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【21.12.05】2022・歯科診療報酬改定情報1

在宅歯科医療にかかる議論を開始―中医協総会

中央社会保険医療協議会(中医協)は、7月以降、2022年診療報酬改定に向け議論を進め、9月中旬に「中間取りまとめ」を行った。本号から、第2ラウンドに入った10月以降の歯科診療報酬に関わる情報を順次紹介する。
11月10日には、在宅歯科医療についての議論が行われた。

診療を行う場所・内容・時間を踏まえた評価
厚労省から、歯科訪問診療料の算定割合について歯科訪問診療1が10%未満、歯科訪問診療2が25%程度、歯科訪問診療3が70%程度であること、歯科訪問診療時に行われる診療行為については、歯科訪問診療1では「補綴・義歯の新規作製」「補綴・義歯の修理・調整・指導」が多く、歯科訪問診療3では「口腔衛生」や「医学管理」が多い傾向にあることが示された。今後の論点として、歯科訪問診療が行われる場所や、診療行為、診療時間をどう評価するかとされた。
診療側委員である日歯の林正純委員からは、論点に賛同するとして「実施する歯科医師や歯科専門職が納得できるメリハリのある評価」を求める意見が出された。

訪問口腔リハ・小児訪問口腔リハ
在宅患者訪問口腔リハビリテーション指導管理料(訪問口腔リハ)および小児在宅患者訪問口腔リハビリテーション指導管理料(小児訪問口腔リハ)は、算定していない理由について、いずれも「対象となる患者がいない」が最も多かった。次いで、訪問口腔リハでは、「算定要件を満たすことが難しい」、小児訪問口腔リハでは「実施体制が不足している」が多かった。
論点ではそれぞれの評価の在り方について検討を要するとされた。診療側・林委員は、小児訪問口腔リハについて、時間や手間に見合った評価や医科との連携が進むような方策の検討を求めた。また、日本歯科大学の田村文誉専門委員は、小児訪問口腔リハについて、15歳を超えて訪問口腔リハに移行する場合、小児の口腔管理とは要件が異なり、訪問口腔リハを算定できなくなるケースがあるため、スムーズに移行できるよう求めた。

歯援診について
在宅療養支援歯科診療所(歯援診)については、歯援診1の届出を行っていない理由として「栄養サポートチーム等連携加算等の実績不足」「地域における多職種連携に係る会議への出席等の連携実績不足」が多く、歯科医療機関と他の職種との連携が十分機能していない実態が示された。歯援診1、歯援診2のいずれも届出を行っていない理由は、「過去1年間に実施した歯科訪問診療の算定回数不足」「過去1年間の在宅医療を担う他の保険医療機関からの依頼による歯科訪問診療の算定回数不足」が多く、算定回数などの実績が歯援診へのハードルを高くしている。
歯科訪問診療を最も多くした時間帯については、歯援診では「外来診療時間内」(44.4%)、「外来診療時間の前後、昼休み」(38.3%)、歯援診以外の歯科診療所では「外来診療時間の前後、昼休み」(44.0%)、「外来診療時間内」(34.6%)となっており、歯援診の方が複数の歯科医師による診療体制が整っていることを窺わせる。
診療側・林委員からは「歯援診1はより専門的に、歯援診2は裾野が広がるように工夫してほしい」「小規模な歯科診療所においても在宅歯科医療が行える工夫をお願いしたい」との意見が出された。
支払側委員である安藤伸樹委員(全国健康保険協会理事長)は、訪問診療の算定回数や、他の医療機関からの依頼による実績が足りていない歯科診療所が一定数あるが、今以上の「緩和は望ましくない」と発言。また、同じく支払側委員の松本真人委員(健康保険組合連合会理事)からは、訪問口腔リハを算定する歯科医療機関や歯援診は「地域のニーズに積極的に応えていくよう意識を変えていかないといけない。特に歯援診は現在より届出要件を厳格化する必要がある」と発言した。

在宅歯科医療の 他職種との連携
外来において医療を受けていた患者が在宅医療に移行するにあたって、歯科医療のニーズが把握されるケースがあり、医科医療機関と歯科医療機関の連携についてどう評価するかが論点にあげられた。入院中の患者が退院後に在宅に移行するにあたっての評価(退院時共同指導)や、在宅患者について医科の在宅療養支援診療所などから在宅歯科医療を行う歯科医療機関による歯科訪問診療に対する評価(在宅患者連携指導料)はあったが、医科の外来から歯科訪問診療に移行する場合の評価がないため検討される。

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