愛知県保険医協会の平和を求める取り組み

【09.09.11】原水禁世界大会の報告

NPT再検討会議に向けて1200万署名を

  「原水爆禁止世界大会2009年長崎」(原水禁世界大会)が8月7日から9日まで長崎市で開催された。大会には政府・国際機関の代表や非政府組織の代表など、24カ国、85人の海外代表が参加し、長崎大会開会総会には海外・全国各地から7000人が集まった。
 4月のプラハでの「核兵器のない世界」を提唱したオバマ演説は、今日まで被爆者の苦しみや核兵器廃絶の訴えが、世代や国を超え世界の人々を動かし、平和運動がここまで世界を変えてきた成果を示すものである。核兵器廃絶への願いに大きな追い風が吹く中、大会は幕を開けた。

オバマ大統領のプラハ演説を契機に
 7日に行われた開会総会では国連・各国政府代表、被爆者、長崎市長、国内外から核兵器のない世界をめざす運動家などが発言し、オバマ米大統領のプラハ演説を契機に核兵器廃絶に向けて運動と連携を強めていこうと呼び掛ける声が相次いだ。
 被爆者を代表して登壇した長崎被災協の谷口稜曄会長は「オバマ大統領の演説は被爆者にとって大きな希望を与えた」と喜ぶ一方で「核の傘にしがみつくグループもいる。気を引き締めて核兵器廃絶の道を切り開かなければならない」と警鐘を鳴らした。
 また田上富久長崎市長は特別報告で「どの国にいてもどの町にいてもできることがある」とし、「オバマ大統領の努力を待つのでなく、私たち市民もネットワークをつくり『核兵器はいらない』という大きな流れをつくろう」と訴えた。

「継承と発信」 青年のアクション
 近年の原水禁世界大会は、多くの青年の参加が特徴である。これは同時に核兵器廃絶への希望でもあり、その部分を報告したい。
 開会総会後に行われた「核兵器をなくそう・世界青年のつどい」には国内外から約1600人の青年が集まり、「核兵器のない世界へ―わたしの想い」と題し、日本、韓国、アメリカなど各国の青年たちが自身の取り組みや核兵器廃絶への思いなどを発言した。
 イタリアの青年は、「皆さんは世界で唯一の被爆国の若者として核実験国家の若者と特別な役割を共有している。日本の若者の平和への取り組みはヨーロッパの若者への重要なメッセージである」と語った。
 大会2日目の8日には核兵器廃絶を目指す多彩なテーマで、18のフォーラムや分科会が開かれた。その中のひとつである「青年のひろば」では青年たちが10人余のグループに分かれ市内各所を訪ね、25人以上の被爆者から直接被爆体験の聞き取りをおこなった。
 そのひとつとして当時11歳と5歳だった姉妹は「強い光が射した直後、爆風に吹き飛ばされ、気がつくと外はまさに地獄絵図だった」と、鮮明に焼き付けられた原爆投下直後の長崎での記憶を語った。64年、放射能による被害はいまなお被爆者に癒されぬ悲しみや苦痛を残す。あの日長崎で無念のうちに亡くなった友人たちに「何故伝えてきてくれなかったのか」と責められるような気がして、姉妹は今回はじめて人前で自らの体験を語ることを決意したと語った。生きとし生けるものに未曾有の惨害をもたらしたあの日を、人類はけっして忘れてはならない。原爆の悲惨さと平和への祈りを次の世代へ語り継いで欲しいと涙ながらに訴えた。

来年の核不拡散条約(NPT)再検討会議を歴史的な転換点に
 9日の閉会総会には約7800人が参加し、「今こそ被爆者とともに核廃絶を求める声を世界に広げてきた日本の原水禁運動が力を発揮するとき。来年5月に米ニューヨークで開かれる核拡散防止条約(NPT)再検討会で核兵器禁止条約への一歩を踏み出すよう強く求める」とする決議を採択。また「核兵器のない世界を」国際署名を「1200万筆集めきろう」との呼びかけがなされた。
 NPT再検討会議に向かう中、地球規模の核兵器廃絶で前進するよう政府に働きかける大きな機会を迎えている。オバマ大統領の宣言にみられるように、新たな展望が開かれた今こそ、待つのではなく一人一人が声を挙げていく必要がある。オバマ氏のプラハでの発言を歓迎する一方「核兵器のない世界」への取り組みを具体化し、どう行動を起こすのかを提起し、確認しあった大会となった。

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