愛知県保険医協会の平和を求める取り組み

【10.09.09】原水爆禁止2010年世界大会・広島

核兵器廃絶条約の交渉開始を
〜原水爆禁止2010年世界大会・広島〜

 協会から代表2人参加
 「原水爆禁止2010年世界大会・広島」が8月4日から6日まで県立総合体育館を中心に開催された。愛知県保険医協会は、事務局2人を代表派遣した。
 オバマ大統領のプラハ演説をきっかけに国際政治が大きく核兵器廃絶に向かう中で、5月にニューヨークで開催された核不拡散条約(NPT)再検討会議では「核兵器のない世界の平和と安全」を達成することを決議した最終文書の確認など大きな成果を上げ、さらに大きな到達点を目指して幕が開かれた。
 多彩な世界各地の草の根の運動もさることながら、潘基文(パン・ギムン)国連事務総長、カバクチュランNPT再検討会議議長らのメッセージ、国連軍縮問題担当上級代表のセルジオ・ドゥアルテ氏の発言など国際機関・政府・公的団体の行動が強く印象づけられた大会となった。
 大会には政府・国際機関の代表や非政府組織の代表など、27カ国、69人の海外代表が参加し、開会総会には海外・全国各地から約7400人が集まった。

核廃絶への思い全世界から
 4日の開会総会では、来賓代表で最初に登壇した、日本被団協の坪井直氏は「網膜がやられ、電灯の光も良くないが、この会のために退院してやってきた」と述べ、20歳で爆心地から1キロの地点で被爆し、ガンや心臓病などで12回の入院をくりかえした被爆体験を語り、「それでも生きているのは亡くなった人たちの声を代弁し、核兵器廃絶を見るまで死ぬわけにはいかない」と思いを語った。
 秋葉忠利広島市長はNPT再検討会議に平和市長会議として10カ国30都市から市長を組織して参加したこと、日本原水協からは約1600人が参加し、700万筆の署名をカバクチュランNPT議長に届けたことに言及し、そのような様々な人々が核兵器廃絶に向けた熱気を作りだし、今回の成果に結びついたことを強調した。
 各地区の草の根の取り組みでは、愛知県平和委員会の小田前恵子氏が、被爆者団体とも連携して県下2900人の被爆者への聞き取りを目指す「聞き撮りプロジェクト」の報告をした。「2歳のとき被爆し、被爆者としての意識がなかったが、結婚、出産で偏見にさらされ、娘の結婚式で相手の親族が出席してくれなかった」との聞き取りを紹介した。

多彩な分科会
 5日には広島市内など各地で、21のフォーラムや分科会が開かれた。憲法九条、米軍基地をテーマとするものから、「岩国・呉基地調査行動」、「被爆電車に乗って・親子で学ぼう」と多彩だ。
 そのひとつである「核燃料サイクルと核兵器の廃絶」では日本大学の野口邦和氏が報告。原子力発電の技術のうち、ウラン濃縮工場で濃縮ウランができる。原子炉の使用済み燃料から再処理工場でプルトニウムができる。このような核兵器に転用できる物質の軍事利用を防ぐため国際的な管理が必要であるが、現段階ではプルトニウムを安全に発電に利用する方法がないため、再処理はやめるべきであること。原子力発電を進める日本政府が原子力の軍事利用については、非核3原則を法制化せず、自衛のための核兵器の保有・使用は憲法九条に違反しないとの立場をとり、態度があいまいで非常に不安だと述べた。

核兵器廃絶条約の交渉開始を
 6日、閉会総会には約8000人が参加した。
 3年連続で参加の国連軍縮問題担当上級代表セルジオ・ドゥアルテ氏が発言。「(NPTの)二重基準をなくし、普遍的な核兵器廃絶を追求せねばなりません。それこそが万人に真の平和と安全を保障する持続可能な道です」と述べた。
 また、「全戸署名ローラー」に取り組み、区内有権者の半数にもせまる約4万3000筆の署名を集めた大阪西淀川の経験など、各地での草の根の多様な活動が報告された。
 最後に、核兵器廃絶条約の交渉開始を求める声をさらに大きく広げること、アメリカの「核の傘」からの脱却を日本政府にせまることなどを呼びかける決議を採択して幕を閉じた。

菅首相発言に大きな非難
 6日の広島市の平和記念式典は、国連事務総長の参列など世界的な注目が集まった。
 秋葉市長は原水禁大会のあいさつと同様に、政府に対して核の傘からの離脱、非核3原則の法制化を求める発言をした。
 菅首相は「唯一の被爆国としての核兵器のない世界実現に向けて行動する道義的責任を有している」としながらも、その後の会見で「核抑止力は必要」と述べ、二枚舌との批判があがっている。

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