愛知県保険医協会の平和を求める取り組み

【05.02.25】イラクへの医療支援に感謝 アサード・A・アミール医師からお礼の手紙

 昨年一月九日から一年間、名古屋大学病院で研修を続けていたアサード医師(三十四歳)が帰国にあたり保険医協会に残していったメッセージを紹介します。

イラクへの医療支援に感謝

 私は、他の二人の医師らとともに来日したイラク人医師です。イラクの病院の状況がとりわけ一九九〇年以降、悪化の一途を辿っているため、セイブ・イラクチルドレン・名古屋のご尽力により、日本で骨髄移植の研修を受けるという趣旨で招聘されました。
 イラクの病院では、複雑な診断、治療のための機器よりもむしろ、注射器や静脈注入セットといった基本的な処置に必要なものが不足しています。薬も常に切れており、特に悪性疾病用のものはありません。イラク南部では、がんセンターと呼ばれる外来患者の診療所はありますが、ベッドは二十四台しかなく、常備されてはいませんが化学療法に関するいくつかのアイテムを除いて、がんの治療のための診察や治療で使用する特殊な用具はどれも不足しています。
 このような貧弱な病院から、私たちは悪性疾病に対する新しい治療法の研修や経験をしに日本に来ました。私たちに対するセイブ・イラクチルドレン・名古屋のご尽力は素晴らしく、様々な薬や機器を届けて私たちの病院を継続的に支えてくれています。厳しい条件下にあったにもかかわらず、中古医療機器を、バスラにある私たちの病院に贈ってくださいました。そしてそれは、愛知県の医師や病院のご協力と支えとがあってなされたことです。このことは、バスラにいるすべての医師、そしてバスラの保健省や医師会に、深く感謝されています。
 今では、届けられた物資等のほとんどが国営病院で自由に利用され、私たちの患者を救っています。さらに、セイブ・イラクチルドレン・名古屋や日本の医療機関の継続的ご支援の一環として、私たちの病院にCTスキャナーが入ることになり、いま受け入れる準備を整えているところです。
 バスラにあるサドル教育病院は、がんセンターに加えて、副専門の心臓血管外科や胸部外科、神経外科、形成外科、胃腸病学・消化器病学センターを、イラク南部において唯一備えている病院です。それにもかかわらず、病院にはCTスキャナーが一台もありません。CTスキャナーの設置は、診断や経過観察の上で大変役立ち、医師や患者の苦しみを最小限に抑えてくれると思います。
 現在の困難な状況のなかで、私たちの病院をずっと支えてくださっている日本のすべての方々に、私たちはとても感謝しております。そして、政府・市民の活動を通じて日本人とイラク人の関係を強固なものにしていけることを願っています。また、両国の市民間の絆を深める一環として、医療レベルでは日本の医師団体との協力という好機会を持つこと、イラクの医療を改善するために日本人医師からより多くのことを学ぶことを期待しております。
 最後に、バスラにいる私の同僚たちに代わり、私たちの患者や病院に手を差しのべてくださった日本の皆さまに感謝の意を表したいと思います。このご恩は忘れません。日本での研修中に私や仲間の二人をお世話してくださった方々、そして名古屋大学付属病院の小島教授と彼のチームに厚くお礼を申し上げます。
(訳:渡邊真紀子)

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