愛知県保険医協会の平和を求める取り組み

【07.11.25】主張 新テロ特措法

改憲のたくらみを阻止しよう

 十一月一日の二十四時、「テロ特措法」は期限切れとなり、アラビア海から海上自衛隊の補給艦は撤退した。これはまさに、先の参議院選挙の結果に端的に表された世論の力である。
 二〇〇一年の小泉政権下で始められたこの「無料海上ガソリンスタンド」は六年間で数百億円もの費用を注いだにもかかわらず、アフガニスタンに平和をもたらす力にはならなかった。軍事力でテロを根絶することはできない。そればかりか、かえって事態の悪化をもたらす結果になっている。また、給油活動が止まったことに対して、わが国に国際的な批判が集まっているわけでもない。
 「テロとの戦い」「国際貢献」を理由に、政府与党は、「新テロ特措法」を国会に提出し、財界の後押しで、民主党小沢党首の取り込みを図り新法の成立を図った。国民の驚きと怒りの中で、紆余曲折はあったが、国会の会期を大幅に延長し、衆議院で採決を強行した。
 この間、日本が給油した燃料がイラク戦争で使用された疑惑、給油量を国会で過少報告し、その誤りを知りながら隠蔽していた文民統制違反疑惑に加え、守屋前事務次官に端を発した歴代の防衛長官を含む防衛省疑惑も明らかにされつつある。
民主党は、「新テロ特措法」には反対の対応を決めているが、一方で党首が国際治安支援部隊(ISAF)へ民生分野に限定して参加すると言明したり、国連決議に基づく恒久的海外派兵法の制定を検討するとしている。
 そもそも、憲法は軍隊を持たないと規定しており、いかなる理由でも海外へ自衛隊を派兵することはできない。しかし、この規定が、湾岸戦争以来、米政府からの強い要望でじわじわと崩され、「国際平和と日本の安全」のためにと米軍に協力することに馴らされてきたといえる。その集大成として、「改憲」が企まれているのである。
 改憲を公約のトップに掲げた自民党が惨敗し、改憲まっしぐらの安倍前首相が政権を投げ出したことで、改憲の動きが弱まったとの見方も一部にはあるが、米軍の世界戦略の中に位置づけられ、日本の巨大企業の強い要求である以上、改憲を簡単にあきらめることはあり得ない。
 今、必要なことは、「新テロ特措法」の成立を許さず、海上自衛隊の補給艦の恒久撤退を実現することに加え、改憲に反対し九条を守る力を多数派にしていくことではないであろうか。

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