核戦争に反対する医師の会

【15.04.05】核兵器禁止条約の交渉開始を

核兵器のない世界を(4)
核兵器禁止条約の交渉開始を「Yes, we can」
中京大学スポーツ科学部 坂本 龍雄


 2009年4月5日、プラハのフラチャニ広場に詰めかけた2万人以上の聴衆を前に、オバマ大統領は、米国は、核を使用した唯一の核保有国として行動する道義的な責任があり、核兵器のない、平和で安全な世界を追求してゆくと宣言した。しかし、6年経った今、「Yes, we can」と拳を突き上げる力をなくしてしまったようにも見受けられる。
 冷戦の終結と核軍縮を求める国際世論の大きな高まりによって、米露による核先制使用の危険は去ったと思っていた矢先、先日、プーチン大統領が、ロシアがウクライナからクリミアを併合した際、核兵器の使用を準備していたことを明らかにした。続いて、ロシアのデンマーク大使が、NATOの欧州ミサイル防衛にデンマークが参加した場合、同国の海軍艦船が核の標的になり得ると新聞紙上でデンマーク国民を脅迫した。ロシアに限らず核兵器を保有し続けるという事態は、いかなる国際情勢下でも、権力者に核兵器の壊滅的な威力に対する憧憬を抱かせ、その威力を試してみたいという残虐性を求めるものである。核兵器はとうてい人類と共存できるものではない。
 安倍政権は北朝鮮だけでなく中国からの核先制攻撃をも想定し、米国の「核の傘」(=「核抑止力」)への傾斜を深めている。そして、国民の一定の支持を受けつつ、米軍優先で史上最高額の軍事予算を計上し、憲法九条をあからさまに踏みにじる「戦争立法」の成立に躍起になっている。「核抑止力」論が力を盛り返してきたという印象を拭えない。国際的にも、「ならずもの国家」への核拡散と核テロに対する懸念が増大しており、早急に防止策が求められる。「核抑止力」論が力を盛り返す状況にあっても、有効な防止策を整備するためには、「核抑止力」論と決別することが必要条件だと確信している。核保有国がすべての核兵器を廃棄し、中立的な国際機関が核兵器を独占保有して「ならずもの国家」やテロリストに脅しをかけるという、「核抑止力」論に依拠した空想的な提案を耳にしたことがある。「核抑止力」論に依存することの滑稽さをうまく表現していると思う。
 オバマ大統領の予想に反し、核兵器全面禁止・廃絶を求める「草の根からの行動」は世界各地で芽吹き、大きく発展してきている。そして、今回のNPT再検討会議では、核兵器の非合法化に向け、核兵器禁止条約の交渉開始を文書で確認させるための大きな推進力になっている。この核兵器全面禁止・廃絶を求める国際的潮流は、「核抑止力」論に基づいた政治的駆け引きを求めず、被爆者が訴え続けてきた「核兵器使用の非人道性」と「核兵器を廃絶することが、将来核兵器が再び使用されない唯一の保障」という簡潔明瞭な確信に立脚していることが特筆される。こうした立場は目標の実現性を担保するものであって空想ではない。最近はそう断言できるようになった。
 さて、ニューヨークでは、NPT再検討会議に向けて多くの集会や平和行進が計画されている。被爆国からの代表、愛知県保険医協会の代表としての役割を精一杯果たしたい。

署名&代表派遣カンパにご協力ください

(1)「核兵器の全面禁止アピール」署名の協力方法
こちらから、署名用紙をダウンロードできます。これをご利用いただくか、事務局にご連絡ください。用紙をお送りします。
(2)NPT再検討会議への代表派遣カンパの協力方法
次の口座宛に振り込みいただけますと幸いです。
加入者名「愛知県保険医協会」
郵便振込:0089-6-12008
連絡・問合せ先:協会事務局反核医師の会担当
TEL 052-832-1346 / FAX 052-834-3584


▲ このページの先頭にもどる