違うという点、TPPはとても危険なものである点を確認しておくことが大切である」とピシッと締めて、つどいを終りました。

夏の原水禁世界大会へ

今回の運動は引き続き、世界大会へつづきますが、大きな注目が注がれるとおもいます。又、現在国会で審議中の戦争法案を許さない闘いも同時に取り組んでゆきましょう。

  NPT再検討会議の期間中、国連本部で開催されていた原爆パネル展。被爆者の証言も行われた。

  医療・福祉関係者のつどいでは、ヘルスケア産業の労働組合幹部から「アメリカ医療とオバマケア」についての報告を受けた。

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