愛知県保険医協会の平和を求める取り組み

【09.06.25】主張・迫る改憲の危機

明文も解釈も許さない圧倒的世論を

 六月十六日の新聞は、世論調査の結果として麻生内閣の支持率が二〇%を切ったと報じた。低迷する内閣支持率で、政権の維持が危ういため、いまのうちに懸案の法案を強行採決しようと、当初六月三日までの会期だった通常国会は、五十五日間の会期延長が図られた。
 延長の理由には補正予算関連法案の成立も挙げられたが、真の狙いの一つは「海賊対処」を名目にアフリカ・ソマリア沖に派遣している海上自衛隊に、積極的な武器使用を認め、P3C派遣を合法化する「海賊対処」派兵法案成立にあると思われる。
 法律が示す派兵期間は無期限であり、外国の船舶を守るために、イラク派兵特措法などにはなかった歯止めのない武器使用も認めるもので、自衛隊の海外派兵の恒久法や憲法改定を待たずに、「解釈改憲」の歯止めをなくす大問題である。与党は衆議院で不十分な審議で強行採決、その後参議院で否決されたが、六月十九日に衆議院で再議決した。
 ここで思い起こしたいのは、昨年四月に名古屋高裁が示した、自衛隊のイラク派兵に対する違憲判決である。判決は、イラクでの航空自衛隊の輸送活動を憲法九条やイラク特措法に反する行為と認定した。「憲法九条は生きている」と実感させる、当然ではあるが画期的な判決だった。この判決を踏みにじる海賊対処法の成立強行に強く抗議するものである。
 もう一つの狙いは、改憲原案の審査権限を持つ憲法審査会規程の成立で、六月十一日衆議院で強行した。何としても九条を変え、軍隊の保持と海外での武力行使を憲法上も可能にしたいとする政府与党の執念が示されている。民主党が「(憲法改定の)議論は始めても結構だ」(NHK番組で鳩山代表が発言)という姿勢を示したこともこの事態を加速させている。
 今回の憲法審査会規程制定の動きは、二〇〇七年の安倍内閣のもとで強行成立した改憲手続き法のうち、来年五月施行の国民投票法を睨んだ動きであり、改憲の動きを許さない世論の高まりが求められる。
 大江健三郎氏や故加藤周一氏らがよびかけた「九条の会」は、今や全国各地につくられ、七千四百四十三に達した。保険医協会や「あいち医師・歯科医師九条の会」は県内の医師・歯科医師に「九条の会」アピールへの賛同をよびかけ、千人を超えるまでになったが、賛同の一層のひろがりを目指し、多くの会員の理解と協力を求めたい。

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