会員のページ

【22.02.05】医科診療報酬改定情報(7)

中医協が公聴会開催 ―協会からパブコメ提出

 中医協は1月14日、厚労省からの諮問を受けるとともに、21日までの意見(パブコメ)募集を行った。また21日には、オンラインで公聴会を開催。公聴会では、医師・歯科医師などの医療関係者、健康保険組合や自治体、患者団体などから選ばれた12人が意見を述べた。
 急性期病院の医師からは人員に対する評価や医療現場と乖離する「重症度、医療・看護必要度」の評価を求める意見、診療所の医師からは、かかりつけ医の制度化反対や対面診療を原則としたオンライン診療、感染症対策の評価を求める意見が出された。歯科医師からは、不合理で複雑な診療報酬体系の見直しや施設基準の要件緩和、金パラの逆ざや解消を求める意見が述べられた。また、健保組合や国保保険者などの立場からは、かかりつけ医の明確化やオンライン診療の促進など、患者の支援団体の立場からは療養就労両立支援の促進、不妊治療の保険適用などに対する要望が出された。
 中医協では、今後個別改定項目の提案と議論が行われ、2月上旬には答申がされる。以下に、パブコメ募集に対して協会から提出した意見(医科)を抜粋して紹介する。

▽5回連続の実質マイナス改定を見直して、診療報酬を引き上げてください
 今回改定率は5回連続の引き下げであるが、改定の度に引き下げを行うことに反対。今回も薬価等の引き下げ分が本体改定分には充当されず、財源は十分確保されていない。医療機関は新型コロナの感染防止対策や治療、ワクチン接種等で奮闘してきたが、医療経済実態調査の結果を反映した改定率とは言えない。
▽病院の紹介状無し受診時定額負担の拡大等に反対
 紹介状なしの初診料等に対する受診時定額負担を、「一般病床200床以上」の全ての病院を対象とすることに反対。また現行の定額負担額を増額し、当該相当分を保険給付から除外する仕組みを導入することは一定額の保険給付外しになり反対する。
▽初診料、再診料、入院基本料の引き上げを
 医療機関では、新型コロナウイルスの感染対策に努めてきた。基本診療料には、医師の技術料だけでなく医療従事者の人件費や基本的な診療に必要な物品などの医療機関の経費も含まれている。初診料、再診料、入院基本料を引き上げるべきである。
▽初診からのオンライン診療の恒久化は行わないこと
 現在、認められている初診からのオンライン診療は新型コロナウイルス感染症の拡大防止のための臨時的な対応であり、常態として診療に拡大・恒久化することには反対する。適切に診療を行うためには、さまざまな症状を訴える患者とのやりとりだけでなく、触診や検査・画像診断による診断や、必要な処置・手術の対応が必要である。
対面診療を軽視し、初診からのオンライン診療を認めることは必要な診断や治療を遅らせることになる。安心・安全な医療の提供、患者との信頼関係の構築のためにも対面診療を原則とすべき。
▽病床を削減し患者を追い出す強引な地域医療構想の具体化に反対
 回復期リハビリテーション病棟の機能回復実績や、地域包括ケア病棟の自宅等からの受け入れ実績の強化、一般病棟入院基本料の「重症度、医療・看護必要度」や療養病棟入院基本料「医療区分2・3の割合」などの見直しは、病院を破壊するばかりでなく、必要な医療から患者を追い出すことにもなり反対する。
▽維持期リハビリは医療保険で給付を
 リハビリテーションは機能回復、機能の維持や年齢による機能低下の抑制に必要不可欠であり、維持期を含めて医療として実施されるべきものである。
▽在宅医療点数など複雑な保険診療の算定ルールの簡素化を
診療報酬改定の度に点数算定のルールが複雑化し、施設基準や算定要件も増えている。特に在宅医療は、点数算定が患者の状態・居住場所によって区分され、施設基準や算定制限も細かく設けられているなど、改定の度に複雑さを増している。点数設定や算定要件の簡素化を要望する。
▽医師の診察を軽視したリフィル処方に反対
 処方箋を繰り返し一定回数利用するリフィル処方の導入に反対する。医師は受診の都度、患者の健康状態や増悪のチェックをしており、薬物療法だけでなく運動や食事などの生活習慣に対する指導などのきめ細やかな指導管理を行っている。リフィル処方は、医師による患者の健康状態の把握や患者への説明や指導が弱まり、医師の診察行為を薬剤師に委ねることにもなる。問題の多い制度であり反対である。
▽後発医薬品使用体制加算の要件見直しに反対
 後発品医薬品の供給制限も続いており、医療現場の実態を無視した要件見直しには反対する。
▽不妊治療の保険適用は、慎重に検討をしてください
 不妊治療の保険適用で少子化の問題が解決するわけではない。健康保険は疾病や傷害等に備えて制度化されており、不妊治療の保険適用には十分な検討が必要。不妊治療は、日本生殖医学会のガイドラインでもさまざまな技術が分類され、オーダーメイド治療とも言われるほど治療法や費用負担に幅があり、保険適用として標準化することや適正な診療報酬の設定は難しいとの指摘もされている。さまざまな問題点も含めた慎重な検討、議論を求める。
▽パブコメに寄せられた意見を十分反映させ、改定内容の周知期間を十分に取ること
 改定内容をより正確に理解し、新点数による保険請求を円滑に行うことに努めている医療機関への十分な周知徹底のための期間を設けること。また、公聴会やパブコメ意見について改定の審議に反映させるべき。

(つづく)

▲ このページの先頭にもどる